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ひもにすず
向き合う恋
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「すずちゃん、カイト君貸してくれない?」
「だめっ!未成年者が働いて良いお店じゃないでしょ?」
真一郎さんがカイトの料理の上手さに目を付けてスカウトしに来た。
「店じゃなくて俺ん家で子供達と俺のために作るバイトだよ良いだろ?カイト君?」
カイトは少し考えて
「僕の椅子の用意と、すずさんが僕の向かいの席なら良いですよ」
と答えた。
「…っカイト!」
あの訳の分からない告白を本気にしていわなくても良いじゃない!
ときたま、そんな意地悪するようになった。
真一郎さんは訳が分からなくて首を傾げるが、
「ん?いいよ。じゃあこの椅子持っていくよー
この椅子がある限り家にきてくれるってことだろ?」
真一郎さんは本気で椅子抱えて出ていこうとする。
「待って!分かったから椅子置いていって!」
私は慌てて椅子をもとに戻した。
「私が仕事中ならカイトがご飯作りにいってもいいわ。
でも、帰ってきたら私にご飯作ってね
ずっと一緒にカイトとご飯食べる一生の約束だもん!」
子供みたいな言い訳だ。
「すずさん…」
その言葉がとても嬉しいカイトは、ぽーとして喜んでいるのが傍目にもわかる。
「すずちゃん…かわいいっ!」
真一郎さんに、おもわずぎゅっと抱きしめられた。
私もなぜだか顔が赤くなるのがわかった。
「真一郎さん…」
その様子にカイトは真一郎さんを睨む。
「ごめんごめん!そうだね。めでたく恋人同士になったふたりの邪魔しちゃいけないね。」
真一郎さんはふと寂しげに微笑んで
「大切な人と向かい合わせられるって幸せな事だよ。
俺はもう叶わないけどね…」
姉ちゃんは真一郎さんに子供達を残して逝ってしまった。
「いつでも良いから遊びにきてくれよ」
「うん。明日にも遊びにいくわ」
「そうしてくれると助かるよ。
ヒカルが毎日、藍目当てで来られて気が気でないからさ」
ヒカルは藍ちゃんに、なぜだか運命感じている。
危険は無いと思うけど、父として大事な娘を取られるのが心配なのかも……
「それにしてもどうして向かい合わせなんだ?」
真一郎さんの家で約束通りご飯を作りに遊びにきたら、案の定、ヒカルもいた。
カイトと向かい合わせに座って私の隣は蓮くん
カイトの隣に藍ちゃんそのまた隣にヒカル
真一郎さんはお仕事中だ。
真一郎さんのダイニングテーブルは大きい8人座れる。
椅子も高そうな家具だ。
「隣同士ならもっと近くじゃん。いろいろできるじゃん、見てみぬふりしてやるから遠慮すんなよ」
「あんたが真ん前だったらその顔一発なぐって黙らせてやれるのに…」
子供の前でなんて下品な…
「そうかその距離はまだまだなのかー
大きな隔たりだなカイト」
「いろいろって~?」
「まだまだー?」
双子たちが復唱する。
カイトは苦笑いで応えない。
カイトもヒカルの伏せた意味深な口調にひいている。
「うーん~藍ちゃん好き好きが出来ないってこと~」
突然ぎゅっと藍ちゃんを抱きしめるヒカルさん。
「いやーっ!」
藍ちゃんは見事にヒカルの顎に頭突きした。
「ナイス!藍ちゃん」
グッジョブとグーをだして誉めてあげた。
ヒカル以外がそのポーズをして笑い合った。
……確かに
ヒカルの言うとおりだけど
軽いキス以上はまだ怖い。
あの時のトラウマだ。
関係は崩れる事はないけど…
今はこの距離が幸せなのよ。
小さなテーブルに向かい合わせの椅子の位置がね。
この先も向き合える恋愛したいから…
「だめっ!未成年者が働いて良いお店じゃないでしょ?」
真一郎さんがカイトの料理の上手さに目を付けてスカウトしに来た。
「店じゃなくて俺ん家で子供達と俺のために作るバイトだよ良いだろ?カイト君?」
カイトは少し考えて
「僕の椅子の用意と、すずさんが僕の向かいの席なら良いですよ」
と答えた。
「…っカイト!」
あの訳の分からない告白を本気にしていわなくても良いじゃない!
ときたま、そんな意地悪するようになった。
真一郎さんは訳が分からなくて首を傾げるが、
「ん?いいよ。じゃあこの椅子持っていくよー
この椅子がある限り家にきてくれるってことだろ?」
真一郎さんは本気で椅子抱えて出ていこうとする。
「待って!分かったから椅子置いていって!」
私は慌てて椅子をもとに戻した。
「私が仕事中ならカイトがご飯作りにいってもいいわ。
でも、帰ってきたら私にご飯作ってね
ずっと一緒にカイトとご飯食べる一生の約束だもん!」
子供みたいな言い訳だ。
「すずさん…」
その言葉がとても嬉しいカイトは、ぽーとして喜んでいるのが傍目にもわかる。
「すずちゃん…かわいいっ!」
真一郎さんに、おもわずぎゅっと抱きしめられた。
私もなぜだか顔が赤くなるのがわかった。
「真一郎さん…」
その様子にカイトは真一郎さんを睨む。
「ごめんごめん!そうだね。めでたく恋人同士になったふたりの邪魔しちゃいけないね。」
真一郎さんはふと寂しげに微笑んで
「大切な人と向かい合わせられるって幸せな事だよ。
俺はもう叶わないけどね…」
姉ちゃんは真一郎さんに子供達を残して逝ってしまった。
「いつでも良いから遊びにきてくれよ」
「うん。明日にも遊びにいくわ」
「そうしてくれると助かるよ。
ヒカルが毎日、藍目当てで来られて気が気でないからさ」
ヒカルは藍ちゃんに、なぜだか運命感じている。
危険は無いと思うけど、父として大事な娘を取られるのが心配なのかも……
「それにしてもどうして向かい合わせなんだ?」
真一郎さんの家で約束通りご飯を作りに遊びにきたら、案の定、ヒカルもいた。
カイトと向かい合わせに座って私の隣は蓮くん
カイトの隣に藍ちゃんそのまた隣にヒカル
真一郎さんはお仕事中だ。
真一郎さんのダイニングテーブルは大きい8人座れる。
椅子も高そうな家具だ。
「隣同士ならもっと近くじゃん。いろいろできるじゃん、見てみぬふりしてやるから遠慮すんなよ」
「あんたが真ん前だったらその顔一発なぐって黙らせてやれるのに…」
子供の前でなんて下品な…
「そうかその距離はまだまだなのかー
大きな隔たりだなカイト」
「いろいろって~?」
「まだまだー?」
双子たちが復唱する。
カイトは苦笑いで応えない。
カイトもヒカルの伏せた意味深な口調にひいている。
「うーん~藍ちゃん好き好きが出来ないってこと~」
突然ぎゅっと藍ちゃんを抱きしめるヒカルさん。
「いやーっ!」
藍ちゃんは見事にヒカルの顎に頭突きした。
「ナイス!藍ちゃん」
グッジョブとグーをだして誉めてあげた。
ヒカル以外がそのポーズをして笑い合った。
……確かに
ヒカルの言うとおりだけど
軽いキス以上はまだ怖い。
あの時のトラウマだ。
関係は崩れる事はないけど…
今はこの距離が幸せなのよ。
小さなテーブルに向かい合わせの椅子の位置がね。
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