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episode.hotaka
藤穂高(ふじほたか)
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朝食を食べ終えた私と穂高さん。4時から4時15分までの朝食の後は6時まで部屋や決して大きくない自称大広間で暇つぶしをしていなければならない。大広間には小部屋用の小さいテレビがあるが、そのテレビも夕方4時から4時半までしか見れない。寝っ転がっていると監視に注意され、死刑囚ならすぐさま死刑なんてこともあるかもしれない。穂高さんが言うにはここの警備は無駄に厳重すぎるらしい。
そんなことを考えていると、牢屋についた。この時間、牢屋にいるのは私と穂高さんくらいで他の人たちは大広間で話している。
牢屋の扉を閉めた。
「桜、俺、明日死刑執行なんだ。」
穂高さんから発せられた、衝撃の言葉。小さいころ(0歳の時)、当時10歳の穂高さんはまだ小学生の歳だというのに私を見捨てないで育ててくれた。そんな彼女が死刑だ。私は息が荒くなった。
「穂高さん、嘘だよね?」
一応、そうであってほしいと思ったので、疑ってみた。
「ほんとだよ。10年前から決まってた。」
穂高さんは死への恐怖はないように見えた。いつもより落ち着いたトーンで、いつもより優しかったからだ。
「そんな......」
今まで死刑が執行されるのをたくさん見てきた私でも、穂高さんとなると胸が痛む。
「そんな、落ち込むなよ、俺の意思は桜が受け継いでくれればいいんだよ。」
穂高さんはそういって私の背中を撫でてくれた。穂高さんとの楽しい思い出や、助けてくれたお礼。全部まだまだやり残している。私は穂高さんに質問をした。
「穂高さん、なんの犯罪を犯したんですか。」
いままで私は恐れて、ずっと穂高さんに秘密にされてたことを遂に穂高さんに聞く。穂高さんは少し考えて、最後だしと、自分で頷いて質問に答えた。
「しょうがない、16年間秘密にしてて答えなかったけど、明日死ぬしな~。じゃあ話すよ、私10歳のころ親も親戚も近所の人たちも皆殺しまくってたんだよね。その日、親に包丁で刺されそうになって体が勝手に動いて気を失って、気付いたら知らない人の家で、知らない人の血まみれの死体が前にあったみたいな感じかな。小さ頃だったからあんまりわからなかったけど。後々聞いたら43人殺してたみたいでさ。殺したって言っても殺してるときの記憶ないんだよね。」
私は、初めて知る事実に驚いたが、他の人たちより穂高さんを怖がることはなかった。穂高さんの人の良さは何物でもない真実なのだから。
「穂高さん最後にもう一つ。」
そんなことを考えていると、牢屋についた。この時間、牢屋にいるのは私と穂高さんくらいで他の人たちは大広間で話している。
牢屋の扉を閉めた。
「桜、俺、明日死刑執行なんだ。」
穂高さんから発せられた、衝撃の言葉。小さいころ(0歳の時)、当時10歳の穂高さんはまだ小学生の歳だというのに私を見捨てないで育ててくれた。そんな彼女が死刑だ。私は息が荒くなった。
「穂高さん、嘘だよね?」
一応、そうであってほしいと思ったので、疑ってみた。
「ほんとだよ。10年前から決まってた。」
穂高さんは死への恐怖はないように見えた。いつもより落ち着いたトーンで、いつもより優しかったからだ。
「そんな......」
今まで死刑が執行されるのをたくさん見てきた私でも、穂高さんとなると胸が痛む。
「そんな、落ち込むなよ、俺の意思は桜が受け継いでくれればいいんだよ。」
穂高さんはそういって私の背中を撫でてくれた。穂高さんとの楽しい思い出や、助けてくれたお礼。全部まだまだやり残している。私は穂高さんに質問をした。
「穂高さん、なんの犯罪を犯したんですか。」
いままで私は恐れて、ずっと穂高さんに秘密にされてたことを遂に穂高さんに聞く。穂高さんは少し考えて、最後だしと、自分で頷いて質問に答えた。
「しょうがない、16年間秘密にしてて答えなかったけど、明日死ぬしな~。じゃあ話すよ、私10歳のころ親も親戚も近所の人たちも皆殺しまくってたんだよね。その日、親に包丁で刺されそうになって体が勝手に動いて気を失って、気付いたら知らない人の家で、知らない人の血まみれの死体が前にあったみたいな感じかな。小さ頃だったからあんまりわからなかったけど。後々聞いたら43人殺してたみたいでさ。殺したって言っても殺してるときの記憶ないんだよね。」
私は、初めて知る事実に驚いたが、他の人たちより穂高さんを怖がることはなかった。穂高さんの人の良さは何物でもない真実なのだから。
「穂高さん最後にもう一つ。」
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