女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ

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冒険者登録 1

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「改めて、こんばんは! 綺麗な受付さん。
 今日は、条件が合えばこのギルドで冒険者登録をしようと思って来てみたの。 
 このギルドでの依頼の傾向を教えてくれる? 私は単独ソロ…、従魔たちと行動するからパーティーに加入する気はないんだけど、受けられそうな依頼はあるかな?」

 新しく受付に付いた綺麗な女性に向かって問いかける。 とても丁寧な応対をしてくれるから、私も丁寧に話しかけたいんだけど……。これまでにみんなから受けたアドバイスを思い出して、頑張った。

 言葉は丁寧にならない様に崩して、でもこの受付さん相手に偉ぶりたいわけではないから物腰は柔らかく、でも(何故か)こちらの様子を見ている周りの冒険者たちに侮られない様に胸を張って……。とにかく頑張った!

 その頑張りが通じたのか、綺麗な受付さんは軽く目を見張ったあと、満面の笑みを浮かべて頷いた。

「もちろん! 単独ソロの冒険者が受けられる依頼もたくさんございます。
 そうですねぇ、このひと月の間に出たFランクの依頼は…、失礼ですが、成人されて……?」

 綺麗な受付さんが、少しだけ戸惑ったように私を見るので思わず笑ってしまう。やっぱりこの世界で今の私の容姿は若く(幼く?)見えるらしい。 

「成人して1年以上経ってるけど、別にGランクスタートでも構わないわよ?」

 年齢を証明できるものなんて持っていないから、今後のしこりを残さない為にGランク(未成年者)スタートでも構わないと思ったんだけど、受付さんは笑顔で首を横に振る。

 <冒険者登録>をするときに<冒険者カード>に実年齢(隠蔽スキルは通じない)が登録されるから、年齢を証明できなくても大丈夫らしい。 ただ、話をする上で前提が変わるから確認をしてくれただけだった。

 私が成人していることに安心したような微笑みを浮かべた受け付けさんは、Fランクやその上のEランクの依頼の傾向(主に採取で少しの討伐依頼)、大体の依頼料、低ランクでも受けられそうな常時依頼などだけでなく、冒険者活動や依頼受注における単独ソロのメリット、デメリットなども詳しく説明してくれた。

(討伐依頼の対象の魔物も弱いのばかりだから、この土地で登録しても大丈夫っぽいよね?)

(アリスならすぐにランクアップできそうにゃ♪)
(ありすならだいじょうぶ~!)

 ハクとライムの後押しもあるしここで<登録>しよう!と思った瞬間、最初に受付に座っていた彼女の姿が目の端に入った。 彼女は綺麗な受付さんに力づくで退かされた後、奥に座っていた男性職員さんに注意を受けていたんだけど……。仏頂面のままで受付に戻って来た。

 彼女の顔を見た瞬間、思わず、

「でもここで登録をしたら、❝彼女❞に受付をお願いする日もあるんだよね…?」

 心底嫌がる声音での呟きがこぼれてしまった。

(それはイヤだなぁ…。やっぱり他所の土地のギルドで登録しない?)

(僕もあの女は無いと思うのにゃ…)
(ぼくもあのひときらい)

 私の可愛い従魔たちも彼女を嫌っているし、ここでの登録は見合わせようか……。

「あなたがずっと受付にいてくれたらいいのにな……。 やっぱりここでの登録はやめ」
「費用が掛かってもよろしければ、ご希望に沿うことが可能です」

 勝手な願望を振り切って登録を止めると告げようとしたら、少しだけ躊躇いを見せながら綺麗な受付さんが微笑んだ。

「<冒険者ギルド>には❝担当者指名制度❞がございますので……」

 ❝担当者指名制度❞は初耳だなぁと思いながら聞いてみると、冒険者ギルドで受け取る全ての報酬の5%を支払うことで、自分の担当をしてもらう職員を指名することができるらしい。 

 もちろん職員さんにもお断りする権利があるから、必ず希望が叶うわけではないんだけど……。

「あなたが引き受けてくれるの?」

「私でよろしければ喜んで。ですが、登録したての冒険者の方には報酬の5%の支払いは優しいものではありませんが……」

 ギルドで受け取る全ての報酬の5%。 依頼達成の報酬だけではなく、素材の売買における買い取り金も対象になるし、指名依頼を受ける時の指名料も対象となるらしい。

 私にとっては報酬の5%と引き換えでも、嫌な人と関わらなくてもいいというのは魅力的な話だ。でも、

「低ランク冒険者の報酬からの5%なんて高が知れてると思うんだけど…。あなたにはメリットがないんじゃない? ❝彼女❞の不始末のお詫びのつもりなら、あなた個人が償うことではないと思うけど」

 お小遣いにもならない程度のお金で、担当冒険者が受付に来たらその時にしている業務を置いて受付に入ったり、冒険者の相談(受ける依頼のことや、依頼に関する魔物の情報集め)を受けることは、彼女にとってデメリットしかないと思う。

 私がそう言うと、受付さんは驚いたような顔で目をぱしぱしさせてから滲むように笑った。

「確かに現在私が担当させていただいているのはCランク以上の方たちだけですが……。
 今回は先行投資のつもりなのです。 早くランクアップして私にお小遣いを稼がせてくださいね!」

 彼女がそう言って笑った後、小さな声で呟くように言うのが聞こえた。

「その美しい容姿に頼ろうとしないあなたを応援したいの」

 ………えっと。女の私が<コンパニオン>にならずに単独ソロで活動しようとしているから、応援してくれるってことかな? だったら遠慮なく!

「お小遣いをたくさん稼がせてあげる! だから……、
 私の担当になってください」

 周りの視線が私に集まっているのはわかっていたけど、後半の言葉はちゃんと頭を下げて、きちんとお願いすることにした。 

 冒険者と職員は対等だよね? だったらこういう時にきちんと頭を下げるのは当然のことだよね!
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