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第3章 墓場とラーメン
3.突撃取材
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『美味そうな香りじゃの』
神様は迷いなく屋台の前に置かれた椅子に腰掛けると、主人らしき黒コートに話し掛けた。
(この人に、神様の姿は見えているのだろうか……。まあ、きっと彼も人間じゃないんだろうから大丈夫か。いや、大丈夫じゃない)
色々な角度から心配する私を他所に、神様はカウンターを覗き込んで続けた。
『ラーメンは一種類だけかの?』
黒コートは静かに頷いた。やはり神様の事はちゃんと見えているらしい。だとすると、彼は一体何者なのだろうか。
『じゃ、二杯頼む』
『ちょちょ、ちょっと!』
私は慌てて神様の隣に座って、耳打ちした。
『まだ宵山も来てないですし、勝手に頼んじゃダメですよ!』
『アイツはここには来られんと思うぞ。待ってても仕方ないから、食ってしまおう』
『え、来られないって……?』
私は、そういえば宵山に霊園内に移動した事を伝えていなかったと気付き、急いで携帯を取り出して電話を掛ける。
そして、聞こえてきた音声に思わず声が出てしまった。
『電波が……?』
画面を確認すると圏外とある。
確かに田舎ではあるが、山奥という訳でもない。流石に電波が全く無い筈はないのだが。
『さっさと食って戻ればよかろー。ほれほれ、取材もせんと』
神様に促されて、私はまだ混乱しながらも地図とペンを取り出した。
神様は迷いなく屋台の前に置かれた椅子に腰掛けると、主人らしき黒コートに話し掛けた。
(この人に、神様の姿は見えているのだろうか……。まあ、きっと彼も人間じゃないんだろうから大丈夫か。いや、大丈夫じゃない)
色々な角度から心配する私を他所に、神様はカウンターを覗き込んで続けた。
『ラーメンは一種類だけかの?』
黒コートは静かに頷いた。やはり神様の事はちゃんと見えているらしい。だとすると、彼は一体何者なのだろうか。
『じゃ、二杯頼む』
『ちょちょ、ちょっと!』
私は慌てて神様の隣に座って、耳打ちした。
『まだ宵山も来てないですし、勝手に頼んじゃダメですよ!』
『アイツはここには来られんと思うぞ。待ってても仕方ないから、食ってしまおう』
『え、来られないって……?』
私は、そういえば宵山に霊園内に移動した事を伝えていなかったと気付き、急いで携帯を取り出して電話を掛ける。
そして、聞こえてきた音声に思わず声が出てしまった。
『電波が……?』
画面を確認すると圏外とある。
確かに田舎ではあるが、山奥という訳でもない。流石に電波が全く無い筈はないのだが。
『さっさと食って戻ればよかろー。ほれほれ、取材もせんと』
神様に促されて、私はまだ混乱しながらも地図とペンを取り出した。
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