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第4章 お祭りクレープとカルボナーラ

4.みんなでお祭り

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 こむぎは会話に飽きたのか、畳の上でコロコロと寝返りを打って遊んでいたが、私の視線を感じたのかぴょいと飛び起きると片手を上げて宣言した。

『こむいも、くー!』

 こむぎも行くと言いたいらしい。

『……じゃあ、真白さんがOKしてくれたら皆んなで行きましょう。でも、断られたらやっぱり私一人で取材に行きます。こむぎを危険な目には合わせられませんから』

 私はそう言うと、例の巻物を持ってきた。巻物に向かって事情を説明し、ふうと息を吹き掛ける。
 返事は直ぐに返ってきた。

「お祭りですか面白そうですね。人間としてお祭りを体験した事はまだ無いので、是非ご一緒したいです!」

『ほーれ、これで決まりじゃの!』

 神様は巻物を覗き込んで勝ち誇る。

『そーですねぇ……まあ、真白さんが居れば大丈夫ですかね』

『あのさ、夏也……』

 シュンが言い難そうに続けた。

『……奏汰も誘っちゃダメ?』

 シュンが自分から何かをねだる事はとても珍しい。私は少し考え込む。

(友達と夏祭りに出掛けたい気持ちは良く分かる……奏汰ならこむぎの事も既に知っているし、シュンを取材場所に連れて行くより、取材の間一緒にお祭りを楽しんで貰っていた方が安全かもしれないな……)

『うん、いいよ。でもそうすると、私が取材している間、シュン達を見てて貰える大人がもう一人くらい居ると安心だけど……』

(私は更にぐるりと考えを巡らせた。神様やシュンの存在について知っている大人の人間……)

 そんな人は一人くらいしか思いつかなかった。
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