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1章 呪われた皇帝
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しおりを挟む瑞の若き皇帝・紅焔は、それから三日三晩高熱にうなされ、生死の境を彷徨った。
突然のことに、王宮は上へ下への大騒ぎとなった。毒や新種の病気など、あらゆる可能性を考えて、皇帝専属の医務官たちは手を尽くした。
だが、どの解熱剤、どの解毒薬も効果はなく、若き皇帝は日増しに命の灯火を細らせるばかりだった。
――そのうち、一つの噂が王宮に漂った。
血染めの皇帝は呪われたのだ。流してきた血に、積み上げてきた屍に。なにより、血を分けた弟に首を刎ねられた兄・焔翔の怨念と、息子に玉座を追われた初代皇帝・流焔の無念に。
踏み躙ってきた者たちへの借りを、ついに皇帝は返さねばならなくなったのだと。
それを裏付けるかの如く、熱にうなされる紅焔は、朦朧とする意識の中で途切れ途切れに夢を見た。
夢の中で紅焔は、繰り返し父を都から追い出し、兄を斬首するために剣をふり上げた。しかし、気がつくといつも、膝をついて捕らえられ、まさに首を落とされそうになっているのは自分に変わっていた。
両側から地面に押さえつけられ、頬に石礫が食い込む。口に入る砂を吐き出しながら、なんとか身を捩って見上げれば、憎しみに顔を歪める父と兄が紅焔をなじっている。
お前はひとでなしだ。お前は愚かな人殺しだ。お前は許されてはならない。お前は報いを受けなければならない。お前こそが、その血で大地を穢すべきだ。
声はいつしか、二人だけではなくなった。大勢が、それこそ国中の人間が、大地を震わせるほどの大合唱で紅焔を糾弾した。
血染めの夜叉王を殺せと、腹の底から叫んでいた。
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