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第三章 転生編
八十七年後の王国
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ミーナが起こした自爆告白の六十年後に、ミーナとシャイニーの二人を見送り神界へと戻ったアースは、ダンジョンの調整に励んでいた。
ダンジョンとは、様々な大きさになった迷宮のことでその迷宮の最下層には必ず、核となるダンジョンコアが存在する。コアが破壊されるとダンジョン内の侵入者は全て外へ吐き出される。
ダンジョンとは魔物の巣窟であり、侵入者である冒険者達はダンジョンの敵である為、様々な罠が冒険者達を襲う。
その罠を無理をしてでも進む。何故ならそこに宝があるから。魔物の素材であったり、鉱石や薬草であったりと宝の認識は人によって別れるが彼らは求める。全ては生活の為に!
さて、そんな夢や希望や死が溢れるダンジョンだが、一つ問題がある。それは、スタンピードと呼ばれる現象。興奮や恐怖が原因で同じ方向…つまりダンジョンの外へと走り始める現象が起きると、近くの町や村は一瞬で潰されてしまう。
日頃からの調査と間引きがあれば、滅多なことでは起きないのだがサボり癖が発動されると、日頃の習慣が悪い意味で伝播しスタンピードが起こってしまうのだ。
創造神アースは、ダンジョンの近くにある町や村には被害が出ないように調整をしていた。しかし国が近いのなら別で、むしろ調査と間引きを習慣化させる為に放って置いた。結果は良好。ホクホク顔のアースはヒンセク国付近のダンジョンを放置することに決めた。
「ん~!八十七年振りだぁ~」
二人の女性を見送り神界へ戻ってから八十七年。アースは再び王国へと戻って来た。
座りっぱなしでダンジョンの調整を黙々としていた為、見かねたシャイニーが気分転換をすすめたのだ。
今年はアルバ王国の建国五百年目であり、アースが創造神として転生してから二千年目になる。神歴は二千年でも人族としての年齢は、十五歳のアース。彼は自分が、神であることや建国一年目から過ごしていたことを都合良く忘れ、冒険者ギルドへ向かった。
「おぉ~」
そんな感想を漏らしたせいか、ガラの悪い冒険者が一人、アースの前に立ち塞がった。しかしアースはそれを避けて受付へと進み、受付嬢へと声をかけた。
「おい。ここはガキが来る場所じゃないんだよ、さっさと帰んな」
「そうですか?受付のお姉さん、この人が僕にそう言うので、帰りますね」
「え、えっと、気をつけて?」
困惑顔で言うポニーテールの受付嬢に背を向けたアースは、ふいに足を止め振り返り爆弾発言をした。
「変わってなければ良いけど、リゲルさんに『ただいま』と伝言をお願いします」
ピシッという音が聞こえるかのように、ギルド内の者達の動きが止まる。冒険者ギルド本部のギルドマスターは、アースの言うようにリゲルで間違ってはいない。ハイエルフ族の為、長寿で今なおギルドマスターの地位にいる。
何故、ギルド内の者達が動きを止めたか…それは、リゲルが名前呼びを許していないからだ。必ずギルドマスターと呼ばなければならない。にもかかわらずアースはギルドマスターを名前呼びしたのだ。つまりそれだけ親しい間柄の少年にガラの悪い冒険者は、暴言を吐いたことになる。
終わったなアイツ。
それが、見物していた者達の考えだった。
後に昼食から戻ったリゲルが、伝言を聞いて慌てたのは言うまでもない。
ダンジョンとは、様々な大きさになった迷宮のことでその迷宮の最下層には必ず、核となるダンジョンコアが存在する。コアが破壊されるとダンジョン内の侵入者は全て外へ吐き出される。
ダンジョンとは魔物の巣窟であり、侵入者である冒険者達はダンジョンの敵である為、様々な罠が冒険者達を襲う。
その罠を無理をしてでも進む。何故ならそこに宝があるから。魔物の素材であったり、鉱石や薬草であったりと宝の認識は人によって別れるが彼らは求める。全ては生活の為に!
さて、そんな夢や希望や死が溢れるダンジョンだが、一つ問題がある。それは、スタンピードと呼ばれる現象。興奮や恐怖が原因で同じ方向…つまりダンジョンの外へと走り始める現象が起きると、近くの町や村は一瞬で潰されてしまう。
日頃からの調査と間引きがあれば、滅多なことでは起きないのだがサボり癖が発動されると、日頃の習慣が悪い意味で伝播しスタンピードが起こってしまうのだ。
創造神アースは、ダンジョンの近くにある町や村には被害が出ないように調整をしていた。しかし国が近いのなら別で、むしろ調査と間引きを習慣化させる為に放って置いた。結果は良好。ホクホク顔のアースはヒンセク国付近のダンジョンを放置することに決めた。
「ん~!八十七年振りだぁ~」
二人の女性を見送り神界へ戻ってから八十七年。アースは再び王国へと戻って来た。
座りっぱなしでダンジョンの調整を黙々としていた為、見かねたシャイニーが気分転換をすすめたのだ。
今年はアルバ王国の建国五百年目であり、アースが創造神として転生してから二千年目になる。神歴は二千年でも人族としての年齢は、十五歳のアース。彼は自分が、神であることや建国一年目から過ごしていたことを都合良く忘れ、冒険者ギルドへ向かった。
「おぉ~」
そんな感想を漏らしたせいか、ガラの悪い冒険者が一人、アースの前に立ち塞がった。しかしアースはそれを避けて受付へと進み、受付嬢へと声をかけた。
「おい。ここはガキが来る場所じゃないんだよ、さっさと帰んな」
「そうですか?受付のお姉さん、この人が僕にそう言うので、帰りますね」
「え、えっと、気をつけて?」
困惑顔で言うポニーテールの受付嬢に背を向けたアースは、ふいに足を止め振り返り爆弾発言をした。
「変わってなければ良いけど、リゲルさんに『ただいま』と伝言をお願いします」
ピシッという音が聞こえるかのように、ギルド内の者達の動きが止まる。冒険者ギルド本部のギルドマスターは、アースの言うようにリゲルで間違ってはいない。ハイエルフ族の為、長寿で今なおギルドマスターの地位にいる。
何故、ギルド内の者達が動きを止めたか…それは、リゲルが名前呼びを許していないからだ。必ずギルドマスターと呼ばなければならない。にもかかわらずアースはギルドマスターを名前呼びしたのだ。つまりそれだけ親しい間柄の少年にガラの悪い冒険者は、暴言を吐いたことになる。
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それが、見物していた者達の考えだった。
後に昼食から戻ったリゲルが、伝言を聞いて慌てたのは言うまでもない。
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