71 / 108
第三章 転生編
お前は誰だ…?
しおりを挟む
言い放たれた言葉は波紋のように広がり、室内にいる宰相と国王陛下の頭にその言葉が流れ込む。グルグルと同じ言葉が残り、そして思考が停止した。
「どうされました?」
心配そうな声に我を取り戻せた国王陛下は、震えた声で息子であるルシオンに確認をした。
「お前は、ワシ…コンクル・フォン・アルバと最愛の妻エボルシの間に生まれた息子、ルシオン・フォン・アルバか?」
「そうですね、どう答えたものか…。俺の父と母はすでにいません。しかしこの身体の持ち主であった彼の両親は?と聞かれたらあなた方だ、と答えます。俺が転生したのは昨日のベットで起きた時です。熱で亡くなった彼の元に俺が転生した、そう考えるのが妥当かと」
淡々と答える息子であった者に、畏怖を感じるとは思っていなかった国王陛下は、ゴクリと息を飲んだ。彼は熱でいなくなったと、起きたら転生してたと言われても理解し難い状況で、宰相の方に視線を向けるも本人は、直立不動のまま気を保てていなかった。
「まて……五百年前…?お前はそう言ったな。もしや、アルシオン・フォン・アルバ様…か。そうか、だから王族で六属性なのか」
「確かに俺はアルシオンだが、何故、今世も王族で同じ六属性なのかはわからない。そこはアースが知っているんじゃないかと思う。死後、彼に言われた『またね』を考慮すれば、意図せずの転生とは考えにくい」
ルシオンに宿った者の正体に気づいた国王陛下は、自身で発した言葉にもかかわらずその言葉に驚愕の表情を貼りつけた。自身の言葉に驚くというのは滑稽だが、それ程までの驚愕だということはよくわかる。
普通に考えればあり得ないこと。遥古くに生きていた者が、また命を持つとは前例がない。知らないだけかも知れないが、それを耳にすると信じたくない気持ちが勝ってしまう。
「十五年…たった十五年。ワシの息子は十五年の命だったという訳か……」
国王という立場からすると、初代国王は心強い存在。だが、人族コンクルの立場では自身の息子を乗っ取った存在になる。当然、「はい。そうですか」で納得出来ることではない。
焦燥感から殴りたい気持ちが溢れるも、その拳が捉えるのは息子の身体であり、息子を殴るのと変わりないこと。
コンクルはやり場のない怒りを静めるのに必死だった。
五分程かけて心を静めた国王陛下は、チラリと宰相に視線を向ける。
宰相は顎に手を置き、何やらブツブツと呟いている。「放置だ」彼はそう結論づけた。
「ワシとしては、今後も変わりなくお前をルシオンとして、そう接する。魂がアルシオン様であっても、ワシからすればルシオンだからだ。だが、問題は他の者にどう説明するか、特にエボルシは発狂し反抗するだろう。最悪、自害しかねん。腹を痛めて生んだルシオンを返せと、絶対に言うとワシは思う!」
最後だけまるで確信しているかのようにハッキリと言う姿に、呆れると同時に悲しい気持ちが込み上げる。
自分の息子であったアルトが突然、知らない者になったらと考えると、怒りに任せて殴る。そう思ったからだ。
「…それで、お前達は今後どうするのだ」
二人は問われた言葉に、示し合わせたように同時に答える。
「「まずアース(様)に会う」」
「どうされました?」
心配そうな声に我を取り戻せた国王陛下は、震えた声で息子であるルシオンに確認をした。
「お前は、ワシ…コンクル・フォン・アルバと最愛の妻エボルシの間に生まれた息子、ルシオン・フォン・アルバか?」
「そうですね、どう答えたものか…。俺の父と母はすでにいません。しかしこの身体の持ち主であった彼の両親は?と聞かれたらあなた方だ、と答えます。俺が転生したのは昨日のベットで起きた時です。熱で亡くなった彼の元に俺が転生した、そう考えるのが妥当かと」
淡々と答える息子であった者に、畏怖を感じるとは思っていなかった国王陛下は、ゴクリと息を飲んだ。彼は熱でいなくなったと、起きたら転生してたと言われても理解し難い状況で、宰相の方に視線を向けるも本人は、直立不動のまま気を保てていなかった。
「まて……五百年前…?お前はそう言ったな。もしや、アルシオン・フォン・アルバ様…か。そうか、だから王族で六属性なのか」
「確かに俺はアルシオンだが、何故、今世も王族で同じ六属性なのかはわからない。そこはアースが知っているんじゃないかと思う。死後、彼に言われた『またね』を考慮すれば、意図せずの転生とは考えにくい」
ルシオンに宿った者の正体に気づいた国王陛下は、自身で発した言葉にもかかわらずその言葉に驚愕の表情を貼りつけた。自身の言葉に驚くというのは滑稽だが、それ程までの驚愕だということはよくわかる。
普通に考えればあり得ないこと。遥古くに生きていた者が、また命を持つとは前例がない。知らないだけかも知れないが、それを耳にすると信じたくない気持ちが勝ってしまう。
