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故郷に行ってみよ〜う
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黒のパーカーにジーパンを適当に着えフードを被る
財布とカード を持ち
「しゅっぱーつ」
電車に乗り 久しぶりにスマホを使ってネットを見てみる
先日有栖に出会って気になる事が1つあった
それについて検索を重ねかけしていくと...あった
Alice そのままではあるが有栖のゲーム内での名前
ゲーム内では上位勢の1人で魔法使いなんだとか
使用魔法は氷
本人も割と素っ気ない態度みたいで一応配信はやってるみたい
昔にあったブイチューバーとやらと似たような感じだとか
「んで...そんな有栖が誰かと合流して去っていく姿が見られたから彼氏疑惑じゃないかと噂されてると」
なんか迷惑掛けちゃったかなぁ...
今日こっそり会って聞いてみよう
「うん、懐かしいね」
私が故郷を離れたには14歳の時
実に六年ぶりだ
彼女らに会う前に街をぶらぶらしよっかな
かつて家族と一緒に遊んだ公園
幼馴染と一緒に帰った帰り道
後輩の練習に付き合ったグラウンド
私が寂しい思いをした時こっそり来ていた高台
全部そのままだった
「懐かしいなぁ」
中学生らしい思い出は全然作れてなかった
「私も..そういう未来があったのかな」
後悔はしてない
でもそんな未来があったかもしれない
と考えると少し胸が苦しい
「仮面が剥がれないようにしないと」
これが剥がれたら私は彼女らに会えなくなってしまう
「先..輩?」
「ん?」
「己龍先輩...ですよね?」
赤髪でポニテ
唖然とした状態でこちらを見る赤い目
そこに居たのは私の中学の頃の唯一の後輩
九条時雨だった
「もしそうだとしたら?」
「私にそんな権利が無いのはわかってます...だけど謝らせてください」
「良いよ 私はそこまで気にしてないし 夢を追ってたんだから仕方ないよ」
「先輩がそう言ってくれても...私が許せないんです あんな脅しで先輩と関わるのを簡単に止めた私自身に...」
「そっか..有栖から話は聞いたかな?」
「はい...」
「なら話は早いね 私は君たちに会ってみようと思う それが君たちの幸せに繋がる って断言されたからね 」
「ありがとう..ございます」
どうやらまだ私に対して負い目があるらしい
「じゃあ少し..走ろっか」
「え?」
私達はそこから一緒に走り出した
「せ、先輩...私もう無理です...」
「体力落ちた?」
「多分先輩が上がったのかと...」
「そっかじゃあ休憩しよう」
近くの自販機でスポーツドリンクを買って渡す
「ありがとうございます」
そのまま公園にあったベンチに座る
幸い日陰だ
「部活の方はどう?」
「...憎いくらい順調です 賞も何個か取りました」
「そっか 良かった」
「...今でも後悔してます あんな脅しに屈して先輩から離れた私の行動に」
曇った表情で彼女はそう言った
「...悲しい表情は止めてほしいな 私は特に何も思ってないよ」
「...でも...って!?」
まだ悲しいのが続きそうだから後輩を無理矢理膝枕する
「..私の仕事仲間が教えてくれたの 悲しかったり泣いてる大事な人が居たらこうやって膝枕やハグをしてあげたりするのが良いって」
「...先輩は狡いです」
「? 何が?」
「そういう無自覚な所が...」
顔を赤らめて後輩はそう言う
「無自覚?」
「..あーもう!先輩ったら本当に..」
もしかして恥ずかしいのかな でも今周りに人は居ないし
「(周りに人が居ることを)心配しなくても大丈夫だよ 私が(周りに人が居ないか確認する為に!傍に居るから」
すると後輩は固まった後顔を私のお腹側に向けてグリグリしてくる
「どうしたの?」
「...鈍感先輩」
鈍感? 感覚は結構鋭い方だけどなぁ...
