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領地と計画(2)
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張り切った様子で、マリアはいそいそと寝室を出て行った。
ハイベリー宮殿内は、これでまた日が降り注いだかのように湧き上がるであろう。王太子閣下と王太子妃は二人だけで寝室で食事をご所望されたという話は、ハイベリー宮殿だけではなく、主のいる城まで轟く吉報だろう。
私には皆が喜び湧き立つ騒ぎが予想できた。私も幸せだ。
食事は急いで運び込まれた。運び込んだのは、マリアとごく数人の私の侍女だけだ。
準備が整うと、私と王太子閣下は寝室に置いてあるガウンを羽織った姿で、二人で並びあってテーブルについて夕食を食べ始めた。
王太子閣下は喜びに満ちた眼差しで私を見つめ、私も言葉はなくても幸せを噛みしめていた。
「一つ、計画があるのですがよろしいでしょうか」
「キャロル、どんな計画なのか話してみて」
「私は以前に領地の子供達に教える学校や、子供達のための配給所や、大人のための職業訓練、それから私の実家の農作に関する知識を広める教室などの運営に携わっていたのです。王太子妃になってもそれらを続けたく、さらに全国に拡大したいのですが、よろしいでしょうか」
「いいね。是非やってみたらいいよ。実務の相談はそうだな……キャロルも会ったことがあると思うが、ジョージ・ブルーデネルに相談するといい。お妃教育担当のブルーデネルの兄だ」
「ありがとうございます」
ハイベリー宮殿内は、これでまた日が降り注いだかのように湧き上がるであろう。王太子閣下と王太子妃は二人だけで寝室で食事をご所望されたという話は、ハイベリー宮殿だけではなく、主のいる城まで轟く吉報だろう。
私には皆が喜び湧き立つ騒ぎが予想できた。私も幸せだ。
食事は急いで運び込まれた。運び込んだのは、マリアとごく数人の私の侍女だけだ。
準備が整うと、私と王太子閣下は寝室に置いてあるガウンを羽織った姿で、二人で並びあってテーブルについて夕食を食べ始めた。
王太子閣下は喜びに満ちた眼差しで私を見つめ、私も言葉はなくても幸せを噛みしめていた。
「一つ、計画があるのですがよろしいでしょうか」
「キャロル、どんな計画なのか話してみて」
「私は以前に領地の子供達に教える学校や、子供達のための配給所や、大人のための職業訓練、それから私の実家の農作に関する知識を広める教室などの運営に携わっていたのです。王太子妃になってもそれらを続けたく、さらに全国に拡大したいのですが、よろしいでしょうか」
「いいね。是非やってみたらいいよ。実務の相談はそうだな……キャロルも会ったことがあると思うが、ジョージ・ブルーデネルに相談するといい。お妃教育担当のブルーデネルの兄だ」
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