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しおりを挟む周りに立たされていた男達も僕の女装姿の写真を見て、口元に笑みを浮かべた
「うっわ、可愛いー
この子誰??」
わざとらしく声を上げる同級生の高橋の肩を左右に揺らす
「私の友達なんですよ~
可愛いですよね~
これで彼氏いる気配ないんですよ?
すごくないですか??」
「え~まじかあ
千秋もこの子いいと思わね?
俺狙っちゃおうかなあ」
調子に乗って、そんなことを言い出す高橋を今すぐにでも怒鳴りつけたい気持ちになるけど手を握りしめて抑える
後で覚えとけという気持ちで睨みつけるけど、そんなこと気にすることもなく僕から顔を逸らして女子達の会話に参加する
「律先輩どうですか?
この子」
りっくんは口元に笑みを浮かべて、女子達の方を見る
「めちゃくちゃ可愛いね
会ってみたい」
まさかの言葉にその場にいた全員が言葉を詰まらせる
好きな人いるんじゃないの??一途ぽく見せて、意外とりっくんは惚れっぽい性格とか??
「え?…俺変なこと言った…??だったらごめん」
眉を下げながら、周りの表情を伺うりっくんに女子達は席から立ち上がって"そんなことないです!"と一斉に声を上げる
一体何なんだ
この団結力は…
けど、もちろん会うことなんてできない
だってその写真に写っているのは僕なのだから
それにもうあんな格好は恥ずかしくて一生しないと、あの時心に誓ったんだから
女子達は顔を見合わせて何やらコソコソ話している
「律先輩!」
「ん?」
「私よかったら紹介しますよ!」
「は?!?!」
その場に響き渡るくらいのでかい声をあげてしまう
「どうしたんだよ、千秋~
お前ももしかしてこの子狙ってたの??」
「ち、違うけど
どうやって……」
「どうやってって、この場に連れてくるんですよ~
何言ってるんですか~」
ニヤニヤしながら振り返って僕を見てくる女子達
何を言ってるんですかはこっちのセリフだ
この場に連れてこれるものならしてみたらいいよ
そんな挑戦的な態度で僕は彼女達を見る
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