苦い僕と甘い君

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Story2 かっこいいあの人

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泉田みるくは親友の柳瀬あゆに手を引かれながら、頭に疑問符を浮かべていた。
あゆは先程自分と話していた男の子を見ると、血相を変えてみるくを引きずっていった。みるくにはその理由が分からなかった。
そういえば、みるくが彼にぶつかっていった後、彼はその整った眉をつり上げて怒っていたように思う。普段からぼーっとしてよく失敗をしでかし、周囲の大人が自分に対して何か言っているのをあゆに指摘されてようやく怒られているのだと認識するくらいには人の気持ちに鈍感な自分が感情を読み取れるくらいにはすごみがあった。
もしかしたらこの学校で一番怖い人なのかもしれない、そんなことを考えていると自分のクラスの教室に着いてあゆが自分を拘束していた手をほどいた。
「あんた、さっき話してた人が誰か分かってんの」
開口一番にあゆが溜息混じりに聞いてきた。
「うーん、誰かわかんなかったけど、なんだか怖い人だったな。もしかしてこの学校で有名なヤンキーなの?」
みるくが思ったままを口にすると、あゆはさらに深く溜息をついた。
「まさか知らないとはね。まあある意味怖い人ではあるけど、ヤンキーな訳ないでしょ。いい、みるく。よく聞きなさい」
あゆが真剣な目でこちらをじっと見つめてきた。
「あの人は黒木ひろ。うちらの学年でその名を知らない者はいない有名人だよ。あの絵に描いたような完璧容姿に加えて、成績は常に学年トップ、この間の運動会ではリレーのアンカーを努めた超人なの。あんた、もし私が今教える前に誰かにその話されたら知らないって答えてたでしょ。そうなったらその場にいる女子全員から目の敵にされてたわよ」
「ふーん、そんなに有名人な人なんだ。覚えとくね」
ほんと呑気なんだからと呆れ顔で言うあゆを横目に、みるくはひろの端正な顔を思い出していた。
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