【R18】平凡な男子が女好きのモテ男に告白したら…

33

　　

「律先輩どうですか！！
この子千夏ちゃんっていうんですけど！」

もう言われることなんてないと思っていたこの名前
まさか幼馴染の前で再度呼ばれることになるなんて考えもしなかった

りっくんは口元を片手で塞ぎながら、目を丸くして僕を見ている

「~~」


りっくんが何かを言ったような感じがするけど、声が小さかったためか、あるいは日本語を話していなかったのか聞き取れなかった


席を立つと、僕の目の前へと立つ
りっくんとの身長差なんて気にしてなかっけど、今になるとなんだか女の子の気持ちがわかる気がする


「初めまして」


した俯く僕に対して、顔を覗き込むようにして話しかけてくる
僕たちの姿に周りがゴクリと固唾を飲んだ音が聞こえた

こうなったら僕も千夏としての演技を続けなければならないのか


「は、は、初めまして」


緊張で声が上擦りすぎて、変な声になってしまう


「俺、律って言います」


「り、りり律くん
初めましてっ…千夏です…」


「もしかして…緊張してます？」


りっくんは甘い笑みを浮かべると、僕の顔にかかった髪の毛を指先で耳元にかける


「顔がはっきり見えるともっと可愛い」


「「「キャーーー！！！」」」


女子達がりっくんの言葉に黄色い声を上げて、目に血筋を立てながら僕達の様子を見ている
まるで、闘牛のような目だ