68 / 86
◆最終幕 依依恋恋◆
★
しおりを挟む
そこからは夢中で互いに何度も角度を変え、貪るようなキスをした。それでもまだまだ足りなくて、陸は隙間を埋めるように清虎にしがみつく。呼吸するのも忘れ、頭がクラクラしてどうにかなりそうだった。
気付くといつの間にかベッドに仰向けに転がっていて、陸の上に清虎がのしかかってくる。
唇を離した清虎は、陸の髪に指を差し入れ、愛おしそうに何度も撫でた。
――なんて綺麗なんだろう。
あまりにも端麗な清虎に、思わず息を呑む。それでもその双眸は、獲物を狙うように爛々と鋭く輝いていた。清虎はその名の通り、身の内に猛獣を飼っている。
清虎は陸の耳朶にガブリと噛みつき、首筋に舌を這わせ、再び唇を重ねて歯列をなぞった。苦しそうな表情で、陸の頬に触れる。
「陸……シてもええ? 昨日の傷が辛いなら我慢するけど」
切羽詰まった清虎の声からは、ほんの少し理性と色欲の葛藤が伺えた。それでも陸がもし「辛い」と言えば、本当に止めてくれると信じられる。
陸は微笑みながら、清虎の頬を両手で包んだ。
「傷はもう平気だってば。俺を抱いて。清虎と一つになりたい」
清虎は一瞬呼吸を止め、切なそうに眉を下げた。
「陸、あんまり煽らんとってや。俺、加減できひんようになってまう」
「加減なんてしないでよ」
陸は両腕を伸ばし、清虎を自分の方へ引き寄せる。
「……ほな、覚悟しぃや」
耳元で清虎に囁かれ、ゾクッと興奮で体が震えた。
清虎は陸の着ていたシャツを握り締め、グイッとたくし上げた。明りの元で素肌を暴かれ、陸は身じろぎしてしまう。その体を押さえつけ、清虎が陸の胸に吸い付いた。
まだ快感よりもくすぐったさの方が勝っているが、じわじわともどかしい感覚が腰のあたりに昇って来くる。
「っ……ふっ」
先端を舌先で転がされると、意図せず声が漏れた。その反応を見て、清虎が甘噛みしながら反対側の胸を強く摘まむ。
「あッ」
「気持ち良うなってきた?」
「わかん、ない。けど、何か、おかしくなりそう」
「そんなら、もっとおかしくなったらええよ」
少しずつ二人の息が荒くなっていく。
清虎は胸への刺激を続けながら、器用に陸の服を脱がせていった。成すがままの陸は、小刻みに体を震わせながら喘ぐ。清虎の手は陸の太ももを撫で回し、既に硬くなっていた陰茎を握り込んだ。今まで焦らされていた分、相当敏感になっていたらしい。陸の腰が大きく跳ね上がる。
「ああッ。ま、待って清虎。すぐ出ちゃうかも」
「んー? ほな、うんと気持ち良うしたる」
ニィっと口角を上げた清虎が、鈴口から溢れた雫を人差し指で絡めとり、そのまま後孔へ挿し入れた。濡れた指はすんなりと陸の中へ進入していく。
「や……アッ。あああッ」
「陸のええトコ見つけた。いっぱい擦ったるな」
グリグリと弱いところを内側から押され、あっという間に快感に支配されていった。それでもまだ中の刺激だけでは達せず、陸の腰は愉楽を求め、ねだるように揺れてしまう。
「清虎、イキたい。イカせて……っ」
「そんなら自分で扱いてみ。ホラ、こないに張り詰めて苦しそうやんなぁ」
「自分でなんて、そんな」
「別に、ムリにせんでもええよ。もうしばらくしたら、中でイケるんちゃう」
屹立した竿にふうっと息を吹きかけられ、陸の体がビクビク震えた。
「や、ぁあっ。意地悪言わないで。も、今すぐイキたいのに……っ」
「俺はこっち弄ったるから、自分で頑張りや」
「んんっ!」
蕾のようにピンと立った胸の尖りを舐め上げられ、陸の背がしなる。
自分でも触れたことのない部分ばかりを攻められて、未知の快感に飲み込まれていく。それでも、まだ足りない。
――あと少しなのに。
淫欲には逆らえず、陸は恐る恐る手を伸ばし、自身の陰茎に触れた。
「うッ。あぁあ!」
予想以上の鋭い刺激に、涙がじわりと滲む。自慰を見られているという羞恥もあるが、次から次に押し寄せる愉悦の波に抗えない。陸は夢中で手を上下に動かし、ひたすら快楽を貪った。
気付くといつの間にかベッドに仰向けに転がっていて、陸の上に清虎がのしかかってくる。
唇を離した清虎は、陸の髪に指を差し入れ、愛おしそうに何度も撫でた。
――なんて綺麗なんだろう。
あまりにも端麗な清虎に、思わず息を呑む。それでもその双眸は、獲物を狙うように爛々と鋭く輝いていた。清虎はその名の通り、身の内に猛獣を飼っている。
