色々物語

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転校生がやってきた日

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これは天星小学校の三人の物語。

もちとそらは、小さな町の天星小学校で、幼なじみとして毎日を過ごしていた。
もちの明るく元気な笑顔は、クラスの誰からも愛されている。
一方のそらは、少し体が弱く、学校の外でたくさん遊べるわけではなかったけれど、読書が大好きで、もちと過ごす時間が何よりの宝物だった。

「ねえ、そら!今日、転校生が来るらしいよ!」
もちが教室でそらに元気いっぱいに話しかける。

そらは本を閉じて、ゆっくりと顔を上げた。
「そうなんだ。どんな子かな…少し緊張するね」

その日の放課後、校長先生が新しい生徒を連れて教室に現れた。
彼女の名前はさか。
静かで、どこか不思議な雰囲気をまとった転校生だった。

もちが勇気を出して話しかける。
「こんにちは!一緒に帰ろうよ!」

さかは少し驚いたように目を見開いたが、やさしい笑顔で答えた。
「ありがとう…よろしくね」

三人はゆっくりと帰り道を歩き始めた。

歩きながら、さかがふと口を開く。
「ねえ、みんな、七夕の夜にだけ現れる不思議な石の話を知ってる?」

もちとそらは顔を見合わせ、興味津々で聞いた。

「どんな石?」もちがわくわくしながら聞く。

さかは小さな声で話し始めた。
「それは“天の川のかけら”って呼ばれていて、小さな星のかけらみたいに光っている石なんだ。
願いを一つだけ叶えてくれるっていうけど、みんなの心が一つじゃないと叶わないんだよ」

そらは大きな目を輝かせて言った。
「そんなお話、初めて聞いた!すごく素敵だね」

もちも笑顔で言った。
「ねえ、帰り道でそのかけらを見つけたら、願いが叶うかもしれないね!」

その時、道ばたの草むらに、ぽつんと小さな光が揺れているのが見えた。

もちが駆け寄り、そっと手に取ると、それは小さなキラキラ光る石だった。

「これって、もしかして…」とさかが静かに呟いた。

三人は顔を見合わせ、優しい笑顔を交わした。

「七夕の日までに、願いごとを考えようよ」もちが提案した。

「うん、楽しみだね」そらも嬉しそうに答えた。

さかは空を見上げて、心の中で願った。
「みんなの願いが届きますように」

夕焼けの空に、一つだけ星がぽつんと輝いていた。
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