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運命と宿命の縁
10★神の前での誓いのキス
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クリスマスカラーの光は一瞬弾けて、サンタクロースそのものになった。
そして、顔は陛下に似ていた。
尊敬する人に似せているのかもしれない。
ふぉっふぉっと笑いながらハルの神の肩を優しく叩く。
『良いではないか、良いではないか、晴房を現世に返してはくれぬか?』
『良くはない、ゆゆしき問題だ』
ハルの神はムッとして、突然現れたサンタクロースを睨む。
『神が無理やり、人の命をどうにかするものではない、それは悪魔のやりかただよ?』
悪魔は人の命と引換の契約により希望を叶えるが、ハルの神の場合、魂の誓を違えたから魂を自らの元に戻す。
『悪魔と一緒にするな、悪魔というのは西の神の概念だろう。一緒にされては困る』
『だが、神というものは宿命を定めたらその後の運命でどのような人生を送るか、見守るものだ。
ただ、悪い方に行かぬよう見守りだけじゃ』
悪魔は願いを叶えるが、神は願いを叶えない。
ただ祈りを聞き届け、希望が叶う様に運気を巡らせる……
『だか、今日は違う、奇跡の神を祝う日だ。
この私に免じて、晴房を還してもらえぬか?』
白い眉毛を懇願するように眉毛を下げてサンタはハルの神を見る。
ハルの神は陛下に似たサンタに懇願されると、晴房を取りこんでいるため、困惑してるようだった。
『私が希望を叶えるのは天照大君のみ……』
『その大君の子孫である、法子ちゃんが私に望んだのだ。
李流の幸せを叶えてほしいと、
それを叶えるには晴房が現世に帰ることなのだ。叶えられなければ威厳に関わるのだよ』
「そ、そうだぞ!それに奇跡の神のお心を叶えねば、巫女として我は失格になる!
はよ、晴房を帰すのだ!
お祖父様、陛下も望んでおられるのが分からぬか?」
いつのまにか、法子は李流の傍に立ち、ハルの神に訴える。
サンタと李流と法子にじっと懇願され、ハルの神はしばらく目を閉じると、手を合わせ、蓮のように手を開くと光の玉を作った。
その光の中には、たまの形に丸まって眠っている晴房が現れた。
「いいのか?現世に戻っても、雪を愛していても……」
『たかが百年弱の人としての我の化身だ……
幸せな記憶を魂に刻み、いずれ我の元に戻ってこい。
迷いがある魂を戻らせるのは、我が汚れてしまう。』
ハルの神は優しくどこか不敵に微笑み、
『自責や罪の思いの宿命は運命と縁で魂は昇華されるものだ。
未熟な化身を我に戻しても面白くないしな!晴房としての人生昇華させてからでも遅くない。』
そう言うと指でぽんと晴房の魂の光を弾くと、門の外に出て現世に戻ったらしい。
そして、ハルの神は李流をみると、
『私はお前を気に入った。お前のことも見守る事にしよう……』
「ありがとうございます!」
李流は深くお辞儀をし礼を言い、顔を上げると、ハルの神のは消えていた。
ふぉっふぉっふぉっ
と西の神は満足げに笑う声がこだまする。
『良かったな、人の子らよ。
祝福あれ……日和国に祝福あれ……君たちに祝福あれ』
そういい、またクリスマスカラーの光になると、温かな光を放ち、李流たちは目閉じる。
目を開けたときには門の外にいた。
☆
「法子様ありがとうございます。法子様が願って下さらなかったら、ハル様も帰って来なかったです」
「よいよい、それが私の希望で李流の希望でそれが叶ったらそれで良い」
満面の笑顔で法子はいう。
「昨夜、神がわれの元に現れてな、
『良い子の法子姫に何でも願いをかなえてあげよう』
と言われてな、李流の幸せを叶えてくれと願ったのだ。
そしたら、李流の幸せは李流の母の幸せでその幸せを守るためにはハルが現世に戻る事だったのだな。」
