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置かれた立場で奮闘(6)キャロライン
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女性の姿が見えなくなったところで、リョウタが私にささやいた。
「会長が女性アレルギーだという噂は事実なんだ。でも記憶喪失だと、会長は女性相手に口説きの芝居ができるんだね。素晴らしく良かった。二人が化学反応を起こして魔法がかかったようなシーンになった。あのビックスターからあんなウルっとした表情を引き出せるなんてすごいよ」
リョウタは歩きながら私を褒め続けたが、正直話の半分も私は理解できなかった。しかし、リョウタも周りも喜んでくれたのは良かったと思う。
――会長が今頃、あの極悪伯爵に相対してくれていることに比べたら、私がやったことは簡単だわ。どうかお願い……会長には無事でいてほしい。無事にイーサンから逃げていて欲しい……。
私は心から会長の無事を願った。そして、リョウタに連れて行かれた部屋で私は椅子に座るとすぐにそのまま目を閉じた。
ふーっと息を吐いた。
――戻らねば。どうなっているか分からないけれど、会長を救い出してここに戻さねばならないわ。
***
「会長が女性アレルギーだという噂は事実なんだ。でも記憶喪失だと、会長は女性相手に口説きの芝居ができるんだね。素晴らしく良かった。二人が化学反応を起こして魔法がかかったようなシーンになった。あのビックスターからあんなウルっとした表情を引き出せるなんてすごいよ」
リョウタは歩きながら私を褒め続けたが、正直話の半分も私は理解できなかった。しかし、リョウタも周りも喜んでくれたのは良かったと思う。
――会長が今頃、あの極悪伯爵に相対してくれていることに比べたら、私がやったことは簡単だわ。どうかお願い……会長には無事でいてほしい。無事にイーサンから逃げていて欲しい……。
私は心から会長の無事を願った。そして、リョウタに連れて行かれた部屋で私は椅子に座るとすぐにそのまま目を閉じた。
ふーっと息を吐いた。
――戻らねば。どうなっているか分からないけれど、会長を救い出してここに戻さねばならないわ。
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