清虎は陸の耳朶にガブリと噛みつき、首筋に舌を這わせ、再び唇を重ねて歯列をなぞった。苦しそうな表情で、陸の頬に触れる。
「陸……シてもええ? 昨日の傷が辛いなら我慢するけど」
切羽詰まった清虎の声からは、ほんの少し理性と色欲の葛藤が伺えた。それでも陸がもし「辛い」と言えば、本当に止めてくれると信じられる。
陸は微笑みながら、清虎の頬を両手で包んだ。
「傷はもう平気だってば。俺を抱いて。清虎と一つになりたい」
清虎は一瞬呼吸を止め、切なそうに眉を下げた。
「陸、あんまり煽らんとってや。俺、加減できひんようになってまう」
「加減なんてしないでよ」
陸は両腕を伸ばし、清虎を自分の方へ引き寄せる。
「……ほな、覚悟しぃや」
耳元で清虎に囁かれ、ゾクッと興奮で体が震えた。
清虎は陸の着ていたシャツを握り締め、グイッとたくし上げた。明りの元で素肌を暴かれ、陸は身じろぎしてしまう。その体を押さえつけ、清虎が陸の胸に吸い付いた。
まだ快感よりもくすぐったさの方が勝っているが、じわじわともどかしい感覚が腰のあたりに昇って来くる。
「っ……ふっ」
先端を舌先で転がされると、意図せず声が漏れた。その反応を見て、清虎が甘噛みしながら反対側の胸を強く摘まむ。
「あッ」
「気持ち良うなってきた?」
「わかん、ない。けど、何か、おかしくなりそう」
「そんなら、もっとおかしくなったらええよ」
少しずつ二人の息が荒くなっていく。
清虎は胸への刺激を続けながら、器用に陸の服を脱がせていった。成すがままの陸は、小刻みに体を震わせながら喘ぐ。清虎の手は陸の太ももを撫で回し、既に硬くなっていた陰茎を握り込んだ。今まで焦らされていた分、相当敏感になっていたらしい。陸の腰が大きく跳ね上がる。
「ああッ。ま、待って清虎。すぐ出ちゃうかも」
「んー? ほな、うんと気持ち良うしたる」
ニィっと口角を上げた清虎が、鈴口から溢れた雫を人差し指で絡めとり、そのまま後孔へ挿し入れた。濡れた指はすんなりと陸の中へ進入していく。
「や……アッ。あああッ」
「陸のええトコ見つけた。いっぱい擦ったるな」
グリグリと弱いところを内側から押され、あっという間に快感に支配されていった。それでもまだ中の刺激だけでは達せず、陸の腰は愉楽を求め、ねだるように揺れてしまう。
「清虎、イキたい。イカせて……っ」
「そんなら自分で扱いてみ。ホラ、こないに張り詰めて苦しそうやんなぁ」
「自分でなんて、そんな」
「別に、ムリにせんでもええよ。もうしばらくしたら、中でイケるんちゃう」
屹立した竿にふうっと息を吹きかけられ、陸の体がビクビク震えた。
「や、ぁあっ。意地悪言わないで。も、今すぐイキたいのに……っ」
「俺はこっち弄ったるから、自分で頑張りや」
「んんっ!」
蕾のようにピンと立った胸の尖りを舐め上げられ、陸の背がしなる。
自分でも触れたことのない部分ばかりを攻められて、未知の快感に飲み込まれていく。それでも、まだ足りない。
――あと少しなのに。
淫欲には逆らえず、陸は恐る恐る手を伸ばし、自身の陰茎に触れた。
「うッ。あぁあ!」
予想以上の鋭い刺激に、涙がじわりと滲む。自慰を見られているという羞恥もあるが、次から次に押し寄せる愉悦の波に抗えない。陸は夢中で手を上下に動かし、ひたすら快楽を貪った。
0
あなたにおすすめの小説
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】
彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。
高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。
(これが最後のチャンスかもしれない)
流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。
(できれば、春樹に彼女が出来ませんように)
そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。
*********
久しぶりに始めてみました
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる