女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ

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ジャスパーに到着

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 ネフ村から北北西に位置する町『ジャスパー』に着いたのは、オスカーさん達と別れてから、2日目の昼を回った頃だった。

 十分に休養を摂っていた私たちは、進路上に出てくる魔物以外は目に入れず、まっすぐにジャスパーを目指した。

 と言っても強行軍という訳ではない。今までどおり、夜に食事を多めに作り、それを翌日以降の朝や昼に食べながら移動しただけだ。 

 オスカーさんと別れた日の夜は、ハクとライムの希望で大量のから揚げを揚げ続けた。

 楽しみにしていたから揚げを全て売ってしまって食べられなかった悔しさを、きちんと2度揚げをしておいしさにこだわることで昇華させると、食べた2匹が大喜びをしてしまい、その日の夜、翌日の朝、昼と3食続けてから揚げを食べ続けたことには、びっくりした…。




 レベルアップしていた複製は、また少し便利になっている。

 オークの複製は出来ないままだが、ワイルドボアの複製が出来るようになっていた。 ハーピーも複製できたので、贅沢さえ言わなければ、美味しく食べられる肉に困ることはなくなった。

 あと、バスケットに入れたり皿や鍋に入れたりして1つにまとめると、2種類の物を同時に複製できるようになっていた。りんごと木苺、醤油と酒、砂糖と蜂蜜などが1度で複製出来るようになると、組み合わせ次第で、1日に24種類までの複製が出来るようになったのだ。 お陰で持っている食品や調味料を安心して使える量に増やせた。

 ただ、1度に複製が出来る量が物によって決まっているようだったり、魔石は何にまとめても、1度に1個ずつしか複製できなかったりと、まだまだわからないことはいっぱいある。 これからも検証が必要だ。









「町に入る前に、することがあるにゃ。何かにゃ?」

 保護者モードのハクきょういくがかりの問いかけに、自信を持って答える。

「隠蔽の確認」

「なら、隠蔽をするために必要なのは何かにゃ?」

「ステータスを正確に把握しておくこと」

 答えながら急いで自分に鑑定を掛ける。


 名前 :アリス
 年齢 :16
 職業 :旅人
 レベル:9   → 12
 HP  :780  → 1,140
 MP  :2,300 → 3,200
 攻撃力:115  → 145
 防御力:460  → 490
 従魔 :ハク(神獣・守護獣)
     ライム(リッチスライム) 
 称号 :女神ビジューの加護を受けし者 女神ビジューの友人  
     神獣の主  異世界からの転移者 
 所持金:1,630,750メレ

 スキル
 身体能力向上   レベル4  
 剣術       レベル4
 魔力操作     レベル3  → 4           
 魔力感知     レベル5  
 鑑定       レベル5
 料理       レベル2  → 4
 回復       レベル5  (リカバー)
 薬師       レベル4  (診断)
 クリーン     レベル2  → 4
 ドライ      レベル2  New
 ウインドカッター レベル1  → 2

 特殊スキル
 インベントリ   レベルなし。容量無限。時間経過なし
          リスト機能・ソート機能あり
 マップ      レベル3  → 4
 複製       レベル2 5/5  → レベル3 8/8


「隠すのは<称号>とハクとライムの<種族>、<特殊スキル>の全て…、インベントリをアイテムボックスに偽装して残そうか」

「ステータスはそのままにゃ?」

「うん。使える能力を使わないのはもったいないからね。下手に隠すと不便でしょ」

「わかったにゃ。 …隠蔽できたにゃ♪ アイテムボックスのレベルは8にしておいたにゃ」

「ありがとう!」

 ライムも素直にハウスに移動してくれて、準備は完了。

「さあ! 行こう♪」

 どんな町だろう? 楽しみだ♪






「身分証を提示してください」

『ジャスパー』の町の入り口では、強面こわもての門番が、通行する人間の身分を確認していた。 時代劇などでよく見る『関所改め』のようだ。 身分証がないと通してもらえないかもしれない…。

「…持っていません」

「この町にはどういった目的で来られましたか?」

「<冒険者ギルド>の雰囲気が良かったら<登録>を。 そうでなかったら、買い物だけして、この先の『ラリマー』へ行こうと思っています」

 答えると、門番は10cm程の水晶玉を出してきた。

(この水晶は、犯罪者に反応するにゃ)

「この上に片手を置いてください」

 門番に言われる前にハクが説明をしてくれたので安心して手を置くと、水晶は白い光を発して、すぐに消えた。

「犯罪歴はないようですね。通行税を5,000メレ預かります」

 身分証がなくても、お金を払うと通してくれるらしい。 ネフ村で両方とも必要なかったのは、村と町の違いだろうか? 

「通行税は、あくまでもこの町を通る為の税です。10日以上滞在する時は滞在許可証を入手するか、再度、税を納めにここへ来てください。 
 この街のギルドで<冒険者登録>をすると通行税をお返しできるので、<冒険者カード>を持って、10日以内にこちらまで来てください。 <冒険者カード>を持っているとどこへ行っても通行税が免除されるので、登録をされるなら、この町でした方が得ですよ」

 強面に似合わず、優しい口調の親切な門番だった。

「ありがとう! 親切な門番さん!」

 にっこりと笑いながらお礼を言うと、門番もにっこり笑って言ってくれた。

「ようこそ、ジャスパーへ!」

 幸先さいさきいい感じ♪





 町に入るとマップが切り替わった。店や通りがマップに反映されている。 スキルのレベルアップの恩恵だ。

 俯瞰視点で自分がどこにいるのかもわかるので、道に迷う確率は格段に減った。

(先に<冒険者ギルド>へ行くにゃ?)

 ハクは<冒険者ギルド>に興味津々のようだ。

「先に買い物をすませるよ。 町の雰囲気も見ておきたいからね」

(おやつにゃ♪)

 鼻をひくひくさせているハクをなだめながら、まずは近くにある薬屋に入った。
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