女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ

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うちの従魔たちの優しさは特別!

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「とりあえずメシだな」

「えっ? 先に食べるんですか? 私吐いちゃうかも……っ!」

「全てが終わってからでもいいが、食欲が残っているかどうかまでは知らんぞ?」

「……今でいいです」

 ギルマスの提案とギルド職員さんの希望が合致したので、ここで軽い食事をすることになった。

 うちの仔たちもお腹を空かせているのでちょうどいい。

 いつものように敷物を出してテーブル代わりの天板を置き、ハクとライムにはマッシュポテトオムレツと野菜のサンドイッチ・レンズ豆のトマト煮・塊オーク肉がゴロゴロ入ったスープを、スレイとニールにはカットした野菜や果物と水を用意してあげると、それまで黙っていたハクが、

(アリスも食べるのにゃ!)

 オーク肉のスープが入ったお皿を私の前に移動させる。 それと同時に、

(ありすといっしょがおいしいの)

 ライムもマッシュポテトオムレツと野菜のサンドイッチの乗ったお皿を私の前に移動させた。

 自分たちの好物を迷いなく私の前に移動させる2匹に、(後で食べるから大丈夫)と言おうとして……、言葉を飲み込んだ。

 ほんの一瞬だけど、ハクが泣きだしそうな表情かおをしたように見えたから。

 可愛い従魔たちにそこまで心配をかけて、平気な主人なんていないよね。

(うん。一緒に食べよう)

 ハクとライムがこちらに移動してくれたお皿はそのまま、2匹には新しいお皿を用意して微笑みかける。

 フランカのことを想うと胸がつかえてしまうけど、今はその気持ちに蓋をして、❝食前の挨拶❞待ちをしている可愛い従魔たちに意識を向けた。









 ❝いただきます❞の挨拶をしようとして、こちらに視線が集まっていることに気が付いた。

 うっかりしていたけど、今日は私たちだけではないんだ。ギルマス達を待たせてしまったかと焦りながら視線をむけると、………食事の支度もそこそこに、みんなが揃って❝ポカン❞とした顔でこちらを見ている。

「食事にしないの?」

 うちの仔たちが❝おあずけ❞状態だから早く支度して欲しい。でないと先に食べちゃうよ?と視線で催促すると、

「主人に食べ物を譲ろうとしてた……? 可愛いっ! あんな従魔私も欲しい!」
「うん、可愛い……って言うより! あれが従魔の餌!? うちらよりも豪華だよっ」
「アイテムボックスから取り出した料理から湯気が立つなんて……。 アイテムボックスのレベルもだけど、どれだけ魔力を割いたらあんなことできるのっ?」

 一斉に騒ぎ出した。

 ……ごはんが冷めるから、騒ぐ前に支度して欲しいなぁ。 そんな私たちの気持ちが通じたのか、

「先に食え」
「もう支度が出来ているなら、わたしたちのことは構わず先に食べるといい。臨時のパーティーといっても、食事などは個々の責任の範囲だからね」

 ギルマス達が食事を促してくれたので、その言葉に遠慮なく甘えさせてもらうことにした。










(今日もアリスのごはんはおいしいのにゃ♪)
(ありすのごはんはいつもおいしいの♪)

(ふふっ、ありがとう!  ……スレイとニールには干し草を用意してなくてごめんね? 街に戻ったらちゃんと買っておくから!)

(草などその辺にたくさん生えておりますわ。 それなのにこんなにたくさんの果物をいただけるなんて!)
(我らは馬型の魔物でありますが、馬ではありませぬゆえ干し草はそれほど好みませぬ。 こんなにたくさんの野菜もいただけて嬉しい限り!)

 スレイプニルうま用の干し草を買うのを忘れていて慌てたんだけど、スレイとニールは気にした風もなく、嬉々として果物と野菜をいれた盥に顔を突っ込んでいる。 

 1つの盥に2頭が仲良く顔を突っ込んでいる姿はとても可愛らしくて、和むな~。

 食欲があまりなかった私だけど、従魔たちみんながおいしそうに食べてくれるのが嬉しくて、楽しく食事を進めることができた。

「桃にベリーに葡萄にりんごがあんなに! 一食でいくらの餌代をかけてるの!?」
「あの桃ってこの森のでしょ? あんな高級品が従魔の餌!?」
「あの一角だけみていると、ここが森の中だということを忘れるな」
「くくっ…。面白いとは思っていたけど、本当に面白い人材がうちに身を寄せたもんだねぇ」
「おい、あのちっこいののどこにあれだけの食い物が入っていくんだ……?」

 もちろん、ギャラリーの声はスルーする。

 最後のコメントにだけは、激しく同意だけどね!
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