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第三章 転生編
ダンジョン
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「南東の森のダンジョンは十階層となっていて、他のよりは浅いですがその分、出て来る魔物が強力です。三階層までが冒険者のDランク、つまり初心者向けとなっていて六階層までがBランク、九階層までがAランク推奨となってます」
冒険者ランクはE、D、C、B、A、Sと六段階あり、Sランクは一つ以上の国が認めなければ許されておらず、今のところAランクが最高となっている。
他国に行く予定がない僕には無縁のSランクだけど、彼が最初のSランクになると思ってる。
「十階層については私では、入ることすら出来ませんでした。下へ降りるごとに魔素の量が増し、身体に影響が出るのですが、九階層ですでに震えと汗が止まりません。九階層までに出て来る魔物の詳細が三枚目の用紙になります」
…………。リゲルさん、有能過ぎない?
僕が用紙を見て動きを止めたことに対して勘違いしたリゲルさんは、「魔物の数に驚かれましたか」なんて言う。
違うよリゲルさん。数は多いし種類も結構な多さだけど、あなたの努力が見えた気がして…ね。
「…種類多いね」
「そうなんですよ!三階層までは低級の魔物で、多くはゴブリンやウルフ、角ウサギなんですが、とにかくどの階層にもスライムがいるんです!下へ行く程厄介なスライムが増えていき、攻略が遅れる上に身を守る術を失います。地上の魔物と違ってダンジョン内の魔物は、全て強化されているので舐めてかかると、こちらが負傷し最悪死に至ります」
すっっごい速さで話すどころか、熱弁するリゲルさんに涙が出て来る。きっと、話し相手がいなかったんだろうな、そんな感じがする。
「この魔物は~」とか「当時この階層で~」とか話している姿を見れば、「もう言いです」とは口が裂けても言えない。
どうしたものかと、悩んでいるとタイミング良く扉をノックされた。
「ギルドマスター。アクロ・グランツ様が来られています」
と職員が言い終わるや否や、外から扉が勢い良く開く。
入って来たのはもちろんアクロで、救いの神かと喜んでいると……
「楽しそうね!私も混ぜて!」
僕の隣に座るアクロの表情はワクワクしており、断ることは困難に思えた。
あぁアクロ、君は死神だったのか……。
この後、一時間みっちりと話し込んでいた。
熱弁という名の精神的ダメージを負った僕は、フラフラと倒れ込むように自宅三階の自室へ入った。
一階では飲食店『食の棚』として解放してあり、カウンターの五席を含めても十七席となっている。
二階は、応接室が二部屋に従業員の着替え室と倉庫がある。
三階は個人部屋があり、階段近くにカイトの自室で、一番遠くの奥に僕の部屋がある。僕がいつ帰宅しても良いように、カイトは毎日掃除を欠かさないらしく、思わず涙が溢れたのは仕方ないと思う。
普段と違ってすぐに眠ることが出来たのは、神界での疲労とリゲルさんの熱弁のおかげだと僕は密かに思った。
冒険者ランクはE、D、C、B、A、Sと六段階あり、Sランクは一つ以上の国が認めなければ許されておらず、今のところAランクが最高となっている。
他国に行く予定がない僕には無縁のSランクだけど、彼が最初のSランクになると思ってる。
「十階層については私では、入ることすら出来ませんでした。下へ降りるごとに魔素の量が増し、身体に影響が出るのですが、九階層ですでに震えと汗が止まりません。九階層までに出て来る魔物の詳細が三枚目の用紙になります」
…………。リゲルさん、有能過ぎない?
僕が用紙を見て動きを止めたことに対して勘違いしたリゲルさんは、「魔物の数に驚かれましたか」なんて言う。
違うよリゲルさん。数は多いし種類も結構な多さだけど、あなたの努力が見えた気がして…ね。
「…種類多いね」
「そうなんですよ!三階層までは低級の魔物で、多くはゴブリンやウルフ、角ウサギなんですが、とにかくどの階層にもスライムがいるんです!下へ行く程厄介なスライムが増えていき、攻略が遅れる上に身を守る術を失います。地上の魔物と違ってダンジョン内の魔物は、全て強化されているので舐めてかかると、こちらが負傷し最悪死に至ります」
すっっごい速さで話すどころか、熱弁するリゲルさんに涙が出て来る。きっと、話し相手がいなかったんだろうな、そんな感じがする。
「この魔物は~」とか「当時この階層で~」とか話している姿を見れば、「もう言いです」とは口が裂けても言えない。
どうしたものかと、悩んでいるとタイミング良く扉をノックされた。
「ギルドマスター。アクロ・グランツ様が来られています」
と職員が言い終わるや否や、外から扉が勢い良く開く。
入って来たのはもちろんアクロで、救いの神かと喜んでいると……
「楽しそうね!私も混ぜて!」
僕の隣に座るアクロの表情はワクワクしており、断ることは困難に思えた。
あぁアクロ、君は死神だったのか……。
この後、一時間みっちりと話し込んでいた。
熱弁という名の精神的ダメージを負った僕は、フラフラと倒れ込むように自宅三階の自室へ入った。
一階では飲食店『食の棚』として解放してあり、カウンターの五席を含めても十七席となっている。
二階は、応接室が二部屋に従業員の着替え室と倉庫がある。
三階は個人部屋があり、階段近くにカイトの自室で、一番遠くの奥に僕の部屋がある。僕がいつ帰宅しても良いように、カイトは毎日掃除を欠かさないらしく、思わず涙が溢れたのは仕方ないと思う。
普段と違ってすぐに眠ることが出来たのは、神界での疲労とリゲルさんの熱弁のおかげだと僕は密かに思った。
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