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しおりを挟む「山岡千秋先輩は女抱きたい時あるんですか??」
わざとらしく敬語で話しかけてくる
臣は僕の方を突き刺すような鋭い視線を向けて質問してくる
これであるなんて言ったら僕はどうなってしまうんだろう
今でさえ、視線だけで殺されてしまいそうだ
けどここで抱く気がないなんて言うのもどこかおかしい
ここにいる人達は基本女の子大好きなわけでここで抱く気がないというのも空気が読めないというものじゃ…
きっと臣も僕のこの気持ちを理解してくれるはず
少し誤魔化すような言い方をした
「とりあえずい、今はないかな」
「はあ??何て??」
「だから今は…」
「だからその今はって何??」
臣は僕の言葉を聞いた途端、あからさまな怒りの表情を浮かべて眉間に皺を寄せる
「ちょ、臣くん質問攻めやめてあげな」
立ち上がり僕に詰め寄ってくる臣
それを見た誠がやる気のなさそうに壁に背を預けながらやんわりと臣の片足を掴んで止める
臣は足を引き摺りながら、僕の首元に腕を回し自分の方に引き寄せると、そのまま臣の胸元に手をつくような形になった
「いつかは女抱きたいなんて甘い考え持ってんの?」
「いえ…持ってません…」
「うわ、可哀想
なんで女抱かない宣言なんてさせんてんの」
誠は臣に落ち着けとでも言うように、服の裾を指で引っ張って座るように促す
臣が仕方なくと言った様子で、誠の隣に座り直すと、誠が臣の頭を乱暴に撫でた
「何も熱くなることないっしょ」
「…」
やっぱり違和感だ
2人ってこんなに距離感近かったっけ?
「で、千秋さんは帰りたいんだから帰らしてあげな」
「…わかった」
え?帰っていいの?
自分から帰るなんて言ったくせして、止めてほしいって気持ちが出てくる
でも、友達がいると言われながらの勝手に来たのは僕で…
それになんだか浮いた存在になってるし…
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