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しおりを挟む「なになに、俺無関係だから
臣に漫画返しに来ただけ
変なことに巻き込まないで
俺、修羅場は傍観して楽しむ派だから」
「この場に居合わせたからには付き合えよ」
遠くから見てもわかるほど僕たちから険悪な空気が伝わっていたよう
眉を寄せて迷惑そうな顔をした誠が僕たちの目の前に連れてこられるも、僕と臣の間で沈黙が流れている
「なにこの空気
お前なんかしたの?」
春也の肩を肘でトントンと突く
「俺じゃないから、この状況察して」
「ああ~なるほどね臣がいい女紹介してくれるって約束したのに、自分が召し上がったとかいう話?
そういうのよく聞くわ、やめた方がいいよ、災の元になるから」
誠が人差し指と中指を顎にあてて、僕たちを交互に見た後、臣にジト目をむける
この場を早く切り抜けるたいのか、話を聞かずに臣を悪者にする
いつもは口数が少ないのにこんな時だけ饒舌になるのはどう言うことだろう
「臣が千秋さんに女紹介し忘れたべ?
それはダメでしょ、約束したんだから
約束守れない奴は友達減るよ?ね、千秋さん?」
臣に向けられる鋭い瞳を見ないように、誠は臣に背を向ける
「お前この状況でよくそれ言えるね?」
「え、違うの?」
2人が話している間に、僕は家へと足を進める
「千秋さん帰んの?
じゃあ俺も帰ろ
臣、漫画あんがと
お礼に今度なんか奢るわ」
誠は臣の体に漫画の入った袋を押し付けて、臣が袋を持ったことを確認すると、僕に歩み寄って隣に並んだ
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