不思議な短篇集

さきがけ

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真夜中の屠殺場

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 その時、皿の上に乗った肉がピクリと動いた。僕はぎょっとして他の家族の顔を見た。しかしお父さんとお母さんは気づかなかったようで、まだ楽しそうに話をしていた。「あれ、おなかすいてないの。生姜焼き、好きじゃない。」僕が肉をじっと見つめていると、お母さんが聞いた。「ううん、そうじゃなくて、今、この肉が動いた気がする。」その瞬間、お母さんの顔に何か僕に読み取れない表情がほんの一瞬だけ表れた。僕はそれを見たとき、何か今までに感じたことのない種類の恐怖を感じた。しかしそれはすぐに消え、優しい、たしなめるような笑顔に変わった。「そんなわけないじゃない、もう。いいから早く食べなさい。」
 僕は言われたとおりご飯を食べ始めた。その間も僕はその肉をよく観察した。もう肉は動く気配もなく、普通の生姜焼きだった。恐る恐る箸で触れてみたが、今度は動いたりはしなかった。全くいつもの通りだったので、僕は端を少しかじってみた。普通の味だった。確かに普通の肉だった。

 僕はその日の出来事は気のせいだったと思い込もうとした。お母さんが見せた表情が何かひっかった。本人も気づいていないと思われるくらい一瞬だったが、僕はそこから、僕の知らない何かを知っていて隠しているような、いつもと違う不穏なものを感じた。そのことが、肉が動いたことを否定しようとする僕をじゃまするのだった。
 僕はこのおかしな現象について、あれは何だったのだろうか色々考えた。
 もしかしたら、肉の下にまだ熱い油があってはじけたのかも知れない。それか、僕の目は病気で、それで変な見え方がしたとか。
 または、あの肉は突然変異した、熱に強い特殊な筋肉を持つ豚の肉だったのかも知れない。そしてその筋肉が焼いた後も生きていて、何かの拍子に一回だけ動いて死んだのだ。いや、そんなこと真面目に信じる方が難しい。頭を抱えて考える。

 その時僕はふと、いつも食べているあれが豚の肉だと言うことを自分はいつから知っているのだろうと気になった。あれ、そういえば豚が殺されてあの肉になるところを、僕は見たことがない。当たり前か。そんなとこ子供に見せられない。あれ、でも大人でも見たことあるひといるのかな。何で僕はあれが豚の肉だって自信たっぷりに考えてるんだっけ。
 僕はいつも食べてるあれがなんなのか全然知らない。そう思うと急に店に並んでいたり、皿の上に乗っていたりするあれが得体の知れないものに思えてきた。僕はあれが豚から作られているものだと思い込まされているのかも知れない。でも僕は同時にそうであって欲しくないと願ってもいた。もしそうであったらなぜ僕はだまされ続けていたのかと思うと恐くて仕方が無いからだった。
 
 それから肉がもう一度動くようなことはなかったが、一度僕の中に生まれた疑問はなかなか消えてくれなくて、むしろ膨らんでいく一方だった。僕は屠殺場に電話して中を見せてもらうよう頼もうとも思ったが、そんなことをしたらもし万が一彼らが僕に知られたくないことがあった場合隠してしまうのではないかと思ったから、僕はついに忍び込んで自分の目で確かめることにした。

