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第三章 転生編
あれから三年後
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アースが降りて来て三年の月日が流れた。その間に決まったことや解決したことが多々ある。
公開した『最低レベル銅級』レシピ以降は、カイトの提案を受け入れることに。
次に公開する『銀級』は三年後に、その次が『金級』でまた三年後と、各レベルの級ごとを三年起きを三度繰り返し一年あけて公開することになった。
『最高レベル』までのレシピを公開するのに、四十六年かかる計算になる。まぁ、気長に待とう。
また、姉ローザの頑張りと弟ゼイネルの反省具合&学園での成績アップを考慮して不問と判断され、精神的にも貴族の体面も保つことが出来たラーウス銀家。当主は今でも変わらぬお客として、通ってくれている。
テルトが転生したトルテと、アルシオンが転生したルシオンはまた、従者と主人という関係になった。気の知れた者が傍にいる。それがお互いにとって良かったのか、共に国防科AクラスとSクラスの成績をトップで卒業した。
不安だったコンクル国王の妻エボルシ王妃への説明は、国王への鉄拳という形で終わった。二年もの間、黙っていたことが裏目に出たのだ。国王の予想通り王妃は発狂し、やり場のない怒りを国王へと向けた。それだけだ。
王妃との間に若干のぎこちなさが残るものの、早速公開されたプリンを親子で作っていたのをトルテが目にしていたらしく、まずまずの仲であって何よりだと思う。
「おーい!」
僕が手を振る先にはこちらへ走って来る二人組がいる。一人は王族のルシオンでもう一人は従者のトルテ。冒険者登録を済ませランクを上げた二人と、城壁門で待ち合わせをしていた。
僕はAランクになったが、さてさて彼らはどこまで上がったのか。
「昨日、更新が終わってお互いBランクになったよ!」
前世では国王だった為、あまり遠出やランクアップが出来なかったルシオンは、喜びを噛み締めていた。
トルテは何でもそつなくこなすタイプで、熱意が感じられないと思うかも知れないが、主人であるルシオンが危険な時は自ら体を張ることもある。男気溢れる一面を持っていて、従者としても見本と言える存在だ。
「それで依頼は何にしたんだ?」
「Aランク依頼で内容は、ワイバーン群討伐」
今、不穏な言葉が混じっていたような……。
「ワイバーン群って言った?」
「そうですアース様。ワイバーンの群れが西の山で確認されたらしく、討伐依頼と共に原因の調査もリゲル様から求められています」
トルテの言葉通りであるなら、普通の冒険者には危険極まりない依頼だ。討伐だけでなく、原因調査までもリゲルさんから求められていることが、余計不安になる。
そもそも、ワイバーンは基本的に群れない。ワイバーン等の個々で戦闘能力が高い魔物は群れる必要がないからで、もし群れるようならそこで何かが起こったことになる。
「西の山で何かがあったんだろう。例えばワイバーンでは対処出来ないこととか」
ルシオンの発言を聞いて僕は、そういえば…と記憶が蘇った。
『報告ってもなぁ~。まぁ、黒龍が生まれたことぐらいか。五百年くらい経ったら何か起こるんじゃね?』
それは、今からちょうど五百年前に火の大精霊タイキが言ったこと。その時は特に気にしていなかったが、もし黒龍に関するのなら……。
「アース?どうしたんだ」
心配そうに問うルシオンに、僕は真剣な表情で答えた。
「もしかしたらこの依頼、面倒なことになってると思う」
先を急ぐ為、僕らは駆け出したーー。
公開した『最低レベル銅級』レシピ以降は、カイトの提案を受け入れることに。
次に公開する『銀級』は三年後に、その次が『金級』でまた三年後と、各レベルの級ごとを三年起きを三度繰り返し一年あけて公開することになった。
『最高レベル』までのレシピを公開するのに、四十六年かかる計算になる。まぁ、気長に待とう。
また、姉ローザの頑張りと弟ゼイネルの反省具合&学園での成績アップを考慮して不問と判断され、精神的にも貴族の体面も保つことが出来たラーウス銀家。当主は今でも変わらぬお客として、通ってくれている。
テルトが転生したトルテと、アルシオンが転生したルシオンはまた、従者と主人という関係になった。気の知れた者が傍にいる。それがお互いにとって良かったのか、共に国防科AクラスとSクラスの成績をトップで卒業した。
不安だったコンクル国王の妻エボルシ王妃への説明は、国王への鉄拳という形で終わった。二年もの間、黙っていたことが裏目に出たのだ。国王の予想通り王妃は発狂し、やり場のない怒りを国王へと向けた。それだけだ。
王妃との間に若干のぎこちなさが残るものの、早速公開されたプリンを親子で作っていたのをトルテが目にしていたらしく、まずまずの仲であって何よりだと思う。
「おーい!」
僕が手を振る先にはこちらへ走って来る二人組がいる。一人は王族のルシオンでもう一人は従者のトルテ。冒険者登録を済ませランクを上げた二人と、城壁門で待ち合わせをしていた。
僕はAランクになったが、さてさて彼らはどこまで上がったのか。
「昨日、更新が終わってお互いBランクになったよ!」
前世では国王だった為、あまり遠出やランクアップが出来なかったルシオンは、喜びを噛み締めていた。
トルテは何でもそつなくこなすタイプで、熱意が感じられないと思うかも知れないが、主人であるルシオンが危険な時は自ら体を張ることもある。男気溢れる一面を持っていて、従者としても見本と言える存在だ。
「それで依頼は何にしたんだ?」
「Aランク依頼で内容は、ワイバーン群討伐」
今、不穏な言葉が混じっていたような……。
「ワイバーン群って言った?」
「そうですアース様。ワイバーンの群れが西の山で確認されたらしく、討伐依頼と共に原因の調査もリゲル様から求められています」
トルテの言葉通りであるなら、普通の冒険者には危険極まりない依頼だ。討伐だけでなく、原因調査までもリゲルさんから求められていることが、余計不安になる。
そもそも、ワイバーンは基本的に群れない。ワイバーン等の個々で戦闘能力が高い魔物は群れる必要がないからで、もし群れるようならそこで何かが起こったことになる。
「西の山で何かがあったんだろう。例えばワイバーンでは対処出来ないこととか」
ルシオンの発言を聞いて僕は、そういえば…と記憶が蘇った。
『報告ってもなぁ~。まぁ、黒龍が生まれたことぐらいか。五百年くらい経ったら何か起こるんじゃね?』
それは、今からちょうど五百年前に火の大精霊タイキが言ったこと。その時は特に気にしていなかったが、もし黒龍に関するのなら……。
「アース?どうしたんだ」
心配そうに問うルシオンに、僕は真剣な表情で答えた。
「もしかしたらこの依頼、面倒なことになってると思う」
先を急ぐ為、僕らは駆け出したーー。
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