上 下
155 / 256

31

しおりを挟む


周りに立たされていた男達も僕の女装姿の写真を見て、口元に笑みを浮かべた


「うっわ、可愛いー
この子誰??」


わざとらしく声を上げる同級生の高橋の肩を左右に揺らす


「私の友達なんですよ~
可愛いですよね~
これで彼氏いる気配ないんですよ?
すごくないですか??」


「え~まじかあ
千秋もこの子いいと思わね?
俺狙っちゃおうかなあ」


調子に乗って、そんなことを言い出す高橋を今すぐにでも怒鳴りつけたい気持ちになるけど手を握りしめて抑える


後で覚えとけという気持ちで睨みつけるけど、そんなこと気にすることもなく僕から顔を逸らして女子達の会話に参加する


「律先輩どうですか?
この子」


りっくんは口元に笑みを浮かべて、女子達の方を見る


「めちゃくちゃ可愛いね
会ってみたい」


まさかの言葉にその場にいた全員が言葉を詰まらせる
好きな人いるんじゃないの??一途ぽく見せて、意外とりっくんは惚れっぽい性格とか??


「え?…俺変なこと言った…??だったらごめん」


眉を下げながら、周りの表情を伺うりっくんに女子達は席から立ち上がって"そんなことないです!"と一斉に声を上げる

一体何なんだ
この団結力は…


けど、もちろん会うことなんてできない
だってその写真に写っているのは僕なのだから

それにもうあんな格好は恥ずかしくて一生しないと、あの時心に誓ったんだから
女子達は顔を見合わせて何やらコソコソ話している


「律先輩!」


「ん?」


「私よかったら紹介しますよ!」


「は?!?!」


その場に響き渡るくらいのでかい声をあげてしまう


「どうしたんだよ、千秋~
お前ももしかしてこの子狙ってたの??」


「ち、違うけど
どうやって……」


「どうやってって、この場に連れてくるんですよ~
何言ってるんですか~」


ニヤニヤしながら振り返って僕を見てくる女子達
何を言ってるんですかはこっちのセリフだ 
この場に連れてこれるものならしてみたらいいよ

そんな挑戦的な態度で僕は彼女達を見る









しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,462pt お気に入り:1,130

不撓不屈

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:1,292pt お気に入り:1

オレはゲイじゃない

Rei
BL / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:10

男女比崩壊世界で逆ハーレムを

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:319pt お気に入り:348

憂鬱喫茶

ホラー / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:0

悪の組織の一番の嫌われ者のパートだ

青春 / 連載中 24h.ポイント:482pt お気に入り:17

川と海をまたにかけて

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:49pt お気に入り:0

祭囃子と森の動物たち

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:142pt お気に入り:1

処理中です...