7 / 26
7
しおりを挟む
「がはッ」
叩き込まれた、ジークの拳。
それに血反吐を吐き、その場に両膝をつくザール。
腹には穴が空き、もはやザールの生存は絶望的だった。
その顔面。その、ザールの死にかけの顔。
それを見つめ、ジークは吐き捨てる。
「さっさとシね」
メキッ
同時に顔面に叩き込まれる、ジークの拳。
それに倣い、顔面は粉々に砕けあたりに飛び散る。
ぐちゃっ。と音を立て、前のめりに倒れ伏せるザールの巨漢。
その巨大な背に足を載せ、ジークは辺りを見渡す。
そして、声を響かせた。
「隠れてるのはわかっている」
己の胸中。
そこでジークは、更に力を行使する。
「収納する。森の木々を」
瞬間。
草原を取り囲む木々が闇に包まれ、収納される。
そして、姿を隠しザールとジークの一部始終を見つめていた面々が白昼に晒されてしまう。
「……っ」
後退りをする、傭兵団。
双剣のディルクもまた息を飲み、ジークを見つめることしかできない。
「アレン様の、傭兵団」
呟かれる、ジークの言葉。
そこに込められているのは殺気。
数はおよそ、10。
数的にはジークより圧倒的に有利。
しかし、ディルクは悟っていた。
勝てるわけがない、と。
「くッ、くそ!!」
「ザール殿とエレン様の仇!!」
「アレン様の傭兵団としてッ、ここで引くわけにはいかない!!」
自らを奮い立たせ、ジークへと向かっていく面々。
しかし、ジークは一切動じない。
「収納する。お前たちの戦意を」
瞬間。
数秒前まで血気盛んだった面々。
その全員がその場にへたり込み、ジークに対する戦意を喪失。
皆、ガタガタと震えジークに対する畏怖で身動きが取れなくなってしまった。
「し、死ぬ」
「か、勝てない。あんな化け物に俺たちなんか」
「こ、怖い。怖いよ」
ごくり。
と唾を飲み込む、ディルク。
そのディルクに、ジークは声を投げかける。
「アレンにツタえろ」
「てめぇは、最後のお楽しみだ。精々、待ってろ。サイゴの一人になる……その時まで。ってな」
同時にアレンは放り投げる。
ザールから引きちぎった顔面の抉れた首。
それをディルクに向け、ゴミを投げ捨てるように。
「ソレは土産だ」
「勇者様、喜ぶだろうよ」
無機質なジークの顔。
返り血を浴び、しかし無表情のその表情。
それにディルクは、半狂乱になりその場から立ち去る。
ザールの首。
それを抱え、ディルクは「勇者様ッ、勇者様!!」と情けなく泣き喚きながら。
倣い、他の面々も絶叫をあげその場から逃走していく。
まるで蜘蛛の子を垂らすように。一心不乱に。
その光景を見つめ、ジークは呟く。
「ここに、故郷をツクろう」
「壊滅した故郷。それを収納し、ここにモッテこよう」
笑う、ジーク。
その笑い声。
それは壊れた人間の笑い。そのものだった。
叩き込まれた、ジークの拳。
それに血反吐を吐き、その場に両膝をつくザール。
腹には穴が空き、もはやザールの生存は絶望的だった。
その顔面。その、ザールの死にかけの顔。
それを見つめ、ジークは吐き捨てる。
「さっさとシね」
メキッ
同時に顔面に叩き込まれる、ジークの拳。
それに倣い、顔面は粉々に砕けあたりに飛び散る。
ぐちゃっ。と音を立て、前のめりに倒れ伏せるザールの巨漢。
その巨大な背に足を載せ、ジークは辺りを見渡す。
そして、声を響かせた。
「隠れてるのはわかっている」
己の胸中。
そこでジークは、更に力を行使する。
「収納する。森の木々を」
瞬間。
草原を取り囲む木々が闇に包まれ、収納される。
そして、姿を隠しザールとジークの一部始終を見つめていた面々が白昼に晒されてしまう。
「……っ」
後退りをする、傭兵団。
双剣のディルクもまた息を飲み、ジークを見つめることしかできない。
「アレン様の、傭兵団」
呟かれる、ジークの言葉。
そこに込められているのは殺気。
数はおよそ、10。
数的にはジークより圧倒的に有利。
しかし、ディルクは悟っていた。
勝てるわけがない、と。
「くッ、くそ!!」
「ザール殿とエレン様の仇!!」
「アレン様の傭兵団としてッ、ここで引くわけにはいかない!!」
自らを奮い立たせ、ジークへと向かっていく面々。
しかし、ジークは一切動じない。
「収納する。お前たちの戦意を」
瞬間。
数秒前まで血気盛んだった面々。
その全員がその場にへたり込み、ジークに対する戦意を喪失。
皆、ガタガタと震えジークに対する畏怖で身動きが取れなくなってしまった。
「し、死ぬ」
「か、勝てない。あんな化け物に俺たちなんか」
「こ、怖い。怖いよ」
ごくり。
と唾を飲み込む、ディルク。
そのディルクに、ジークは声を投げかける。
「アレンにツタえろ」
「てめぇは、最後のお楽しみだ。精々、待ってろ。サイゴの一人になる……その時まで。ってな」
同時にアレンは放り投げる。
ザールから引きちぎった顔面の抉れた首。
それをディルクに向け、ゴミを投げ捨てるように。
「ソレは土産だ」
「勇者様、喜ぶだろうよ」
無機質なジークの顔。
返り血を浴び、しかし無表情のその表情。
それにディルクは、半狂乱になりその場から立ち去る。
ザールの首。
それを抱え、ディルクは「勇者様ッ、勇者様!!」と情けなく泣き喚きながら。
倣い、他の面々も絶叫をあげその場から逃走していく。
まるで蜘蛛の子を垂らすように。一心不乱に。
その光景を見つめ、ジークは呟く。
「ここに、故郷をツクろう」
「壊滅した故郷。それを収納し、ここにモッテこよう」
笑う、ジーク。
その笑い声。
それは壊れた人間の笑い。そのものだった。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる