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16、真事実
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「ヒカルさんに会いに…かな?」
そう思うと嫉妬とライバル心が沸き起こる。
すずさんが入っていったのを見ると、僕は裏口から店に入った。
店の前に立つギャルソン姿のオカマの紫さんはやはり、ごついボディーガードマンの風体だ。
仁王像にも見える。
僕を見つけると、指を顔の近くで揃えておいでおいでとジェスチャーする。
仁王像に見えても阿弥陀如来のような人だった。
紫さんに案内されてお店に入り、一昨日の面接した曇りガラスの区画の角度から見えないところですずさんをジッと眺める。
一人でソファーにすわってそわそわしてるみたいだ。
もしかしてヒカルさんをまってるのかなぁ…
そう思うと胸がズキっとする。
背後にすっと気配が立って
「なにしてんのかな~カイト。まだ、店は開かないよ」
後ろから怪訝な声でヒカルさんが耳元で囁いた。
驚きのあまり声が出そうになるのをなんとか堪えてヒカルさんを睨む。
「あ、すずのやつきてんじゃ……うぐっ!」
僕はとっさにヒカルさんの口を手で塞いで黙らせる。
「しっ!僕がいるのバレちゃうとまずいんです!」
ヒカルさんの耳元でいう。
ヒカルさんはコクコクとうなずいたので塞いでいた手を話す。
「死ぬかと思った。おまえ、暗殺者になれるぞ」
勢い余って鼻まで塞いでいたから息苦しかったらしい…
「ごめんなさい……ってあれ?普通のホストのカッコしてる」
改めて見るヒカルさんの格好はオカマじゃなくってホストのスーツ姿だった。
男の格好もなんだか色っぽさが漂う…
僕たちがもめている間にすずさんの隣に真一郎さんが親し気に座って話していた。
僕のことを話してくれているのだろうか?
「あ~あ~先越されちゃったよ~。すずのやつ、マスター好きだからな~マスター目当で来てるようなものだし…」
「え?すずさん…真一郎さんをスキ………?どういう事ですか?」
ヒカルさんは不敵ににんまり微笑むと説明してくれた。?
「すずさんの初恋はマスターなんだよ」
「えええええ!!!っいててて!」
大声をあげる瞬間、僕の口を塞ぐではなく、鼻をつまんで制した。
なんか、この人ふつうの感覚が違う…
そういえば、すずさんの様子がちょっと、お淑やかに見える…照れてるような…
そんなすずさんを優しく見つめる真一郎さんは温かい感じがする……
「すずさんはマスターの奥さんそっくりだしね。そのうち、くついちゃうんじゃないかな?」
ヒカルさんは祝福するように言った。
……ヒカルさんの態度なんだか変だ。
自分の恋人なのにそんな風に言うなんて。
「ヒカルさん恋人じゃないんですか?」
その疑問を口に出していったら、ヒカルさんはハッとした表情をし、悪戯がばれちゃった子供のような感じで白状した。
「ウ~ン…そうみたいっていうか、どうして、オレとすずさんが恋人同士って事になったんだ?」
なぜだが、逆に質問された。
「だって…キスしてたし……?」
一昨日の行為を忘れたのだろうか?
「そんなことした覚えないぞ?」
「僕見たんです。あそこの応接の影で、すずさんとキスしてたじゃないですか!」
ヒカルさんは、は~んと、指を顎に当て理解したように頷いた。
「角度的にそう見えただけだろう?」
だが、納得できないここから見る真一郎さんとすずさんだって離れてみえる。
僕は疑いの目をすると、ヒカルさんはフッと微笑んで、
「それは…」
「え?」
突然、僕の顎を掴むとまじかに顔を近付けてきた!
「お前が見たのはきっと、こうしてるところを見たんだよ」
うわ!やっぱりキスするんじゃないか!っと思ったら。
どこからかもっていたのか、アイライナーを僕の目の上に素早く塗った。
「な…なに?」
衝撃的で意外な答えだった。
「すずがパソコン疲れで目の上こすって、化粧が落ちちゃったのをなおしてあげたんだよ。すずさん化粧っけないから、おれが指導してあげてるのっ」
「でも、なんで紛らわしい顔の上げかたなんかするんですか?」?
「女、お落とすテクニック、癖でそうやっちゃうんだよ。もしも、落ちたらラッキーじゃん?」
そういう、軽いノリがホストっぽかった。
そんな人にすずさんを奪われたくないと本気で思った。
でも、すべては僕の勘違いだったんだ…
ヒカルさんは別に恋人じゃなかったんだし、キスもしてなかった…僕が嫉妬しただけ……はぁ…
だが…ライバルは灯台下暗し!?
真一郎さんがライバルだったなんて!?
