女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ

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馬の賢さはどの世界も共通?

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 私たちとギルマス以外は馬車だったからのんびりした行程になるかと思っていたら、さすがは冒険者たちの集まり。

 森に近づくにつれてちらほら現れた魔物たちをあっという間に(ほとんどギルマスが)片付けて、休憩もそれほど必要とはしなかったので(休憩は馬の為)、普通の馬車での移動だと2日かかるところを1日半ほどの時間で森に到着することができた。








 森の入り口で、馬車に乗せていたそれぞれの荷物を背負うギルマス達を見ながら、私はスレイ達とこれからどうするかの相談をしている。

 ギルマスの乗って来た馬と馬車を引いていた馬はここで留守番の予定だから、私たちが戻るまでスレイ達に守ってもらおうかと思ったんだけど、

(我らは主のお側に!)
(一緒にお連れくださいまし!)

 2頭は私との同行を強く希望していた。

 今回は集団行動だから危険そうな場所があっても従魔部屋ハウスに入れてあげることは難しい。 危険だと説明しても2頭の気持ちは変わらず、ハクまでもが(みんな一緒に行くにゃ!)と主張する。

 だったら同行者の意見を聞いてみよう、と振り返ってみると、

「スレイプニル達に殿しんがりを任せたいんだがどうだ?」

 みんなの中ではすでにスレイプニルうちのこありきの編成になっていた。

「連れて行っても良いの? 他の馬は留守番なのに」

 他の馬が魔物に襲われたらどうするのかという疑問も一緒にぶつけてみると、一瞬だけ目を丸くしたサブマスが「宿以外の場所で、従魔たちを主人から離そうとするバカはいない」と笑い出す。

 ❝従魔❞と言っても魔物には違いなく、テイマーである主人から離された従魔は危険だというのはこの世界の常識らしい。

 留守番をさせる馬たちについても、ギルマスの馬はもちろん馬車を引いていたギルドの馬もとても賢い仔たちで、手綱や鞍などを外して自由にしておくと、魔物の気配がしたら逃げるし、逃げてもここまで戻ってくるから大丈夫とのことだった。

 遠くに逃げ過ぎてこの場所がわからなくなったら街へ戻ることもあるし、そのまま戻ってこないこともあるが、それはそれで❝仕方がない❞ことらしい。 

 愛馬の鼻を優しく撫でながら「たとえもう会えなくなったとしても、魔物の食料になるよりはずっといいよな~。いざとなったら全力で逃げろよ~」と話しかけているギルマスに、ハクが優しい視線を向けている。

(慰謝料代わりのお買い物代金、少し手加減してあげようか?)

(それとこれとは話が別にゃ! そんなことを言っていると----------------)

 は状況とビーチェの説明が悪すぎただけだから、ちょっとくらい情状を酌量してもいいかと思ったんだけど……。 

 頭の上に乗っかっているハクから、おでこを肉きゅうでぱしぱしと叩かれながらのお説教をいただくことになった……。 うん、わかった。もう言わない! ちゃんと反省してるから、同じ場所を叩き続けるのは勘弁してください!

 結構痛いんだよ? 肉きゅうパンチ……。










 ❝ドカッ!!❞
「ヒヒーン!(目障りである!)」

「ブルルルルッ!(おどきなさい、無礼者っ!)」
 ❝バキッ!!❞

「はっくりょく~♪」
「やるなぁ!」
「スレイプニルの戦いって、こんなに合理的なんですね……!」

 本来なら半日とかからずに森まで移動できたスレイプニルスレイとニールには、馬車の速度に合わせた移動はストレスを感じさせるものだったらしく、森で魔物を見た途端に揃って((我らに戦闘の許可を!))と訴えられた。

 その時の魔物は先頭にいたギルマスがちゃちゃっと倒してしまったんだけど、あまりにもがっかりした様子のスレイ達を見かねてみんなに相談し、素材としては価値の低い(魔石が無事なら後はどうでもいい)ゴブリンの退治をスレイとニールに任せてもらうことにした。

(ちゃんと頭への1撃で倒せるようになったのにゃ! 偉いのにゃ!)

(お褒めいただき光栄です、ハク兄上!)
(お褒めいただき光栄です、ハク兄さま!)

 ハクに褒められて嬉しそうな2頭を微笑ましそうに眺めながら、ギルマスがゴブリンたちから魔石と討伐証明部位の右耳を回収してくれる。 ……右耳が無事で良かった!

「は~い、【クリーン・トリプル】!」

 ギルマスが立ち上がったのを機にスレイ達とギルマスに【クリーン】の魔法を飛ばすと、それぞれが感謝を伝えてくれるので微笑みを返しておく。 

 うちの仔たちを綺麗にしてあげるのは私の権利だし、臭~いゴブリンからの素材回収を引き受けてくれたギルマスへの感謝の気持ちだからもちろん無料。 その件についてはハクも文句を言わないのでとっても平和だ。ゴブリンの臭いはハクにとっては拷問だからね~。

 今回の行動は臨時のパーティー扱いになっていて、誰が倒しても報酬は分配されるので、目に付いた魔物を安心して倒すことができる。 

 と言っても、後方以外から襲って来る魔物以外はほとんどギルマスが1人で倒しているので、私は後方からくるゴブリン以外の魔物を倒すだけなんだけどね。











(大丈夫なのにゃ?)
(ありす、だいじょうぶ?)

(うん、大丈夫だよ)

 フランカたちのお墓に近づくにつれて口数が減っていく私を心配してくれるハクとライムに笑いかけると、振り返って私を見ていたギルマスも安心したように前を向いた。

 ……こんなに細やかな気配りができる人なんだと改めて感心する。 ギルマスの地位は伊達じゃないんだね。

 他のメンバーもそれとなく私を観察しているのがわかる。 ……最初は❝観察❞だけだったんだけど、そこに心配の色が見え隠れし始めたのはいつ頃だったかな? そんなにひどい表情かおをしているつもりはないんだけど。

 街に戻ったら鏡を買おう!と脳内の買い物リストに記入しながら案内を続け、

「ここがゴブリンの巣だったところ。 フランカたちのお墓はもう少し向こうだけど、どうする?」

 2度と来るつもりのなかった、ゴブリンの巣穴コロニーにたどり着いた。
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