異世界でのんびり暮らしたい!?

日向墨虎

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第二章 幼少期~領地編

63.街までの調査

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 リヒト先生と馬のクロと一緒に、領主館から転移で飛んできた。
 ここは、クマ村長の村の隣村まで五キロほど手前の地点だ。
 ここからは、代官直轄の街まで、騎馬ところにより転移で向かう。

 この代官管轄の地は村の数も多くないし、ほとんどの村が街道沿いにあるため、見落とす心配はしていない。
 但し、転移は見られるとマズいので、街道からはずれないといけないかもしれないから、ちょっとジグザグに進む感じになるかなあと思う。
 結界を張って、見えないうちに飛べないんだろうか…?
 長距離転移の転移先には結界を張るんだから、転移元に結界を張っても良さそうじゃないかい?
 後で、リヒト先生に確認しておこう。


 騎馬のため、リヒト先生に持ち上げられてクロに跨り、先生が後ろに飛び乗った。
 クロによろしくね~って、首をポンポンしてたら、先生の合図で歩き出した。
 さてと、畑が見えてきたから農作物の観察と土壌の調査を始めよう。
 地下の帯水層と温泉の探査は、転移で到着した時に既に済ませている。
 村が見えたら、村の外から下水施設や汚物処理の調査をする。

 畑では村人が農作業をしているし、小さな子供たちの楽しそうな声も聞こえるから、この村では流行り病はないかな?飲み水は大丈夫そうかな?お腹をくだしていないかな?
 探査の結果、温泉はダメだったけれど、帯水層はあるから井戸は造るべきだなって思う。

 そこまで調査して、ちょっとホッとした。
 そして、そんな自分に苦笑いしていると、後ろから大きな手が頭をポンポンして離れていった。
 今度は、フフッて口元が緩んでしまう。

 村から離れてから、お爺様宛に報告書を書いて飛ばす。
 転移の応用でお手紙も飛ばせるようになったんだ。
 また、シュテファン先生に言われそうだけれども…。


 そうして、クロを走らせて次の村へ向かう。
 
 クロは凄く速い。口を開けていたら「あわわわわーーーっ」って閉まらなくなるくらい速い。
 だから、駈歩、襲歩の時は、自分のまわりを風魔法で覆わないといけないんだ。意地でも…。
 すごい悲惨な顔になってしまうようだし、自分の涎でデロデロになってしまうから…。

 村々の間の森にも<探索>魔法を広げながら進む。ゴブリンの巣は見つけ次第殲滅し、野獣の強い個体や魔獣は、森の浅い部分でなければマーカーだけつけておいて、これも報告する。

 
 そうやって、いくつかの村を通り過ぎ、転移で街道から離れている村も調査して、やっと代官直轄の街の石塀が見えてきた。

 石塀の高さから想像するに、この代官直轄の街は、あまり大きくはないようだ。
 まあ、周辺の農村を束ねてはいるが、代官管轄地を通る街道は商業の幹線街道ではなく、また距離的にも中途半端なため、管轄地内に宿場町として発展した街がない。だから、税収も農作物の物納が大半となっているようだ。
 なんか、税収ちょろまかしはそこらへんが関係してそうかも………。
 
 さて、検問の列の最後尾に並びましょうか。
 そう思ったタイミングピッタリに、リヒト先生がクロを列の最後尾につけた。

 
 

 
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