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3ー愛の着地
53 結婚反対とプロポーズ
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婚姻の反対。婚約の反対。あなたのような貧乏な家のお方が、王子の婚約者となるのは許しません、云々・・・・
実はわたしが王子の母上から言われた言葉だ。私がそもそも狙われた者だから、王子との婚姻など夢のまた夢だと鼻で笑われた。
「だいたい、まともな神経をしていたらですよっ?あなたのような貧しい家の子が、王子と知り合ってお付き合いに至ると言うこと自体がおかしいんですよっ!あなたは変です。うちの王子とは不釣り合いでしょ?魔法寺小屋学校の優等生だからって、許しませんよっ!それとこれとは別ですから」
「それにあなたは命を狙われているでしょっ!私の目を騙せると思ったら大間違いよ!」
百パーセント正しいので、王子の母上にまったく反論できなかった。
「奥奉行も何を考えているのかしら。あなたの職場の奉行所の役員はあなたのことをお妃候補だと奥奉行から知らされたそうじゃないの。」
美しい顔を歪めて、王子の母上は声を震わせてお怒りになっていた。
つい最近のこと。
「先に進みたいのだ」と王子に私は懇願された。私も欲望に負けそうになって隠れ家を思わず飛び出してしまった。そしてセグウェイで自分の小さな部屋に帰りついたとき、外に立派な馬車が止まっていて、わたしの帰りを待ち受けていたのだ。元お妃、つまり王子の母上がその馬車には乗っていた。
私は王子の母上に言われて馬車に乗り込み、城とは違う小さな宮殿に連れて行かれ、永遠にも渡ると思われる時間、王子の母上に叱られた。
王子の母上はわたしが患っている吸血鬼の症状はまったく知らない。王子が訳のわからないことに夢中になっていると思い込んでいて、私のせいで王子はますます命が危うくなっているとお考えだった。その主張は正しすぎて、消え入りたいぐらいだった。
私は最後は身も蓋もなくなり、泣き出した。
「別れてください。」
「まもなく王になることが決まっています。今、あなたのような人が正式に王子の婚約者として発表されるのは困るのです。それとも、あなたは財産目当てですか?あなたのお家は相当困窮していたそうじゃないですか。」
「いえ、財産目当てでは・・・・・」
待って。
あのブラック契約は、対価として200万円払う契約だ。
あれは、財産目当てとは言わないのだろうか。
泣いている私に王子の母上は言った。
「まだキスをしただけでしょう?」
「女の子はキスしただけなら、引き戻せます。いいですか?諦めなさいっ!お金ならいくらでも私から差し上げますっ!」
私は泣きながら、ただひたすらうなずくことしかできなかった。
調合薬ができたら、王子にきちんと話して王子と別れるつもりだった。
広大なセンジロガハラの野に咲き乱れる花を見ながら、わたしは目をつぶって、匂いに集中した。ヤギの匂いのついたベロキラプトルを探そうと匂いに集中する。深呼吸した。
私の隣に立つ王子が「沙織、調合薬ができたら正式に婚約発表しよう。俺たち結婚しよう」とささやいて、野の花を摘んだ花束を渡してひざまずいたのは、その時だった。
ーーええっ!なんですって!?
実はわたしが王子の母上から言われた言葉だ。私がそもそも狙われた者だから、王子との婚姻など夢のまた夢だと鼻で笑われた。
「だいたい、まともな神経をしていたらですよっ?あなたのような貧しい家の子が、王子と知り合ってお付き合いに至ると言うこと自体がおかしいんですよっ!あなたは変です。うちの王子とは不釣り合いでしょ?魔法寺小屋学校の優等生だからって、許しませんよっ!それとこれとは別ですから」
「それにあなたは命を狙われているでしょっ!私の目を騙せると思ったら大間違いよ!」
百パーセント正しいので、王子の母上にまったく反論できなかった。
「奥奉行も何を考えているのかしら。あなたの職場の奉行所の役員はあなたのことをお妃候補だと奥奉行から知らされたそうじゃないの。」
美しい顔を歪めて、王子の母上は声を震わせてお怒りになっていた。
つい最近のこと。
「先に進みたいのだ」と王子に私は懇願された。私も欲望に負けそうになって隠れ家を思わず飛び出してしまった。そしてセグウェイで自分の小さな部屋に帰りついたとき、外に立派な馬車が止まっていて、わたしの帰りを待ち受けていたのだ。元お妃、つまり王子の母上がその馬車には乗っていた。
私は王子の母上に言われて馬車に乗り込み、城とは違う小さな宮殿に連れて行かれ、永遠にも渡ると思われる時間、王子の母上に叱られた。
王子の母上はわたしが患っている吸血鬼の症状はまったく知らない。王子が訳のわからないことに夢中になっていると思い込んでいて、私のせいで王子はますます命が危うくなっているとお考えだった。その主張は正しすぎて、消え入りたいぐらいだった。
私は最後は身も蓋もなくなり、泣き出した。
「別れてください。」
「まもなく王になることが決まっています。今、あなたのような人が正式に王子の婚約者として発表されるのは困るのです。それとも、あなたは財産目当てですか?あなたのお家は相当困窮していたそうじゃないですか。」
「いえ、財産目当てでは・・・・・」
待って。
あのブラック契約は、対価として200万円払う契約だ。
あれは、財産目当てとは言わないのだろうか。
泣いている私に王子の母上は言った。
「まだキスをしただけでしょう?」
「女の子はキスしただけなら、引き戻せます。いいですか?諦めなさいっ!お金ならいくらでも私から差し上げますっ!」
私は泣きながら、ただひたすらうなずくことしかできなかった。
調合薬ができたら、王子にきちんと話して王子と別れるつもりだった。
広大なセンジロガハラの野に咲き乱れる花を見ながら、わたしは目をつぶって、匂いに集中した。ヤギの匂いのついたベロキラプトルを探そうと匂いに集中する。深呼吸した。
私の隣に立つ王子が「沙織、調合薬ができたら正式に婚約発表しよう。俺たち結婚しよう」とささやいて、野の花を摘んだ花束を渡してひざまずいたのは、その時だった。
ーーええっ!なんですって!?
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