「落ち着いた?」
「..はい 代わりに別の事で興奮しましたが...」
「またやろっか?」
「いや...私が頼んだ時に..少なくとも今は...」
「そっか 分かったよ」
「...先輩 私の家..来ますか?」
「良いの?」
「..はい」
「両親は?」
「..出かけてます」
「なら是非上がらせてもらうよ」
親御さんに会って後輩が責められるのは望まないからね
「ふふ、久しぶりに来たなぁ」
「..そう..ですね」
「君のテスト勉強に付き合ってあげたり一緒に筋トレしてたりしたよね 懐かしい」
「..また勉強 教えてくれますか?」
「勿論良いよ でも私が教えられるのは中学までだから今は逆に教えられる側になるかもしれないね...」
「...」
「笑ってくれても良いのになぁ それじゃあお邪魔しまーす」
「凄い可愛らしい部屋だね」
後輩の部屋はぬいぐるみが多くある可愛らしいお部屋だった
全体的には清楚なのだが ぬいぐるみがあるからやや可愛い寄りになっている
「先輩はここで待っててください 私 飲み物取ってきます」
「麦茶お願い~」
「...」
「それにしても..トロフィーとか飾ってないの?前見た時は飾ってた覚えがあるけど..」
「飾るのは..止めました 私はそんなことが出来る権利が無いから」
「...もしその理由が私であるなら今すぐやめて欲しいな」
「...なんでですか」
「そりゃ 私のせいで君の栄誉ある賞状やトロフィーが表に出なくなるのは...君の努力と実力に対して失礼だからね」
「...でも..私は先輩を見捨ててこの道を進んだ..そんな私に飾るなんて...」
「大袈裟だなぁ まったく..その道を君は選んだんでしょ?言い方は悪いけど そうやってクヨクヨせず突き通すのが私への礼儀とは思わなかったの?」
「ッ...」
「私はね 大切な人達の幸福を常に祈ってる その中には君も勿論含まれている 君が夢を追い幸せになる事は私の願い だからそんなに気を負わないで」
「...わかり..ました...」
「そう、なら良かった」
その後は集中して考え始めた後輩を膝枕して過ごした
「先輩...もう行くんですか?」
「うん、少し他の皆の様子も見たいしね」
「そう..ですか」
「でも近いうちにまた会えるから」
「..はい」
「それじゃあまた会おうね!お邪魔しました~」
「...はい!先輩また会いましょう!」
そのまま私は後輩の家を出た
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黒のパーカーにジーパンを適当に着えフードを被る
財布とカード を持ち
「しゅっぱーつ」
電車に乗り 久しぶりにスマホを使ってネットを見てみる
先日有栖に出会って気になる事が1つあった
それについて検索を重ねかけしていくと...あった
Alice そのままではあるが有栖のゲーム内での名前
ゲーム内では上位勢の1人で魔法使いなんだとか
使用魔法は氷
本人も割と素っ気ない態度みたいで一応配信はやってるみたい
昔にあったブイチューバーとやらと似たような感じだとか
「んで...そんな有栖が誰かと合流して去っていく姿が見られたから彼氏疑惑じゃないかと噂されてると」
なんか迷惑掛けちゃったかなぁ...
今日こっそり会って聞いてみよう
「うん、懐かしいね」
私が故郷を離れたには14歳の時
実に六年ぶりだ
彼女らに会う前に街をぶらぶらしよっかな
かつて家族と一緒に遊んだ公園
幼馴染と一緒に帰った帰り道
後輩の練習に付き合ったグラウンド
私が寂しい思いをした時こっそり来ていた高台
全部そのままだった
「懐かしいなぁ」
中学生らしい思い出は全然作れてなかった
「私も..そういう未来があったのかな」
後悔はしてない
でもそんな未来があったかもしれない
と考えると少し胸が苦しい
「仮面が剥がれないようにしないと」
これが剥がれたら私は彼女らに会えなくなってしまう
「先..輩?」
「ん?」
「己龍先輩...ですよね?」
赤髪でポニテ
唖然とした状態でこちらを見る赤い目
そこに居たのは私の中学の頃の唯一の後輩
九条時雨だった
「もしそうだとしたら?」
「私にそんな権利が無いのはわかってます...だけど謝らせてください」
「良いよ 私はそこまで気にしてないし 夢を追ってたんだから仕方ないよ」
