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しおりを挟む僕の強気な視線に気づいた女子達は僕の隣に立つと、両腕を拘束する
僕の背後にも女子が2人立っていて、4人体制で囲まれている
「山岡先輩
この人と仲良いですよね??
その子と会う約束できたんで一緒に行きましょう!」
「え?!嫌だ!!
何で勝手に!!
知らない人!!僕は絶対その人知らない!!」
「ええ、そんなつまらない嘘つかないでくださいよ~」
僕は彼女達が何をしようとしているのか想像がついてきたため、りっくんに目で必死に助けを求める
けど、りっくんは僕の助けを求める視線に気づかないのか
陽気に手を振っている
手を振るんじゃなくて、助けてほしいのに!!
女子達は黄色い声を上げながら、手を振りかえして、僕を部屋の外へと連行していった
そして、数十分後
見事に女装姿に変えられて戻ってきた
ワンピースの裾を抑えながら、モジモジとしている僕を強引に部屋の前に連れてこられる
「ぜ、絶対許さない…
こんなのいじめだ…」
涙目になりながら、僕を囲む女子達を睨みつけても、そんな攻撃が効くような人たちではない
「行かないから!!
絶対行かないから!!」
「なんで!?
ここまできたのに!!
私たちがどれだけ可愛くしてあげたいと思ってるんですか?!逆にお金もらいたいくらいなんですけど?!」
反抗したつもりが逆に返り討ちにされてしまい
目元に溜まった涙がぽろりと流れそうになる
こんな理不尽なことあっていいのか…
今までしたこともなかった女装をここ最近で2回もさせられるなんて…
こんな趣味を語った覚えは一切ない
「ほら、入りますよ!」
「ヤダヤダヤダヤダ!!!」
「山岡先輩!往生際悪いですね!
早く入りますよ!!」
1人が扉を開けると、3人で僕の背中を押してくるため抵抗できず、部屋の中へと入ってしまう
りっくんを含め、部屋の中にいた全員の視線が僕へと集まった
サークルの人が僕だと知っていたとしてもやっぱり恥ずかしい
りっくんの方を一瞬だけ見ると、こちらをじっと見つめていた
その眼差しに耐えられずに目を逸らす
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