神様のお楽しみ!

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第四章 水の楽園編

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 「放ちなさい!」

 アクロ様の合図で全員が一斉に魔法を放つ。色とりどりの魔法が視界に映り、一点に向かって行く。
 私は水と風の複合魔法を、ビアンカは火と土の複合魔法を使った。なのに、アース様は無傷で立っていた。
 アクロ様でも複合魔法で防御にヒビが入るのに、アース様はそもそも防御ではなく光属性の結界で身を守っていた。
 各属性の防御魔法より、防ぐ度合いが劣る結界。
 実力差は歴然だった。


 「じゃ、次はこっちの番だ」

 アース様が言い終わるや否や、アクロ様が防御魔法を展開する。
 それを見た教師達が慌てて、防御魔法を展開して行く。私もビアンカも残る魔力を振り絞って発動した。
 他の子にかまう余裕はなく、自身だけを守る為に発動した。
 

 「和風わふう凱風がいふう商風しょうふう寒風かんぷうを司る偉大なる者ヴェント……」

 様々な方向から風が、アース様を中心として集まっていく。
 アース様の近くにいるのは……精霊?

 「風に吹かれてもなお 我が道を阻む……」

 上に向けた手の平に、アメ玉サイズの風が塊となって圧縮されていく。
 近くの数人が自身だけを守るように、防御をそれぞれの属性で展開する。

 「……愚かなる者の身を浮かせよ【一陣の風】」

 詠唱が終わるのと同時に、アース様のそばにいる精霊が何かした。
 そう思った時には、防御魔法に重い衝撃が当てられていて、ズリズリと身体が後方へと押されて行く。
 魔法を展開しているハズなのに、防御が破壊されて転がる生徒が多々いる。
 私の魔力も持ちそうにない……

 だけど、ギリギリで保つことが出来た。
 アクロ様もビアンカも耐えていてホッとした。

 「異常だ…」

 どこからかそんな声が聞こえた。
 小さな声だったが辺りが静かな為か、私には酷く大きく聞こえた。

 「もう一回やる?」

 私は激しく首を振った。







 残ったのは教師を除いて、六人か。

 「もうちょい減ると思ったんだけどな」

 「これ以上減らすつもりだったの?」

 「え、うん。教えるの苦手だから」

 アクロと軽口を叩き、歩み寄る学園長に残った者以外は不合格と伝える。
 学園長は二度頷き、合格者以外に教室へ戻るように指示を出して行く。

 「青空教室が良いと思うんだよ」

 「雨の日も外?」

 「…………」

 「冗談よ!」

 僕らのやり取りを唖然とした表情で眺めていた合格者達が、アクロの一言で我に返る。

 「自己紹介しましょう。私はアクロ・グランツ…アースの妻よ。水と土と風の三属性を使えるわ」

 この王国にいて、知らない者はいないだろうグランツ家の長寿者だ。

 「アマネ・グランツです。水と風属性が使えます!Sクラスです」

 アクロと僕の子孫、アマネ。
 アクロの髪は水色だけど、アマネは青色の髪に黄緑の瞳。私は水と風を操りますってアピールしているようだ。

 「ビアンカ・セルヴォです!火と土属性が使えまーす。アマネと同じクラスです」

 カイトの子孫、ビアンカは親しみやすそうな気軽な口調で、小さい頭囲とういに黒髪ボブでシルバーの瞳。
 幼さの残る顔立ちは誰からも愛されそうだ。

 「レイン・ラトクリフ。火属性だ。クラスはA」

 レイン…ね。僕に本気で殺意を向けて魔法を放った人だな。覚えておこう。
 ぶっきらぼうな物言いの細身の少年。食事をしているのか不安になる。

 「エリアル・フォン・アルバ。風属性。えっと、Aクラス…です」

 王族でAクラスかぁ。魔力量が足らなかったのかな?
 気の弱そうな感じは、ミーナに似てる。告白に三年費やすタイプかな?

 「エバレットや。闇と土属性が使える。Bクラスやから、よろしく」

 聞いたことのあるような口調……。憎めないタイプかな、エバレットは。
 シルバーの髪色に青の瞳、少しぽっちゃりしてて、つまみ食いしてそうと思ったのは内緒。

 「アニカって言います!平民でCクラスです。あ、光属性が使えます」

 唯一のCクラス!Cなのに残るって、クラス間違えてるんじゃない?
 栗色のボブ髪と焦げ茶の瞳を持つ、快活な印象の女の子。
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