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しおりを挟むその行為数分後、春也が片手にビニール袋を持って帰ってきた。
おそらく、僕らに気を利かせて少し遅く帰ってきてくれたのだろう。
どこまでも優しい男だ。
袋の中には缶ビールが数本入っていて、さっきの行為を思い出してしまい体の熱が戻りそうになってしまうと、臣が後ろから僕の腰をするりと撫でた。
その手を叩くと、臣は何事もないように春也の元に行きビールを受け取る。
「お前ら何もしてないよな?」
「別に何にもしてないよ」
疑わしいという顔で部屋に異変がないかと見渡す春也
行為の後、力が抜けてしまった僕に代わって臣が後始末をしてくれたため、ソファにも臣の上着を敷いていたため汚れはついていなかった。
だけど、バレるのではないかという不安は拭いきれない。
「そ、そう
何にもしてないよ」
「ふーん」
春也はまだ疑いが晴れないのか、至近距離で僕の顔を見てくるため目を逸らしてしまう。
すると、臣が横から手を伸ばして春也の顔面を覆う。
「近い」
「まあ、いいや
飲み直しするか」
バレなかったことにホッと息をついてまた三人でゲームを始めた。
この後、酔った勢いで謎の暴露大会が始まり春也が臣の部屋で元カノと行為に及んだことあるという話を聞いて、のしかかっていた罪悪感が少し消えたのは僕と臣だけの秘密。
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