Dreamen

第一部 罪人の涙

間走 今日は何の日？

　今日は九月九日。

Part1　噛み合わない二人
「そんごくーん、今日は何の日でしょーかっ！」
　ドスッ(鳩尾直撃)
「うっ……！　相変わらず正確な、えっと、ハグだね、ルナちゃん」
「え？」
「う、ううん！　なんでもないよ！」
「なんでもないの？」
「それより、今日は何の日かだよね？　これは自信あるよ！」
「おおー！　じゃあ、せえので言ってみてね。せえの……」

「九九の日！」「苦苦の日！」

「ほんとだー！　そんごくん大正解ー！」
「えへへ、この日は毎年追夢さんにしごかれてるから覚えてるんだー」
「えっ……!?(そんごくんまさか九九できないの!?)」
「そうなんだよねー、語呂合わせだなんて、追夢さんって何気におちゃめだよねー(やることはハードだけど……。今年も創造の集中特訓かなあ)」
「そんごくん……」
「ん？　どうしたのルナちゃん？」
「今年はルナも一緒にやってあげるね！」
「いや……それはちょっと……ルナちゃんには厳しいかな……」


Part2　困難に立ち向かえ
「聞いたよ、魔追くん。今日は苦苦の日、困難に立ち向かう日なんだってね」
「あー、はい。それね。そんごの特訓日ね」
「というわけで魔追くん！　俺達もたまにはチャレンジ精神を養おうじゃないか！」
「あ、オレは足りてるんで結構です」
「手始めに、さっき辜露ちゃんとすれ違ったから、魔追くんが一緒にお昼食べたがってたよ、て言っといたぜ」
「ちょ、おいいいいいいっ!?」


Part3　大混乱
「あ、あのねっ、つーちゃん……！」
「あれ。辜露どうしたの？」
「辜露ちゃんだ」
「あ、テラ様こんにちは！」
「うん……？」
「やっ、そのなんでもありませんですっ……！」
「ちょっと落ち着こうね」
「Calm down, Koro」
「ひゃ、ひゃいっ！　眩しい！」
「？」
「駄目だこりゃ」


Part4　ノアのチャレンジ
「というわけで、今日のお昼一人になっちゃったから、一緒に学食行こうぜ美伽ちゃん」
「そこで、なんで私に声をかけるのかしら。あなたと食べたい女の子なんて、他にたくさんいるでしょう」
「そりゃあほら、一人に声をかけると芋づる式にどんどん増えちゃうから」
「一人で食べなさい。それでなにもかも解決」
「二人で食べた方が、きっともっと美味しくなるよ。俺の女王様」
「……」
「……」
「……」
「……ねえ、黙らないで？」