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しおりを挟む「耳真っ赤ですね?
やっぱり緊張してますか?」
「いゃぃっ!!」
りっくんが突然、指先で僕の耳を摘むから変な声が出てしまい
慌てて口を手で塞ぐ
「ごめんね
俺、距離感がうまく掴めなくて」
「あ、いえ…大丈夫…なんですけど」
両手で耳を押さえながらりっくんから目を逸らして答える
僕達の様子を好機の目で見てくる女子達を睨みつけても、無視して僕達2人の写真をコソコソと撮っている
"やめて"と必死に口を動かしても彼女達に届くことはない
「千夏さん、あの…」
「ひゃいっ!!」
りっくんが突然耳元で話しかけてくるから、吐息を耳に感じてまたもや変なリアクションをとってしまった
「あ、またごめんね…」
「いえ!少し…びっくりしだけで」
「あのさ、千夏さん…」
周りには聞こえないくらいの声でりっくんは話しかけてくる
「はい?」
「良かったらこの後、2人で話しませんか?」
りっくんの顔を見てみると、陶器のような綺麗な肌がほんのりとピンクにそまっていて、その表情は色気を感じさせる
突然のお誘いに戸惑ってしまい、中々言葉が出てこない
「あ…えっ…」
「こんな誘い突然されたら怖いですよね…すいません」
申し訳なさそうに眉を下げる姿をみると、なんだか捨てられた子犬のようで断ることに対して心が痛んでくる
「あ、あの…大丈夫です!
少しだけなら」
「本当?ありがとう!」
りっくんは笑顔を浮かべて、僕の頬に顔を寄せてきたため、まさかと思い距離を取る
え?!今僕にまたキスしようとした?!
「千夏さん、また警戒させちゃったね
じゃあ俺少しだけ用事があるからまた後で会おう
校舎近くで待ってる」
僕に近づくと、今度は僕の額にチュッと可愛らしい音を立ててキスをして、部屋を後にした
再度、女子達の悲鳴のような黄色い声が上がった
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