「十五年…たった十五年。ワシの息子は十五年の命だったという訳か……」
国王という立場からすると、初代国王は心強い存在。だが、人族コンクルの立場では自身の息子を乗っ取った存在になる。当然、「はい。そうですか」で納得出来ることではない。
焦燥感から殴りたい気持ちが溢れるも、その拳が捉えるのは息子の身体であり、息子を殴るのと変わりないこと。
コンクルはやり場のない怒りを静めるのに必死だった。
五分程かけて心を静めた国王陛下は、チラリと宰相に視線を向ける。
宰相は顎に手を置き、何やらブツブツと呟いている。「放置だ」彼はそう結論づけた。
「ワシとしては、今後も変わりなくお前をルシオンとして、そう接する。魂がアルシオン様であっても、ワシからすればルシオンだからだ。だが、問題は他の者にどう説明するか、特にエボルシは発狂し反抗するだろう。最悪、自害しかねん。腹を痛めて生んだルシオンを返せと、絶対に言うとワシは思う!」
最後だけまるで確信しているかのようにハッキリと言う姿に、呆れると同時に悲しい気持ちが込み上げる。
自分の息子であったアルトが突然、知らない者になったらと考えると、怒りに任せて殴る。そう思ったからだ。
「…それで、お前達は今後どうするのだ」
二人は問われた言葉に、示し合わせたように同時に答える。
「「まずアース(様)に会う」」
0
あなたにおすすめの小説
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
辺境で静かに暮らしていた俺、実は竜王の末裔だったらしく気づけば国ができていた
平木明日香
ファンタジー
はるか五億四千万年前、この星は六柱の竜王によって治められていた。火・水・風・土・闇・光――それぞれの力が均衡を保ち、世界は一つの大きな生命のように静かに巡っていた。だが星の異変をきっかけに竜の力は揺らぎ、その欠片は“魂”となって新たな生命に宿る。やがて誕生した人類は文明を築き、竜の力を利用し、ついには六大陸そのものを巨大な封印装置へと変えて竜王を眠りにつかせた。
それから幾千年。
現代では六つの大国がそれぞれ封印を管理し、かろうじて世界の均衡を保っている。しかし各地で異常な魔獣が出現し、封印の揺らぎが噂されはじめていた。
そんな世界を気ままに旅する青年がいる。名はブラック・ドラグニル。三年前からハンターとして魔獣を討伐し、その肉を味わいながら各地を渡り歩く放浪者だ。規格外の実力を持ちながら名誉や地位には興味がなく、ただ「世界のうまいものを食べ尽くす」ことを楽しみに生きている。
ある日、光の王国ルミナリア近郊で王女ユリアナが大型魔獣に襲われる事件が起きる。死を覚悟した騎士団の前に現れたブラックは、その怪物をわずか数十秒で討ち倒す。彼にとっては雑魚同然だったが、その圧倒的な強さは王国中に知れ渡る。王女は自由に生きる彼の姿に心を奪われるが、ブラックは次の目的地へ向かう計画を練るばかり。
だが彼自身はまだ知らない。
自らが竜族の末裔であり、世界を再び“統合”へ導く鍵となる存在であることを。
竜の封印が揺らぐとき、自由を愛する青年は世界の命運を左右する選択を迫られる。
これは、竜の記憶と人の魂が交錯する壮大なファンタジー叙事譚である。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜
ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」
「街の井戸も空っぽです!」
無能な王太子による身勝手な婚約破棄。
そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを!
ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。
追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!?
優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。
一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。
「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——!
今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける!
※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる