13 / 20
雪女とナマハゲ
6☆季節ごとの美しさの宿
しおりを挟む
鬼女将が言うには、スキー選手たちは雪女に襲われそうになったという。
そこで、地元の村人で選手候補の一人の男が吹雪の中、偶然鬼女将の屋敷の明かりを目にして命からがら、たどり着いたようだ。
スキー選手たちは絶世の美女の鬼女将も雪女かと間違えて怯えられたが、生来の雪女とは真逆な明るさで安心して宿泊しているようだった。
「その者が私の正体を見破っているようなのです……」
一つ懸念するならば、地元の村人の男は角を見つめていて、鬼だとバレだかもしれないと言うのだ。
事前に鬼女将の正体を知っているもの以外が、鬼とバレたらそのものを亡き者にして宿も畳まなくてはならないのだ。
正体を見破られたら消えると言うのは神や妖怪の掟みたいなもので、《見るなの法則》とも言う。
「まぁ、鬼だと言霊に言われていないし、他のものにも口に出してないから最悪なことになりませんけど……」
鬼女将は思案している。
「ハクシュン!」
ミキはくしゃみをする。
「まぁまぁ、寒いところでお話しして申し訳ありません、ささ、お部屋に案内しますね。」
雪景色が軒先から見えて鬼火が幻想的に輝く。
この世のものとは思えない日和家屋の屋敷に、廊下の柱で区切られて雪景色が絵画のように美しい。
この風景は季節によって様変わりする美しさがあり鬼女将の渾身の作品らしい。
この風景を知っている古参のあやかしや神は宿の予約を取るようだが、今回は人間のみに限定し危険を避けているという。
「こんなに冬が長いのは滅多にないことですけどね。梅に雪はつもり乙でしたけれど、もうそろそろあたかかくなって桜が咲いてもいい頃なのに……」
すでに三月中旬と過ぎている。
都心でも雪が積もるほど降った。
鬼女将はため息を吐く。
「花見をしながらの温泉を作ってみたいのに……」
鬼女将の趣味は季節によって楽しめる温泉を考案することだ。
こんなに冬が長くては面白みもないと思っている。
「その解明解決に私達、阿部野組が来たんだよ!」
三姉妹のサキはそう言い胸を張る。
「困ってる人を助けねぇようじゃ任侠の名がすたるってものよ!」
「姐さん我らに任せておくんなまし!」 と言って、言いたいセリフを言えたことを嬉しくてキャッキャと喜ぶ。
「もう、組じゃないでしょ……どこでそういう言葉を覚えてくるのかしら…」
流花は三姉妹の突拍子のなさに諦めてため息を吐く。
「おじさんと映画見に行ったとき、ヤクザさんがいたの!かっこよかったの!」
「ねーーっ!」
と、三人はまたきゃっきゃとはしゃぐ。
「娘たちがちゃんと淑女に育つか不安になってきたわ……」
こめかみに手を当てて流花は娘たちの将来を悩む。
「でも、母様も姉御みたいな時あるよね?」
「怖いあやかし倒す時とか…般若みたい…」
「無双…」
その時のことを三姉妹は思い出してはしゃぐのを急にやめる。
「そうじゃの…ルカの神はあやかしに容赦ないから怖いの……」
わしはハハ…と苦笑した。
そこで、地元の村人で選手候補の一人の男が吹雪の中、偶然鬼女将の屋敷の明かりを目にして命からがら、たどり着いたようだ。
スキー選手たちは絶世の美女の鬼女将も雪女かと間違えて怯えられたが、生来の雪女とは真逆な明るさで安心して宿泊しているようだった。
「その者が私の正体を見破っているようなのです……」
一つ懸念するならば、地元の村人の男は角を見つめていて、鬼だとバレだかもしれないと言うのだ。
事前に鬼女将の正体を知っているもの以外が、鬼とバレたらそのものを亡き者にして宿も畳まなくてはならないのだ。
正体を見破られたら消えると言うのは神や妖怪の掟みたいなもので、《見るなの法則》とも言う。
「まぁ、鬼だと言霊に言われていないし、他のものにも口に出してないから最悪なことになりませんけど……」
鬼女将は思案している。
「ハクシュン!」
ミキはくしゃみをする。
「まぁまぁ、寒いところでお話しして申し訳ありません、ささ、お部屋に案内しますね。」
雪景色が軒先から見えて鬼火が幻想的に輝く。
この世のものとは思えない日和家屋の屋敷に、廊下の柱で区切られて雪景色が絵画のように美しい。
この風景は季節によって様変わりする美しさがあり鬼女将の渾身の作品らしい。
この風景を知っている古参のあやかしや神は宿の予約を取るようだが、今回は人間のみに限定し危険を避けているという。
「こんなに冬が長いのは滅多にないことですけどね。梅に雪はつもり乙でしたけれど、もうそろそろあたかかくなって桜が咲いてもいい頃なのに……」
すでに三月中旬と過ぎている。
都心でも雪が積もるほど降った。
鬼女将はため息を吐く。
「花見をしながらの温泉を作ってみたいのに……」
鬼女将の趣味は季節によって楽しめる温泉を考案することだ。
こんなに冬が長くては面白みもないと思っている。
「その解明解決に私達、阿部野組が来たんだよ!」
三姉妹のサキはそう言い胸を張る。
「困ってる人を助けねぇようじゃ任侠の名がすたるってものよ!」
「姐さん我らに任せておくんなまし!」 と言って、言いたいセリフを言えたことを嬉しくてキャッキャと喜ぶ。
「もう、組じゃないでしょ……どこでそういう言葉を覚えてくるのかしら…」
流花は三姉妹の突拍子のなさに諦めてため息を吐く。
「おじさんと映画見に行ったとき、ヤクザさんがいたの!かっこよかったの!」
「ねーーっ!」
と、三人はまたきゃっきゃとはしゃぐ。
「娘たちがちゃんと淑女に育つか不安になってきたわ……」
こめかみに手を当てて流花は娘たちの将来を悩む。
「でも、母様も姉御みたいな時あるよね?」
「怖いあやかし倒す時とか…般若みたい…」
「無双…」
その時のことを三姉妹は思い出してはしゃぐのを急にやめる。
「そうじゃの…ルカの神はあやかしに容赦ないから怖いの……」
わしはハハ…と苦笑した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる