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「でさ、その千夏さんのこと春也は好きなの?」


臣がお酒を片手に春也に聞く
聞きたくない、聞きたくない


「めちゃくちゃ好き」

「うわっ」

「どうしたの?千秋先輩?
春也が恋してるのそんなにキモかった??」


「ち、違う!違くて!!
でも学部とかは聞いてるの……?」


「聞いてないけど、知り合いに何とか探して見せるわ
秘密とか言われたけど…」
 

これは大変なことになりそうだ…
春也の人脈なら僕のサークルの人と繋がってそうだし、詳しく聞かれたらバレちゃうかも…


「じゃ、じゃあ探さないほうがいいんじゃない?」


「絶対見つける
もう運命にしか感じねえもん」


春也は僕の方を見つめて指をさすけど、臣がその指を掴む


「なんで千秋先輩指差してるん?」

「やあ、マジで付き合いたいわ」


春也は珍しく酔いが回ってきたのか僕の方に近づいてくる

確かにもうテーブルの上が春也と臣が飲んだお酒の缶でいっぱいになってるからかこれは酔ってもおかしくない


「千秋、膝」

「え??何膝って…」



僕の腕を引くと春也は膝の上に寝転んでこようとした
その瞬間、臣が立ち上がり春也の胸あたりに足を振りかざそうとしたためその足を掴んでとめる


「ちょ、ちょっと臣!!
流石の春也も怪我しちゃう!!」

「ん??怪我させようとしたから大丈夫だよ??」


臣はしゃがみ込んで僕の頬を強めに掴んで引き寄せるとそのまま唇を重ねる


「んっ…臣っ」


唇を舌先で舐められて唇の隙間を少し開くと臣の下が口内に入ってくる


「んんっ…んぅっ」

「えっろ」

臣が僕の服の隙間から手を入れてきたためその手を押さえる


「何?」

「は、春也がいるから」


それを聞きながらも臣は無視して手を突っ込んでくる

「だめっ!」


臣の腕をバシッと叩くと不機嫌そうな顔をして僕の膝の上で寝転がる春也を指差す
その顔を見てみると目を閉じてぐっすり眠っていた


「邪魔」


臣は春也の頭を横にずらして膝から下ろすと、次は臣が僕の膝に寝転がる


「人のもんに触んなっつうの」

臣が春也の額を叩くとなぜか春也は口元に笑みを浮かべた


「千夏さん…」


強烈な三角関係が出来てしまったようです…
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