 着いたのは調べた中で一番近い屠殺場だった。夜中に家をこっそり抜け出し、電車に乗ってきたのだ。少し恐かったので一応折りたたみナイフをポケットに入れてきた。辺りはもう暗くなっていた。これで実際に何の変哲も無い工場だったら、僕は本当に変なやつだと自分でも思った。しかし僕にはどうしても確かめずにはいられなかったから仕方が無かった。
 僕はトラックがでたタイミングを見計らって敷地に入って、急いで建物の裏に回った。工場はかなり大きかった。僕はどこかは入れそうな場所を探した。裏に小さなドアが付いていたので試しにそっと開けてみると、鍵はかかっていなくて、あっさり中に入ることができた。
 中は意外なことに薄暗くて静かだった。そしてなんだか肌寒かった。長い廊下を光の弱い蛍光灯が頼りなく照らしていた。光が弱すぎて壁まで光が届いていない。
 僕は急に恐くなり、ここにいるのが耐えられなくなって後ろのドアを開けようとした。そして凍り付いた。あかない。何度ガチャガチャやっても開かなかった。
 「無駄だよ。」
 その時声が聞こえた気がした。僕ははっとして奥の暗がりを見る。声の方へ恐る恐る近づく。見ると壁の所に鉄格子のはまった扉があって、奥が部屋になっているようだった。僕はそっと中をのぞき込んだ。中で何か動いた。僕はその暗闇の奥から何か恐ろしいものの気配を感じて心臓が止まりそうになった。しかし、その直後姿を現したのは自分と同じぐらいの年の少女だった。「無駄だよ。ここの扉は皆、外からは開けられても中からは開けられないんだ。」少女は言った。なんてこった。僕はどうやって帰ればいいんだ。それとこの子は一体何だ。僕は頭が真っ白になった。「ねえ、何しにこんな所に来たの?あ、そんなことより早くこの扉を開けてよ。」
 僕はそっと少女が閉じ込められていた部屋の扉を開けた。「奥に進もう。確か奥に扉の鍵を管理してる部屋があるって職員が言ってたのを聞いたことがあるんだ。」
 「どうしてあんな所に閉じ込められてたの?」自分がここまで来た経緯を話した後、僕はその子に聞いた。その子は廊下を歩きながら答えた。「ええっと、私も同じだよ。中が気になって昨日の夜に忍び込んだら、扉が開かなくなってでられなくなっちゃった。そんで朝になったらここの職員に見つかって、それからずっとここに閉じ込められてたの。あんた名前は?」「#。」「出してくれてありがと#。私はハル。」
 ハルが言う扉のロックを制御しているという部屋を探すため、僕たちはとりあえず近くにあった扉を押し開けて中に入った。「うわぁ...」僕たちはごちゃごちゃと見慣れないものがたくさんあるのを見て声を漏らした。そこはなんだか理科室に似ていた。顕微鏡や、難しい内容の書かれたノート、薬品の入った瓶が棚いっぱいに収まっている。静まりかえっていてなんだかちょっと不気味だ。
 「ここは何のための部屋なんだろう。」僕は言った。
 「多分だけど、ここは肉の研究をする場所なんじゃないかな。きっと肉をもっと美味しくするために色々調べてるんだよ。」ハルは答えた。
 「ふーん。」そういうものか。僕はその辺は全然詳しくないのでよく分からなかった。でも多分大人達はそういうことをしているのだろう。
 「私ここあんま好きじゃないかも。早く次の部屋調べよ。」ハルはのぞき込んでいたノートから顔を上げて言って、僕はうなずいた。
 僕たちは次に大きな機会のたくさん並んだ部屋を通った。これは多分肉を切って、パックに詰めるための場所だと僕は思った。「これが全部動いてるとこも見てみたいな。」とハルはのんきなことをつぶやいた。
 奥の通路に続くドアを開けようとしたとき、扉が開かなくて僕は押したり引いたりした。「あれ、ここ行き止まりみたい。鍵がかかってる。」僕がそう言うとハルは扉に近づき、スライドさせて開けた。ハルは少し笑って言った。
「自分が思い込んでる事に気づかないと大事なものを見落とすよ。」
 しばらく進むと「培養室」と書かれたプレートが着いた扉が現れた。「培養室...?どういうこと?ここは動物から肉をとって加工する場所のはずでしょ?」僕はちょっと怯えて言った。「知らないよ。私だってびっくりしてる。早く中に入ってみようよ。」「ええ!ほんとに入るの?止めとかない?なんか恐いよ。」「でもここを通らないと奥に行けないよ。行ってみようよ。」僕は恐れ知らずのハルと培養室に入った。
 その部屋一面には小さなプールのようなものがいくつも並んでいた。僕は一つを覗いてみる。底は結構深くて、青っぽい液体で満たされている。「ねえ、培養室って、ここで何を育てるんだろう。」僕の声は広い部屋の中で響いた。「今更だけど、やっぱりここおかしいよ。」 
 「#はいろんな事を当たり前だと思い込んで、気にもしないで生きてきたんだね。」ハルは静かに言った。「えっ?」僕は立ち止まって顔を見ようとした。暗くて表情が見えない。なぜだろうか、何か危険な予感がした。「でもね、考えて欲しいの。その中のいくつを自分の目で確かめた事がある?」僕はハルが何を言いたいのかよく掴めなかった。
 「いつも使ってるテレビや電話の中身を見たことってある?牧場の動物がいつも自分が食べてる肉になるのを見たことはある?」僕は少し考えた。確かに、自分で見たことはない。「自分の当たり前って、結構証拠不十分でしょ。」
 「だから、自分はずっとだまされていて、本当は全然違かったらって考えたことない? 当たり前にして、気にしないできたって事は嘘みたいな話も本当かも知れない。
