3 / 5
Story2 かっこいいあの人
しおりを挟む
泉田みるくは親友の柳瀬あゆに手を引かれながら、頭に疑問符を浮かべていた。
あゆは先程自分と話していた男の子を見ると、血相を変えてみるくを引きずっていった。みるくにはその理由が分からなかった。
そういえば、みるくが彼にぶつかっていった後、彼はその整った眉をつり上げて怒っていたように思う。普段からぼーっとしてよく失敗をしでかし、周囲の大人が自分に対して何か言っているのをあゆに指摘されてようやく怒られているのだと認識するくらいには人の気持ちに鈍感な自分が感情を読み取れるくらいにはすごみがあった。
もしかしたらこの学校で一番怖い人なのかもしれない、そんなことを考えていると自分のクラスの教室に着いてあゆが自分を拘束していた手をほどいた。
「あんた、さっき話してた人が誰か分かってんの」
開口一番にあゆが溜息混じりに聞いてきた。
「うーん、誰かわかんなかったけど、なんだか怖い人だったな。もしかしてこの学校で有名なヤンキーなの?」
みるくが思ったままを口にすると、あゆはさらに深く溜息をついた。
「まさか知らないとはね。まあある意味怖い人ではあるけど、ヤンキーな訳ないでしょ。いい、みるく。よく聞きなさい」
あゆが真剣な目でこちらをじっと見つめてきた。
「あの人は黒木ひろ。うちらの学年でその名を知らない者はいない有名人だよ。あの絵に描いたような完璧容姿に加えて、成績は常に学年トップ、この間の運動会ではリレーのアンカーを努めた超人なの。あんた、もし私が今教える前に誰かにその話されたら知らないって答えてたでしょ。そうなったらその場にいる女子全員から目の敵にされてたわよ」
「ふーん、そんなに有名人な人なんだ。覚えとくね」
ほんと呑気なんだからと呆れ顔で言うあゆを横目に、みるくはひろの端正な顔を思い出していた。
あゆは先程自分と話していた男の子を見ると、血相を変えてみるくを引きずっていった。みるくにはその理由が分からなかった。
そういえば、みるくが彼にぶつかっていった後、彼はその整った眉をつり上げて怒っていたように思う。普段からぼーっとしてよく失敗をしでかし、周囲の大人が自分に対して何か言っているのをあゆに指摘されてようやく怒られているのだと認識するくらいには人の気持ちに鈍感な自分が感情を読み取れるくらいにはすごみがあった。
もしかしたらこの学校で一番怖い人なのかもしれない、そんなことを考えていると自分のクラスの教室に着いてあゆが自分を拘束していた手をほどいた。
「あんた、さっき話してた人が誰か分かってんの」
開口一番にあゆが溜息混じりに聞いてきた。
「うーん、誰かわかんなかったけど、なんだか怖い人だったな。もしかしてこの学校で有名なヤンキーなの?」
みるくが思ったままを口にすると、あゆはさらに深く溜息をついた。
「まさか知らないとはね。まあある意味怖い人ではあるけど、ヤンキーな訳ないでしょ。いい、みるく。よく聞きなさい」
あゆが真剣な目でこちらをじっと見つめてきた。
「あの人は黒木ひろ。うちらの学年でその名を知らない者はいない有名人だよ。あの絵に描いたような完璧容姿に加えて、成績は常に学年トップ、この間の運動会ではリレーのアンカーを努めた超人なの。あんた、もし私が今教える前に誰かにその話されたら知らないって答えてたでしょ。そうなったらその場にいる女子全員から目の敵にされてたわよ」
「ふーん、そんなに有名人な人なんだ。覚えとくね」
ほんと呑気なんだからと呆れ顔で言うあゆを横目に、みるくはひろの端正な顔を思い出していた。
0
あなたにおすすめの小説
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写と他もすべて架空です。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる