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しおりを挟む「ごめんって
今日の放課後なんか奢るよ」
雅也の機嫌を治すためにはこれしかない。
常に金欠の男子高校生にとったら痛い出費になりかねないけど。
「マジ??じゃあラーメン奢って」
僕が奢ると言った途端に雅也の目は輝き出す。やっぱり僕の予想は間違えてなかった。
「わかったよ…あっ」
そうやって返事をした瞬間、僕はあることを思い出す。
「なんだよ」
雅也がさらに怒り出すことを覚悟して、思い出したことを口にする。
「あの…僕、今日図書委員の当番だったの忘れてた…」
本当は別の人が当番だったのだけど、放課後にどうしても外せない用事があるからと言われてイエスマンの僕は簡単に了承してしまった。元から頼まれたことを断れないという性格もあるのだけれど。
「は?!?!
お前やっぱり喧嘩売ってんの?」
胸ぐらを掴んでくる雅也の手をやんわりと払う。
「今度奢るから、絶対に、約束」
「言ったな?明日の昼飯もプラスな??」
「ぐっ…」
奢るなんて言わなければ良かったなんて今更思ってももう遅い。
僕は首をゆっくりと縦に振った。
「仕方ねえな」
怒りをなんとか収められたと思ってほっと息をついていると、雅也の視線が教室の扉の方へとむいた。
どうしたのかと思い視線を追う。
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