【完結】婚約者に忘れられていた私

稲垣桜

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25 どっち?

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「アシュリー、あなたロドリック様のことどう思う?」


 次の日、カサンドラ様のお部屋にお伺いすると、突然そんな質問をされました。
 ロドリック様…ですか?


「良い方だと思いますが、どうかなさいましたか?」


 私が表情も変えずに答えたのが気に入らなかったのでしょうか。カサンドラ様はなにやら無表情で言葉に困っていらっしゃいますわ。


「じゃあ、お兄様のことはどうなの?仲が良いのでしょう?」

「ロドニー様ですか?ロドニー様は古くからの知り合いでもありますし、色々とお世話になっておりますが…それが何かございましたか?」


 またしても無表情になられましたわね。どうなさったのかしら。


「ああ、もう!単刀直入に言うわ。あなた、お兄様とロドリック様、どちらが好みなの?」

「……好み?でございますか?」

「そうよ。私はね、あなたを信頼しているのよ。それでラトレル様にご相談したの。そしたら、『乳母として仕えてくれるといいな』って」

「乳母……ですか?」

「ええ、そうよ。だから、あなたには結婚してもらいたいの」


 カサンドラ様のそのお言葉に驚きました。乳母という事は、子供を産んでいるという前提があってです。私は結婚すら……いいえ、相手もいない状態です。

 あら?だからロドニー様とロドリック様のどちらが好みかお聞きになられた?ロドニー様であれば王太子殿下の側近ですし信用に厚い方ですものね。そしてロドリック様は辺境伯様の領地へと戻られる方ですし、それで気になっておられる。

 でも、ロドニー様はお人柄も色々と知っておりますが、ロドリック様はほぼ初対面同様ですのにどうしてお名前が挙がるのかしらね。


「カサンドラ様。なぜロドリック様のお名前がここであがるのですか?」

「えっ、あなた、昨日はロドリック様とデートだったのでしょう?メイドがあなたたちの姿を見たと言って私に教えてくれたのよ。恋人同士の様だったって。だから、そういう気持ちがあるのかと思ったんだけど」

「それは誤解ですわ。昨日は、あの元婚約者に絡まれまして、アルフォンソ様とロドリック様に助けていただいたのです。そのお礼ではないのですが、ご家族へのお土産を選ぶお手伝いをしただけです」

「そうなの…?いやだわ。てっきり…」


 なるほど。メイドが情報源ですか。
 しかし、ロドリック様にご迷惑をおかけしている様で申し訳ないですわ。後で謝りに行ってきませんとね。

 そんなことを思っていると、カサンドラ様はとんでもない一言を言われましたの。


「良かったわ。じゃあ、お兄様に決定ね。婚約、いつにしましょうか?」


 はい??どういう意味ですか。それ。








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