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コレットは自室でベッドに腰かけて待っていた。
ジルベールは果たして婚約者の見舞いにやってくるだろうか。
あれだけ釘を刺しておいて、それでも見舞いにすら来ない、ということは令嬢に対して無礼な話だ。彼がゲーム通りのヒロイン以外に限りなく冷淡な性格であれば、その気もない婚約者のわがままなど鼻で笑っていそうだし。
しばらくすると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「はい、どうぞ」
入室を許可すると、入ってきたのはジルベールだった。
彼はいつものように尊大な態度でコレットを見下ろす。
「具合はもう良いのか」
「はい。ご心配をおかけしました」
「そうか」
「あの、殿下……」
「何だ?」
「お忙しい中、お越しくださってありがとうございます」
「……」
コレットの言葉に、ジルベールは一瞬眉根を寄せたがすぐに平静を取り戻したようだ。
「……気にすることはない。お前は俺の婚約者だからな」
「まぁ、嬉しい」
「……」
コレットの媚びるような笑みにも、ジルベールは表情一つ変えない。
「殿下、よろしかったらお茶でもいかがですか?」
「結構だ」
「ですが、折角ですので」
「不要だといっているが? 」
「……そうですか。それではまたの機会に」
「……」
コレットはあくまでしおらしい態度を取った。
「……確かに、いままでこのようにあなたに甘えたことはありませんものね。戸惑われても仕方ないわ。けれど頭を打って、生死の境をさまよった時」
コレットはあえてまっすぐにジルベールを見つめる。
「殿下の顔が、思い浮かびましたの……、どうしてわたしは素直に自分の気持ちを伝えなかったのかしらって」
――少し大げさにしすぎたかしら?
コレットは内心でかぶりをふった。彼はゲームで泣いて追いすがるコレットを冷淡に突き飛ばした男だ。ヒロイン以外の愛情などゴミカスくらいにしか思っていないはず。
「……」
――ほら、ああして眉をしかめているわ。
コレットは確かな手ごたえを感じながら、自分の作戦がうまくいくことを祈った。
ジルベールは果たして婚約者の見舞いにやってくるだろうか。
あれだけ釘を刺しておいて、それでも見舞いにすら来ない、ということは令嬢に対して無礼な話だ。彼がゲーム通りのヒロイン以外に限りなく冷淡な性格であれば、その気もない婚約者のわがままなど鼻で笑っていそうだし。
しばらくすると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「はい、どうぞ」
入室を許可すると、入ってきたのはジルベールだった。
彼はいつものように尊大な態度でコレットを見下ろす。
「具合はもう良いのか」
「はい。ご心配をおかけしました」
「そうか」
「あの、殿下……」
「何だ?」
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「……」
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「……気にすることはない。お前は俺の婚約者だからな」
「まぁ、嬉しい」
「……」
コレットの媚びるような笑みにも、ジルベールは表情一つ変えない。
「殿下、よろしかったらお茶でもいかがですか?」
「結構だ」
「ですが、折角ですので」
「不要だといっているが? 」
「……そうですか。それではまたの機会に」
「……」
コレットはあくまでしおらしい態度を取った。
「……確かに、いままでこのようにあなたに甘えたことはありませんものね。戸惑われても仕方ないわ。けれど頭を打って、生死の境をさまよった時」
コレットはあえてまっすぐにジルベールを見つめる。
「殿下の顔が、思い浮かびましたの……、どうしてわたしは素直に自分の気持ちを伝えなかったのかしらって」
――少し大げさにしすぎたかしら?
コレットは内心でかぶりをふった。彼はゲームで泣いて追いすがるコレットを冷淡に突き飛ばした男だ。ヒロイン以外の愛情などゴミカスくらいにしか思っていないはず。
「……」
――ほら、ああして眉をしかめているわ。
コレットは確かな手ごたえを感じながら、自分の作戦がうまくいくことを祈った。
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