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8☆魔法使いの証拠
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ジュダ王子の金髪だった髪が、亜麻色にもきらめく星を散らしたように輝く魔力の光を宿した髪になっている。
それは魔法使いの証。
「僕を導く者はいないんだ…こういう命に関わる時にしか発動しない…
僕を殺そうとした者も、僕の無意識の力で消してしまった。
この力を制御できる方法を教えてほしいんだ!
そして、この力を民の為に役立てたい!」
ジュダの印象としたのほほんとした顔ではなくて真剣に悲しそうな表情でジュカに訴える。
「……その力を持っているなら…また我と同じことをくり返すことが多くなるではないか、ごめんだ!
魔王の復活なんぞ……」
ジュダには魔力も何もないと思っても、自分と似ているところがあるし、早いうちに芽をつぶしてしまおうと思った。
魔力があるならきっと過ちを繰り返す。
自分と同じように力に溺れるではないか。
けれど、ジュダが無事で安心している自分がいて自分自信にも戸惑っている。
「だから、僕は王位敬称権がないっていってるじゃない。
だけど民のみんなに僕の魔力を認めてもらいたいと思ってたんだ……
ジュカが言った『皆を助けるなんて傲慢』って言葉はそうだなって思った。
それが傲慢につながるなら、本当に困っている人だけを助けることにする」
そう拳を空に突き上げジュダは決意した。
決意されてもこっちが困るとジュカ猫は思った。
「ジュカがやって後悔したことは自分もしたくない」
ジュダは岬にトンっとつま先を着けると風はおさまった。
金髪に戻る。
「まずは、君を人間の姿に戻して、僕を救くうことから始めよう。
…後悔はやり直すことで希望に変わると僕は思う。
そして僕にも希望をちょうだい?いいでしょ?」
無邪気に明るく屁つら笑いでそう言うジュダの言葉にジュカ猫は苦笑した。
「お前…民のため、我のため言って置きながら…自分の為の事しか考えてないな」
ジュダはそんなつもりはなかったけど、考えてみたらそうかも知れない。
「自分がちゃんとしないんじゃ本当に他の人の望みも叶えられないでしょ?」
「へらずぐち……」
といい鼻でフンと笑う。
不安な気持ちで成り行きを遠くで見守っていたグレイのもとに、人間にする材料を持ってジュダとジュカ猫はどこか打ち解けた雰囲気で戻ってきた。
それは魔法使いの証。
「僕を導く者はいないんだ…こういう命に関わる時にしか発動しない…
僕を殺そうとした者も、僕の無意識の力で消してしまった。
この力を制御できる方法を教えてほしいんだ!
そして、この力を民の為に役立てたい!」
ジュダの印象としたのほほんとした顔ではなくて真剣に悲しそうな表情でジュカに訴える。
「……その力を持っているなら…また我と同じことをくり返すことが多くなるではないか、ごめんだ!
魔王の復活なんぞ……」
ジュダには魔力も何もないと思っても、自分と似ているところがあるし、早いうちに芽をつぶしてしまおうと思った。
魔力があるならきっと過ちを繰り返す。
自分と同じように力に溺れるではないか。
けれど、ジュダが無事で安心している自分がいて自分自信にも戸惑っている。
「だから、僕は王位敬称権がないっていってるじゃない。
だけど民のみんなに僕の魔力を認めてもらいたいと思ってたんだ……
ジュカが言った『皆を助けるなんて傲慢』って言葉はそうだなって思った。
それが傲慢につながるなら、本当に困っている人だけを助けることにする」
そう拳を空に突き上げジュダは決意した。
決意されてもこっちが困るとジュカ猫は思った。
「ジュカがやって後悔したことは自分もしたくない」
ジュダは岬にトンっとつま先を着けると風はおさまった。
金髪に戻る。
「まずは、君を人間の姿に戻して、僕を救くうことから始めよう。
…後悔はやり直すことで希望に変わると僕は思う。
そして僕にも希望をちょうだい?いいでしょ?」
無邪気に明るく屁つら笑いでそう言うジュダの言葉にジュカ猫は苦笑した。
「お前…民のため、我のため言って置きながら…自分の為の事しか考えてないな」
ジュダはそんなつもりはなかったけど、考えてみたらそうかも知れない。
「自分がちゃんとしないんじゃ本当に他の人の望みも叶えられないでしょ?」
「へらずぐち……」
といい鼻でフンと笑う。
不安な気持ちで成り行きを遠くで見守っていたグレイのもとに、人間にする材料を持ってジュダとジュカ猫はどこか打ち解けた雰囲気で戻ってきた。
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