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しおりを挟む「あ、えっと…」
次は何をされるんだ…
さっきから白金さんの行動が全く読めない
白金さんは僕の背中に両腕を回したと思うと、背骨が折れそうな力で僕を強抱きしめた
「ぐゔっ!」
そういう拷問に切り替えたのか?!
余りに強い力であったため、その苦しさから声が出てしまった
「あ、ごめん」
白金さんは微笑みを浮かべて力を緩めると、僕の背中を一度ポンと叩き、次は包み込むように優しく抱きしめた
「ちぃ、久しぶり」
ちぃ??何だか懐かしい響きだ
小さい頃、両親や友達から呼ばれていたあだ名ではあるけど…
でも、何でこの白金さんがその呼び方を知っているんだ
白金さんは僕の頬に両手を添える
「ちぃ、律だよ
覚えてる?」
「律……???」
自分の頭の中の記憶を必死に辿っていくと、ある男の子の姿が僕の脳内に映し出された
「律って、もしかして……りっくん???!?」
ぼやけていた脳内のイメージが鮮明に映る
小さい頃、弟3人でよく遊んでいたりっくんだ
父親がイギリス人と日本人の母親の間に生まれたりっくんは、小さい頃から天使みたいに可愛かった
お互いの家を行き来する程仲良くなり、りっくんのお父さんは英語しか話せないため、簡単な英語で話しかけてくる
そのため弟と頑張って英語を勉強しようとしていたのもいい思い出だ
だけど、僕が小学5年生の時に父親のイギリス転勤を理由にりっくんは引っ越すことになり、それからは手紙でやり取りをしていたけど、しばらく経つとその連絡も途絶えてしまった
もう会えないだろうなんて思っていたけど、それがまさかこんなところで再会するなんて…
応援ありがとうございます!
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