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第2話 回想 I
しおりを挟むBL熱夏日記(ねっかにっき)
回想 I 第2話
By 朴允洙 (パク・ユンス)
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「心配しないで、俺だけ信じてみろって!」
まったく、呑気なことをおっしゃる世孫様でございます。
護衛一人つけずに宮を抜け出しただけでも大事なのに、漢陽の市場だなんて…うちの世孫様は本当に怖いもの知らずでいらっしゃる。
「今日が初めてじゃないんですか?」
と答えると、じっとこちらを見つめたままおっしゃる言葉が、
「ユンス,それは大事なことじゃないだろう? 今日はまさに、お前と俺が初めて漢陽の市場に足を踏み入れた歴史的な日じゃないか! ハハハ!」
「私は何度か来たことがあるんですが…」
「な、何だって!? 誰とだ!? どこでだ!!」
世孫様は生まれつき聡明で、四書五経のみならず性理学まで修めた天才であられるが、どういうわけか私と一緒にいるときには…
「パク! ユン! ス! 今、俺をすごく情けないと思っただろう!!」
「…………」
「何だ、その沈黙は…? 本当に俺のこと、情けないと思ってるのか!?」
知っている。世孫様がこれほどまでに無理をしてまで宮の外に出たがる本当の理由を。
「都城の外で民が飢饉の中 どうやって生き延びているのかを直接ご覧になりたいお気持ちなのですね」
「ユンス……」
「世孫様は敬天愛民の心で民をお見守りになりたいのでしょうか?」
「……父上も同じ思いだろう」
「そうでいらっしゃるでしょう。しかし、その誠心だけでは何も変わりはしません」
「漢陽は地方の役所よりはまだ状況が良さそうだな」
「義倉や賑恤廳も無意味だということか?」
漢陽はまだ状況が良いほうだった。全州、羅州、尚州では救恤米を受け取れず、餓死した民の遺体がそのまま放置されていた。始まりは確かに災害だったが、その姿は人災へと変わり果てていたことを、
幼い主君も、そして私も知っていた。
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