「先輩がそう言ってくれても...私が許せないんです あんな脅しで先輩と関わるのを簡単に止めた私自身に...」
「そっか..有栖から話は聞いたかな?」
「はい...」
「なら話は早いね 私は君たちに会ってみようと思う それが君たちの幸せに繋がる って断言されたからね 」
「ありがとう..ございます」
どうやらまだ私に対して負い目があるらしい
「じゃあ少し..走ろっか」
「え?」
私達はそこから一緒に走り出した
「せ、先輩...私もう無理です...」
「体力落ちた?」
「多分先輩が上がったのかと...」
「そっかじゃあ休憩しよう」
近くの自販機でスポーツドリンクを買って渡す
「ありがとうございます」
そのまま公園にあったベンチに座る
幸い日陰だ
「部活の方はどう?」
「...憎いくらい順調です 賞も何個か取りました」
「そっか 良かった」
「...今でも後悔してます あんな脅しに屈して先輩から離れた私の行動に」
曇った表情で彼女はそう言った
「...悲しい表情は止めてほしいな 私は特に何も思ってないよ」
「...でも...って!?」
まだ悲しいのが続きそうだから後輩を無理矢理膝枕する
「..私の仕事仲間が教えてくれたの 悲しかったり泣いてる大事な人が居たらこうやって膝枕やハグをしてあげたりするのが良いって」
「...先輩は狡いです」
「? 何が?」
「そういう無自覚な所が...」
顔を赤らめて後輩はそう言う
「無自覚?」
「..あーもう!先輩ったら本当に..」
もしかして恥ずかしいのかな でも今周りに人は居ないし
「(周りに人が居ることを)心配しなくても大丈夫だよ 私が(周りに人が居ないか確認する為に!傍に居るから」
すると後輩は固まった後顔を私のお腹側に向けてグリグリしてくる
「どうしたの?」
「...鈍感先輩」
鈍感? 感覚は結構鋭い方だけどなぁ...
「落ち着いた?」
「..はい 代わりに別の事で興奮しましたが...」
「またやろっか?」
「いや...私が頼んだ時に..少なくとも今は...」
「そっか 分かったよ」
「...先輩 私の家..来ますか?」
「良いの?」
「..はい」
「両親は?」
「..出かけてます」
「なら是非上がらせてもらうよ」
親御さんに会って後輩が責められるのは望まないからね
「ふふ、久しぶりに来たなぁ」
「..そう..ですね」
「君のテスト勉強に付き合ってあげたり一緒に筋トレしてたりしたよね 懐かしい」
「..また勉強 教えてくれますか?」
「勿論良いよ でも私が教えられるのは中学までだから今は逆に教えられる側になるかもしれないね...」
「...」
「笑ってくれても良いのになぁ それじゃあお邪魔しまーす」
「凄い可愛らしい部屋だね」
後輩の部屋はぬいぐるみが多くある可愛らしいお部屋だった
全体的には清楚なのだが ぬいぐるみがあるからやや可愛い寄りになっている
「先輩はここで待っててください 私 飲み物取ってきます」
「麦茶お願い~」
「...」
「それにしても..トロフィーとか飾ってないの?前見た時は飾ってた覚えがあるけど..」
「飾るのは..止めました 私はそんなことが出来る権利が無いから」
「...もしその理由が私であるなら今すぐやめて欲しいな」
「...なんでですか」
「そりゃ 私のせいで君の栄誉ある賞状やトロフィーが表に出なくなるのは...君の努力と実力に対して失礼だからね」
「...でも..私は先輩を見捨ててこの道を進んだ..そんな私に飾るなんて...」
「大袈裟だなぁ まったく..その道を君は選んだんでしょ?言い方は悪いけど そうやってクヨクヨせず突き通すのが私への礼儀とは思わなかったの?」
「ッ...」
「私はね 大切な人達の幸福を常に祈ってる その中には君も勿論含まれている 君が夢を追い幸せになる事は私の願い だからそんなに気を負わないで」
「...わかり..ました...」
「そう、なら良かった」
その後は集中して考え始めた後輩を膝枕して過ごした
「先輩...もう行くんですか?」
「うん、少し他の皆の様子も見たいしね」
「そう..ですか」
「でも近いうちにまた会えるから」
「..はい」
「それじゃあまた会おうね!お邪魔しました~」
「...はい!先輩また会いましょう!」
そのまま私は後輩の家を出た
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