 例えば、いつも食べてる肉が、不気味な工場で培養される変な生き物のものかも知れない。
 例えば、自分の隣にいる人が、本当は人間じゃないかも知れない。」
 ハルの皮膚が半透明になって血管が透け始めた。表面からドロドロに溶け始めているようだった。「...っ!」僕は声も出せずに腰を抜かして後ろに手をついた。
 「ねえ、思い込んでいることに気づかないと、大事なことを見落とすって言ったでしょ。」ハルはゆっくりと歩き始めた。「私はね、取り込んだ生き物に姿を変えられるの。芋虫がさなぎから蝶になるみたいに。変わったら本物と見分けがつかない。成長のスピードも他の生き物よりずっと速いんだよ。
 だからこの工場で利用されてきたの。私は半分に切られても、培養液に浸けられればすぐに再生する。でも小さくなればなるほど知能も低くなるから、浸けられないと本能的に近くにある生き物をコピーするの。ここの人たちはそうやって私を増やした後で肉の組織をコピーさせる。それをもっと細かく切れば最低限の知能も失ってもう他のものに変わる事もできなくなるから、そうしてから出荷してたんだよ。そうすれば普通に牛や豚を育てるより何倍も早いの。」
 そうか。僕は思った。さっき研究室のようなところでハルがノートを見てここをでようと言ったのも、そこに書いてあった自分の正体を見せないようにするためだったのか。こんなものを檻から出してしまったなんて自分は何て恐ろしいことをしてしまったんだろう。
 「切断されても記憶は受け継がれるの。もう最初にここへ来た時の私の細胞は残っていないだろうけど、いつかここからでたいって気持ちはずっと同じなの。部屋から出してくれてほんとにありがとうね。でもまだお願いしたいことがあるの。ここからでても、この姿のままではすぐに見つかって連れ戻されてしまう。だからあなたを複製させて。そうすれば見つからずに外の世界で暮らすことができる。」
 そう言って複製した後に僕を殺して成り代わるつもりだ。僕が信用してはいけないと思って逃げだそうとすると、ハルはすごい速さでつかみかかり、手から粘膜を広げて僕を包み込もうとしてきた。僕は引き剥がそうとしたが、ハルはすごい力で押さえつけてきた。このままではまずいと思った僕は思いっきり頭突きをした。自分もいたかったがその時にできた一瞬の隙を突いてハルを必死に蹴り飛ばすと、ハルは近くの培養液のプールに落ちかけて縁を掴んでぶら下がった。
 ハルは言った。「そうだよ。#には死んでもらう。あなたが二人いたらすぐにおかしいって思われてしまうからね。でもいいでしょ。あなたは十分楽しい人生を送ったのだから。#が当たり前だと思っている生活が私の夢なんだよ。だったらあなたは私と入れ替わるべきだと思わない?そうでしょ?」ハルはプールから這い上がった。
 僕は立ち上がって一目散に入ってきたのと反対側のドアへと向かった。しかしドアの前にはもう一人ハルが立っていた。僕は二人のハルに挟まれた。いつの間にか自分の体の一部を切り離して培養液に入れて複製していたらしい。そういうことか。僕は思った。ここまで僕を生かしておいたのは培養液のある部屋で戦った方が確実に僕を複製して殺せると思ったからなのだろう。ハルはかなり頭がいいのかも知れない。
 どうしよう。僕は心の中で頭を抱えた。さっきは不意を突いたからなんとか逃げられたけど、このまま出口に走っていったら今度は確実に捕まって殺される。傷が付いても液に浸かれば元通りになる。それにまだプールの中で三人目四人目のハルが作られている最中かも知れない。ハルが外の世界に生活に持つ執着は並大抵ではないのだ。
 その時僕は初めて、自分が普通だと思っていた生活が恵まれていた事が分かった。そしてそれを当たり前だと思っていたことを後悔した。僕はここで死ぬのか、と思った。
 入口側のハルがゆっくりと近づいてきた。その時僕はある考えが浮かんで、ポケットに入っていた折りたたみナイフを取り出して言った。「待て。それ以上近づくと僕はこのナイフでくるぶしを切る。歩けなくなった僕を複製してもここからはでられないぞ。」僕は自分が本気なことを目で示した。二人のハルが目に見えて動揺した。どうやらコピー元が怪我をしているとその怪我は自分で治せないらしい。もし違ったら危なかったが、この可能性に賭けたのだった。
 僕は入口側のハルに言った。「僕は一旦こっちにいる君とも話がしたい。そっちのハルは壁際まで離れていてくれ。」そう言ってから僕は出口側にいるハルに向かって歩いて行った。そしていきなり、そいつの喉を切った。「かはっ!」出口側のハルはその行動が意外だったらしく驚いた顔で倒れた。それを見たもう一人のハルはすぐに追いかけてきた。
 僕は無我夢中で走り、出口まで来た。ハルは制御室で操作する必要があると言っていたが扉には鍵がかかっていなかった。
 それからはどう走ったのかよく覚えていないが、気がついたら夜が明けかけていて、僕は家の前に立っていた。
 あの夜にあったことは、信じてもらえないのが恐くて誰にも話さなかった。それからは何事もなく元の日常が続いたが、変わったことと言えば、前は好きだった肉が嫌いになったことと、今まで当たり前だと思っていたことがどうも信じられなくなってしまったことだ。
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