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領地と計画(3)

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 私は躊躇ったが、意を決して切り出した。

「それから領地のことなのですが、王太子閣下もよく狩猟に行かれていましたイーサン伯爵の狩猟用森ですが、王家で買い上げることはできないでしょうか」

 私の言葉に王太子閣下はおし黙った。

「うちの実家が買い取っても構いません。しかし、実家の者は狩猟は嗜まないので、買取に違和感を持たれてしまいます。何か理由を考え出します」

 私は慌てて付け加えた。

「わかった。私が買い取ろう」
 
 王太子閣下はうなずいた。

「小さな家がございます。その家を取り壊しさせてください」

 最後の言葉を話す時の私の声は、不覚にも震えてしまった。

 ――しまった。声が震えてしまったわ。

 私はハッとして、緊張で体が固まった。

「わかった。もちろん取り壊そう。代わりにあの場所に家族連れで子供たちも遊びにこれるような場所にしたらどうだろう?子供だけでくるのは危険だけれど、もっと整備したら良い散歩道になるかもしれない」
「王家のものではなく、国の皆のものとする計画ですね?」
「そうだ」
「素晴らしいですわ」

 私はあの忌まわしい森と家が生まれ変わるイメージが頭の中に広がって、期待に胸が膨らんでくるのが分かった。
 胸のつかえがスーッと取れ、消えていくのが分かった。
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