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第1話『モックじいさん』
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地上からはるか遠い雲の上。ひとりの小さなおじいさんが、これまた小さな家からたいくつそうに出てきました。
おじいさんの名前はモックといって、この空の上で、気の遠くなるほど昔から、雲を生む仕事をしていました。どれくらい昔からというと……。
そりゃあもう、とんでもなく大昔からです。なにせ、雲がこの星の空をはじめて飛んだそのときから、ずっと雲を生み続けているのですから。
そんな彼のことを、まわりの人びとは「モックじいさん」と呼んでいました。「じいさん呼ばわりなんてあんまりだ!」って? それは仕方のないことです。なぜなら、モックじいさんの若い頃なんて誰も見たことがありませんし、気がついたときにはもうすでに、彼はいつものしかめっ面で、ぽっぽと雲を生んでいたのですから。
モックじいさんが暮らしているのは、空にひとつだけぷっかりと浮かんだ、小さな小さな島でした。そこで暮らす人びとは、この星にとってはなくてはならないほど大切な仕事を、空の神さまから授かっていました。
たとえば、モックじいさんの家のおむかいさんはペンキ屋で、気まぐれに島から地上をのぞき込んでは、手に持ったハケで虹を描くことを仕事にしていましたし、そのペンキ屋のお隣さんは、大きくて長い望遠鏡で遠くの空を見わたしながら、モックじいさんの生んだ雲たちが言いつけどおりの場所へ向かっているか確かめることを仕事にしていました。そんなわけで、島に住む人びとは、毎日おなじことをくり返しながら、それなりに楽しくやっていました。
モックじいさんただひとりをのぞいて。
おじいさんの名前はモックといって、この空の上で、気の遠くなるほど昔から、雲を生む仕事をしていました。どれくらい昔からというと……。
そりゃあもう、とんでもなく大昔からです。なにせ、雲がこの星の空をはじめて飛んだそのときから、ずっと雲を生み続けているのですから。
そんな彼のことを、まわりの人びとは「モックじいさん」と呼んでいました。「じいさん呼ばわりなんてあんまりだ!」って? それは仕方のないことです。なぜなら、モックじいさんの若い頃なんて誰も見たことがありませんし、気がついたときにはもうすでに、彼はいつものしかめっ面で、ぽっぽと雲を生んでいたのですから。
モックじいさんが暮らしているのは、空にひとつだけぷっかりと浮かんだ、小さな小さな島でした。そこで暮らす人びとは、この星にとってはなくてはならないほど大切な仕事を、空の神さまから授かっていました。
たとえば、モックじいさんの家のおむかいさんはペンキ屋で、気まぐれに島から地上をのぞき込んでは、手に持ったハケで虹を描くことを仕事にしていましたし、そのペンキ屋のお隣さんは、大きくて長い望遠鏡で遠くの空を見わたしながら、モックじいさんの生んだ雲たちが言いつけどおりの場所へ向かっているか確かめることを仕事にしていました。そんなわけで、島に住む人びとは、毎日おなじことをくり返しながら、それなりに楽しくやっていました。
モックじいさんただひとりをのぞいて。
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