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第一章

毒消し草と甘い夜 ※

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 私はラファエルの逞しくて大きな胸に飛び込んだ。動揺を悟られたくなかった。けれどもラファエルに抱きしめてもらっていると、胸騒ぎはおさまった。

 ――あのことは話せないわ。でも、一刻も早くここを出た方が良いわ。死神様のところにもしかしたら戻されるような出来事が起きるかもしれない……


 申し合わせたように寝室をノックする音がしてケネス王子とレティシアもやってきた。二人を招き入れると、4人で暖炉の前に座った。

 それは、私たちにとって息をのむような緊張する瞬間だった。今日見つけた第3の輝く宝石を、ラファエルが古びた王冠の3つ目の穴にそっと差し込んだ。ゆっくりと宝石を回そうと動かしてみる。

「出たわ!」

 何かの文字が王冠に浮かび上がった。

「この文字は座標ではなさそうだ」

 私たちは王冠に浮き出た文字をじっと見つめていた。

「古代語で『毒消し草』と読めるわ。これは何を意味するのかしら?」

 レティシアがつぶやいた。それを聞いたケネス王子が地図を真剣に確認し始めた。

「『毒消し草』は、医学にも薬草学にも通じている……おっと!医学と薬草学に関して我が国では一番有名な修道院が確かこの近くにあったはずだ」

 ケネス王子は眉間に皺を寄せて一瞬考えた。そして、ハッとした様子になった。地図をもう一度確認している。そして、他の3人に小さな声でささやいた。

「ほら地図で見ると、ここからだと聖イーゼン女子修道院に非常に近い。この修道院は医学と薬草学で数世紀前から有名だ」

 ヴィッターガッハ伯爵家の葡萄畑は、ケネス王子が指差した場所までは馬で半日ほどだろうか。

「すごいな、ケネス!さすがだ。大陸を横断する僕らの旅に君が合流してくれて、本当によかったよ」

 ラファエルは安堵のため息をついて、ケネス王子の肩をやさしくたたいて礼を言った。

「『毒消し草』に興味があるわ。医学と薬草学で有名なところなら、もっと詳しく教えてもらえるわね、敵は一度毒キノコを使ったわ。もし、そこに生息している植物を採集しておきたいわ」

 私は期待を込めて皆を見回した。

「そうだな。採集しよう。どこかで役に立つかもしれない」

 レティシアは何かをじっと考え込んでいた。

「朝早く出発して、目的地はヴィッターガッハ伯爵家の誰にも当主にも誰にも言わずに行きましょう。侍女にも騎士にも、行き先については内緒にするのよ」

 レティシアは私たちにささやいた。

「わかった」
「そうだな」
「そうしましょう。朝一番にたちましょう」


 これで、4つ目の宝石の場所がわかった。レティシアとケネス王子が私たちの寝室を去ると、私はラファエルに洗濯物の相談をした。ラファエルのものも洗うし、騎士たちも交代で自分たちのものを洗うだろう。その相談をしていると、ベアトリスとジュリアが揃って寝室のドアをノックした。

 私はベアトリスとジュリアと一緒に、1階に用意されていたラファエルの浴室に向かった。余っていた暖かいお湯で洗濯を軽くして、私たちは戻ってきた。私は自分のものとラファエルのものを洗い、ベアトリスとジュリアもそれぞれ自分たちのものを洗った。

 没落令嬢だった私はこういった洗濯は本当に得意だった。今日は暖かい暖炉のある部屋で皆が落ちついて眠れることにとても感謝した。

 暖炉の前に固く絞った洗濯物を広げて、私はラファエルが待つベッドの中にそっと入った。王冠は布で包まれて、私とラファエルの間の枕元に置かれた。王冠を乗り越えて、私たちはキスを交わして眠りに入ろうとした。

 私はゆっくりとラファエルにネグリジェをたくし上げられて脱がされた。ラファエルは待っている間はベッドの中にいたのか、手もなにもかもが温かく、心地よかった。

 あぁっ……んっ

 ラファエルが私の豊満な胸を揉みながら、私の耳を優しく甘噛みした。私はビクッと体を震えさせた。

 ラファエルは私の反応に満足そうな笑みを浮かべて、私の瞳を見つめた。きらきらと輝く碧い瞳が私を見つめている。

 ――あぁ、なんて素敵なのだろう……

 私はぞくぞくするような期待に体が震えた。

 そのまま胸を揉まれながら首筋、鎖骨とラファエルの唇が私にキスをしながら降りてきて、私は胸を舐め上げられて、思わず身をすくめて悶えた。

 あぁっあぁっんっ

「可愛い声を出すね」

 そのままラファエルは胸を舐め続けながら、私のお尻の方に手を回し、腰を両手で抱えて次に私の太ももを撫で、私の体をベッドに横たわらせた。

「足を広げてごらん」

 あんっ……いやぁっ……

 ラファエルの長い指が太ももの間を優しく撫で上げ、私は思わず首を降って甘い声を漏らした。

 長い指の間から、すぐにクチュクチュと音がし始めて、私は恥ずかしさに頬を赤らめた。ラファエルは私の口に舌を入れてきて、私はラファエルの指の愛撫に絶えられずに思わず腰を動かしてしまった。

「気持ちいい?」

 私は真っ赤な顔でうなずき、体がもっと欲しがってくねってしまってよがることを抑えられなかった。

「ほおら、こうしたらもっと気持ちいいよ」

 ラファエルがシャツを脱ぎ捨てて、ズボンも脱ぎ捨てた。逞しい体からそそりたつラファエル自身を目にして、私は思わずたじろいだ。期待に息を呑んでしまう。

 ラファエルはベッドの上に座り込み、足を広げてその間に私を後ろから抱え入れた。後ろから大きく胸を揉みしだかれ、私は甘い息を漏らしてラファエルにしなだれかかった。

 うぁっあっあぁっんっ

 ラファエルの右手が私の中心を愛撫し始め、左手は胸を揉んだり胸の先を刺激されつつ、私はラファエルの日に焼けた逞しい手が私の真っ白い体を愛撫する様を見せつけられた。
 
 いやぁっんっ……んっ

 恥ずかしさと興奮と、快感でどうにかなりそうだった。

 すごい濡れている。音と私の喘ぎ声で寝室の中は秘めやかな営みの真っ最中といった状況になり、私とラファエルは無我夢中で相手の唇を貪った。

 そして、私はラファエルを押し倒して、ラファエルの胸をなめ、ラファエルが悶える声を聞いてますます体がうずくのを抑えられなかった。そのままそっとラファエルのそそり立つものを口の中に入れ、手と口を使ってゆっくりと愛撫を始めた。

 あぁっ……あっ

 切なく悶えるラファエルは、彫刻のような逞しい裸体をこわばらせている。

「だめ。いってしまう」


 ラファエルは短くそうささやくと、私を押し倒して組み敷き、一気に私の中に入ってきた。私は両足を大きく開かされ、ラファエルに突き上げられて胸を揺らして喘いだ。あまりの快感に頭の中が真っ白になりそうだ。

 あぁっんっあぁっ……あぁっあぁっんっんっ!

 そのまま激しさを増したラファエルは、シーツを掴んで喘ぐ私の胸を舐め上げながら、一気に高みに達した。

 うぁっん……

「ごめん、我慢できなかった。あまりに気持ち良すぎてごめん……」

 ラファエルは高みに達すると、一瞬体をこわばらせて、私の中に出して私を抱きしめていた。私も体をびくびくさせて、ラファエルに抱きついた。

 この夜、同時に高みに達して、私たちは抱き合って幸せな眠りについた。



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