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誕生日(高校時代)

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臣side


誕生日なんてクソ喰らえ
毎年そんなことを思う


「ねえ、臣の誕生日っていつなの?
みんなでお祝いしようよ~」


休み時間、後ろの席に座る友達と話しているとクラスの女子数人が俺の机を取り囲む


「秘密~」


「えー!なんでよ!
教えて!」


「無理、教えない~
俺は恋人ちゃんにしか誕生日教えてあげない主義なの」
 

「何それ!ねえ、教えて」


今まで誕生日は何回も聞かれたことがあるけど答えたことない

恋人にだけ教えるなんて言ったけどもちろん嘘
今までの恋人にも聞かれたことあるけど教えたことなんてなかった

なんでかって聞かれたら、俺にとって誕生日は最悪な日だから



思い出される幼い頃の記憶


「臣、ごめんね…
お母さんもう限界みたい…」


「このガキだけ残していきやがってあの女!!」


「なんでうちが引き取らないといけないの」


「産んだ奴が責任取るべきだろ
おい、お前も出て行ってもいいんだぞ」


誕生日の日には誕生を祝うものではなく生まれたことを否定するような言葉を受けた


母親が誕生日に家を出ていった


「死ねっ!!!あの女!!!
クソガキだけ押し付けやがって」


俺の父親は母親によく暴力を振るい暴言を吐いていた
母親を殴るのに飽きると幼い俺に対して暴力を振るった


出て行かれて当然だ


けど、まさか自分まで置いてかれると思ってなかった俺は母親が俺を迎えにきてくれると信じて親父に殴られても暴言吐かれてもひたすら我慢し続けた


いつかは母さんが迎えにきてくる
玄関の前に座り込んで待ち続けたけど帰ってくるのは酒や女を持ってくる父親だけ


母親はいつまで経っても迎えに来なかった


「おい、クソガキ
そこで待ってもあの女は来ねえよ
お前は母親に捨てられたんだよ
可哀想になあ」


「やめなよお
可哀想じゃん」


どこから連れてきたのかわからない香水くさい女が親父と共に笑う

ろくに食事も与えられず、いざ2人が致すとなると寒空だろうと外に出される




そんな日が続き次の年の誕生日 

また記憶に刻まれるような嫌なことは起きた




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