法子は神妙な顔をして、
「人の為に幸せを祈ると幸せは巡るのだな。
今日はそれが気付けて、李流に会えたことが私へのプレゼントになったのだな。
そして、祈り姫としての心得を会得したぞ。」
いつもの、拳を上げるポーズを決める。
「ふっはっ!法子様はお変わりないですね。かわいい」
「照れるではないか……」
お互い心の中が筒抜けなので恥ずかしい。
でも悪い気は全くしない。
「そういえば、どうやって神の高みから目を覚ませばいいでしょうか……」
李流は悩む。
本当に晴房の魂が還ったか、母の様子も気になる。
「私は…李流とずっといたいぞ……」
このままずっと……
法子は李流の手を握った。
夢から冷めれば遠く離れ、姿を見ることも、言葉を交わすことも出来ない。
現実は辛く厳しい修行がまっている。
そんな、法子の手を握り返し、
「オレもです。でも、人は現実に生きて成すことをなさねばならぬ宿命なのです」
神の世は見守ることしか出来ない。
そんな世界に生きている『人』は耐えられない。
何かをし、誰かと出会い、繋がるのが生きていく宿命なのだから。
「うん。現実の世界にもどったら絶対、私を花嫁にしてね」
「はい。いつか必ず」
お互い見つめ合う。そして微笑む。
悲しい顔をより嬉しい顔の方を覚えていて欲しいから。
「お姫様王子様の口づけで目が覚めるらしいな。」
法子は良くある童話でのキスで目覚める話を思い出して言ってみる。
「真実の愛で目覚めるというものですね?」
「そ、そうじゃ!李流は自信あるか?」
「もちろんです!」
真っ直ぐな気持ちが法子に伝わってきて幸せな気持ちになる。
お互い顔を赤らめて、解決策を実行しようと決める。
「神の門前でしていいものなのか?」
言い出した法子の方が照れてしまった。
目の前には神の門。きっと八百万の神が見ている
巫女としては不敬ではないかなと照れて、怖気つく。
そんな法子に李流は微笑んで
「神の前で誓いましょう。これは夢の世界だけれども…」
李流は法子の頬と顎に優しく手を添えて、
「いつか希望が現実になるように……」
柔らかい感触がした。
お互い初めてのファーストキスが神の目の前。
これは神の前の誓になった。
そして、顔は陛下に似ていた。
尊敬する人に似せているのかもしれない。
ふぉっふぉっと笑いながらハルの神の肩を優しく叩く。
『良いではないか、良いではないか、晴房を現世に返してはくれぬか?』
『良くはない、ゆゆしき問題だ』
ハルの神はムッとして、突然現れたサンタクロースを睨む。
『神が無理やり、人の命をどうにかするものではない、それは悪魔のやりかただよ?』
悪魔は人の命と引換の契約により希望を叶えるが、ハルの神の場合、魂の誓を違えたから魂を自らの元に戻す。
『悪魔と一緒にするな、悪魔というのは西の神の概念だろう。一緒にされては困る』
『だが、神というものは宿命を定めたらその後の運命でどのような人生を送るか、見守るものだ。
ただ、悪い方に行かぬよう見守りだけじゃ』
悪魔は願いを叶えるが、神は願いを叶えない。
ただ祈りを聞き届け、希望が叶う様に運気を巡らせる……
『だか、今日は違う、奇跡の神を祝う日だ。
この私に免じて、晴房を還してもらえぬか?』
白い眉毛を懇願するように眉毛を下げてサンタはハルの神を見る。
ハルの神は陛下に似たサンタに懇願されると、晴房を取りこんでいるため、困惑してるようだった。
『私が希望を叶えるのは天照大君のみ……』
『その大君の子孫である、法子ちゃんが私に望んだのだ。
李流の幸せを叶えてほしいと、
それを叶えるには晴房が現世に帰ることなのだ。叶えられなければ威厳に関わるのだよ』
「そ、そうだぞ!それに奇跡の神のお心を叶えねば、巫女として我は失格になる!
はよ、晴房を帰すのだ!