二人を見るとなんか、すずさんが舞い上がってる様に見える……
真一郎さんは愛してるのは奥さんだけって言ってたから、すずさんの片思いなんだろうな……
そして、新たな意外な三角関係が成立してしまった。
そう思うと嫉妬とライバル心が沸き起こる。
すずさんが入っていったのを見ると、僕は裏口から店に入った。
店の前に立つギャルソン姿のオカマの紫さんはやはり、ごついボディーガードマンの風体だ。
仁王像にも見える。
僕を見つけると、指を顔の近くで揃えておいでおいでとジェスチャーする。
仁王像に見えても阿弥陀如来のような人だった。
紫さんに案内されてお店に入り、一昨日の面接した曇りガラスの区画の角度から見えないところですずさんをジッと眺める。
一人でソファーにすわってそわそわしてるみたいだ。
もしかしてヒカルさんをまってるのかなぁ…
そう思うと胸がズキっとする。
背後にすっと気配が立って
「なにしてんのかな~カイト。まだ、店は開かないよ」
後ろから怪訝な声でヒカルさんが耳元で囁いた。
驚きのあまり声が出そうになるのをなんとか堪えてヒカルさんを睨む。
「あ、すずのやつきてんじゃ……うぐっ!」
僕はとっさにヒカルさんの口を手で塞いで黙らせる。
「しっ!僕がいるのバレちゃうとまずいんです!」
ヒカルさんの耳元でいう。
ヒカルさんはコクコクとうなずいたので塞いでいた手を話す。
「死ぬかと思った。おまえ、暗殺者になれるぞ」
勢い余って鼻まで塞いでいたから息苦しかったらしい…
「ごめんなさい……ってあれ?普通のホストのカッコしてる」
改めて見るヒカルさんの格好はオカマじゃなくってホストのスーツ姿だった。
男の格好もなんだか色っぽさが漂う…
僕たちがもめている間にすずさんの隣に真一郎さんが親し気に座って話していた。
僕のことを話してくれているのだろうか?
「あ~あ~先越されちゃったよ~。すずのやつ、マスター好きだからな~マスター目当で来てるようなものだし…」
「え?すずさん…真一郎さんをスキ………?どういう事ですか?」
ヒカルさんは不敵ににんまり微笑むと説明してくれた。?
「すずさんの初恋はマスターなんだよ」
「えええええ!!!っいててて!」
大声をあげる瞬間、僕の口を塞ぐではなく、鼻をつまんで制した。
なんか、この人ふつうの感覚が違う…
そういえば、すずさんの様子がちょっと、お淑やかに見える…照れてるような…
そんなすずさんを優しく見つめる真一郎さんは温かい感じがする……
「すずさんはマスターの奥さんそっくりだしね。そのうち、くついちゃうんじゃないかな?」
ヒカルさんは祝福するように言った。
……ヒカルさんの態度なんだか変だ。
自分の恋人なのにそんな風に言うなんて。
「ヒカルさん恋人じゃないんですか?」
その疑問を口に出していったら、ヒカルさんはハッとした表情をし、悪戯がばれちゃった子供のような感じで白状した。
「ウ~ン…そうみたいっていうか、どうして、オレとすずさんが恋人同士って事になったんだ?」
なぜだが、逆に質問された。
「だって…キスしてたし……?」
一昨日の行為を忘れたのだろうか?
「そんなことした覚えないぞ?」
「僕見たんです。あそこの応接の影で、すずさんとキスしてたじゃないですか!」
ヒカルさんは、は~んと、指を顎に当て理解したように頷いた。
「角度的にそう見えただけだろう?」
だが、納得できないここから見る真一郎さんとすずさんだって離れてみえる。
僕は疑いの目をすると、ヒカルさんはフッと微笑んで、
「それは…」
「え?」
突然、僕の顎を掴むとまじかに顔を近付けてきた!
「お前が見たのはきっと、こうしてるところを見たんだよ」
うわ!やっぱりキスするんじゃないか!っと思ったら。
どこからかもっていたのか、アイライナーを僕の目の上に素早く塗った。
「な…なに?」
衝撃的で意外な答えだった。
「すずがパソコン疲れで目の上こすって、化粧が落ちちゃったのをなおしてあげたんだよ。すずさん化粧っけないから、おれが指導してあげてるのっ」
「でも、なんで紛らわしい顔の上げかたなんかするんですか?」?
「女、お落とすテクニック、癖でそうやっちゃうんだよ。もしも、落ちたらラッキーじゃん?」
そういう、軽いノリがホストっぽかった。
そんな人にすずさんを奪われたくないと本気で思った。
でも、すべては僕の勘違いだったんだ…
ヒカルさんは別に恋人じゃなかったんだし、キスもしてなかった…僕が嫉妬しただけ……はぁ…
だが…ライバルは灯台下暗し!?
真一郎さんがライバルだったなんて!?
二人を見るとなんか、すずさんが舞い上がってる様に見える……
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