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しおりを挟む「ねえ、何で離れてくの?」
「それはもう何度も言ってるけど、離れていくってそれは河田くんの望んだことだよ
僕のこと気持ち悪いんでしょ、近づいてほしくないんでしょ?
ようやく望みが叶ったのに、わざわざ話しかける必要もないじゃん」
「俺物分かり悪いからどういうことかわからない」
河田くんは僕の言葉に苦しそうに顔を歪ませる。
「最初はそう思ってた。
気持ち悪いし、近寄ってほしくないし、男が好きとか言ってるのが信じられなかったというか、そういう人を軽蔑してたのかもしれない…
でもいつの間にか先輩のこと目で追ってるんです」
「それはどう言うこと?」
河田くんは僕の首元に両腕を回すと強く抱き締めてくる。
「よくわかんない、あんまり感じたことない感情だから」
「それはきっと可哀想とか思い始めたんじゃないかな。
僕みたいなやつは河田くんみたいにモテないし、捨て犬とか見た時に思う気持ちと一緒だよ」
「じゃあ、こう言うことしたいって言う感情もそう言うこと?」
河田くんが顔を上げて、一気に顔の距離が近づいた。
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