お祖父様、陛下も望んでおられるのが分からぬか?」
いつのまにか、法子は李流の傍に立ち、ハルの神に訴える。
サンタと李流と法子にじっと懇願され、ハルの神はしばらく目を閉じると、手を合わせ、蓮のように手を開くと光の玉を作った。
その光の中には、たまの形に丸まって眠っている晴房が現れた。
「いいのか?現世に戻っても、雪を愛していても……」
『たかが百年弱の人としての我の化身だ……
幸せな記憶を魂に刻み、いずれ我の元に戻ってこい。
迷いがある魂を戻らせるのは、我が汚れてしまう。』
ハルの神は優しくどこか不敵に微笑み、
『自責や罪の思いの宿命は運命と縁で魂は昇華されるものだ。
未熟な化身を我に戻しても面白くないしな!晴房としての人生昇華させてからでも遅くない。』
そう言うと指でぽんと晴房の魂の光を弾くと、門の外に出て現世に戻ったらしい。
そして、ハルの神は李流をみると、
『私はお前を気に入った。お前のことも見守る事にしよう……』
「ありがとうございます!」
李流は深くお辞儀をし礼を言い、顔を上げると、ハルの神のは消えていた。
ふぉっふぉっふぉっ
と西の神は満足げに笑う声がこだまする。
『良かったな、人の子らよ。
祝福あれ……日和国に祝福あれ……君たちに祝福あれ』
そういい、またクリスマスカラーの光になると、温かな光を放ち、李流たちは目閉じる。
目を開けたときには門の外にいた。
☆
「法子様ありがとうございます。法子様が願って下さらなかったら、ハル様も帰って来なかったです」
「よいよい、それが私の希望で李流の希望でそれが叶ったらそれで良い」
満面の笑顔で法子はいう。
「昨夜、神がわれの元に現れてな、
『良い子の法子姫に何でも願いをかなえてあげよう』
と言われてな、李流の幸せを叶えてくれと願ったのだ。
そしたら、李流の幸せは李流の母の幸せでその幸せを守るためにはハルが現世に戻る事だったのだな。」
法子は神妙な顔をして、
「人の為に幸せを祈ると幸せは巡るのだな。
今日はそれが気付けて、李流に会えたことが私へのプレゼントになったのだな。
そして、祈り姫としての心得を会得したぞ。」
いつもの、拳を上げるポーズを決める。
「ふっはっ!法子様はお変わりないですね。かわいい」
「照れるではないか……」
お互い心の中が筒抜けなので恥ずかしい。
でも悪い気は全くしない。
「そういえば、どうやって神の高みから目を覚ませばいいでしょうか……」
李流は悩む。
本当に晴房の魂が還ったか、母の様子も気になる。
「私は…李流とずっといたいぞ……」
このままずっと……
法子は李流の手を握った。
夢から冷めれば遠く離れ、姿を見ることも、言葉を交わすことも出来ない。
現実は辛く厳しい修行がまっている。
そんな、法子の手を握り返し、
「オレもです。でも、人は現実に生きて成すことをなさねばならぬ宿命なのです」
神の世は見守ることしか出来ない。
そんな世界に生きている『人』は耐えられない。
何かをし、誰かと出会い、繋がるのが生きていく宿命なのだから。
「うん。現実の世界にもどったら絶対、私を花嫁にしてね」
「はい。いつか必ず」
お互い見つめ合う。そして微笑む。
悲しい顔をより嬉しい顔の方を覚えていて欲しいから。
「お姫様王子様の口づけで目が覚めるらしいな。」
法子は良くある童話でのキスで目覚める話を思い出して言ってみる。
「真実の愛で目覚めるというものですね?」
「そ、そうじゃ!李流は自信あるか?」
「もちろんです!」
真っ直ぐな気持ちが法子に伝わってきて幸せな気持ちになる。
お互い顔を赤らめて、解決策を実行しようと決める。
「神の門前でしていいものなのか?」
言い出した法子の方が照れてしまった。
目の前には神の門。きっと八百万の神が見ている
巫女としては不敬ではないかなと照れて、怖気つく。
そんな法子に李流は微笑んで
「神の前で誓いましょう。これは夢の世界だけれども…」
李流は法子の頬と顎に優しく手を添えて、
「いつか希望が現実になるように……」
柔らかい感触がした。
お互い初めてのファーストキスが神の目の前。
これは神の前の誓になった。
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