冴えない女なのに美男子に言い寄られてます。

ぽぽ

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「それは、俺らだけの秘密だからさ」

全然秘密にするほどのことでもないし、むしろ普通に言って特に問題もないのに、なぜ隠す必要があるのだろうか。

「ユイさん、ほんとごめんね
蓮介の遊びに付き合わせちゃって」

「ううん!大丈夫だよ
なんだかんだ楽しめたし」

「え…?楽しめたの?」

「環達はゆっくり回れた?」

「はあ…回れるわけないから…」

伊藤くんが探している中、携帯も通じなかったのに楽しいなんて言ってたらため息をつくのも無理はない。

「環、めちゃくちゃ必死だったよ
だって萌が何話しかけても反応してくれないんだもん」

「萌、余計なこと話さないで
じゃあ俺らはここで別れるからそっちはそっちで楽しんで」

「え!環行っちゃうの?!」

萌ちゃんが伊藤くんの腕引いて、必死に引き留める。

「蓮介がいるでしょ」

「蓮介と環と3人でいるのが楽しいんじゃん…」

萌ちゃんは悲しそうな顔をして下を俯き、伊藤くんの腕に抱きつく。
私が3人を引き剥がしている悪者みたい思えて、徐々に罪悪感が湧いてくる。

「じゃあもうちょっとだけ一緒に回る?
次は逸れないように気をつながら…」

余計な提案だったかもしれない。
3人は驚いた顔で私を見ている。
 
「え???本当に?」

萌ちゃんだけが私に向けて幸せそうに笑顔を見せながら、伊藤くんとの距離を縮めた。

反対に伊藤くんは眉間に皺を寄せて、明らかに怒っているような様子。
友達同士で回るの嫌だったかな?それとも私と一緒にいる姿を近くで見られるのが嫌とか…?

「え?私なんかダメなことを…」

「ユイさんは優しいねえ」

蓮介くんは私の言葉を遮るように話す
伊藤くんは特に何も話すことなく、前を歩き出した

また4人で回り直すも、萌ちゃんがずっと伊藤君の横をキープしている。
伊藤くんは、眉間に皺寄せた状態でまだ怒りが収まっていないようだった。

私が彼をおこらしてしまったようだ…

何で怒らせたんだ…
思い当たるような節は…ないとは言えない
むしろ多い方かもしれない

再び、さっきと同じようなポジションになってしまい今度は逸れないよう伊藤くんの背中に頑張ってついていく。

美男美女が固まって歩いてるからなんだか浮いてしまう私。
逆に目立っているとはこういうことなのだろう。

日陰人間には辛い瞬間だ。

伊藤君はひたすら前を歩いていくというわけでなく、さっきのこともあるせいか後ろを何度か見ながら私達がいることを確認して歩く。

片方の腕は萌ちゃんが掴んでいる中で、もう片方の手が後ろに伸ばされた。
指を曲げて何かを引き寄せるような、合図を取る。

何か欲しいのだろうか。
でも、何が欲しいのかわからない。
ティッシュとか??鞄の中に伊藤くんが求めているものがあるのではないかと探してみるけど特に思い当たらない。

鞄の中を探していると、伊藤くんの長い腕が伸びて私の指先を捕まえた。

「へ?」

その行動に間抜けな声が出てしまう。
指先を捕まえた後に、手のひらを捕まえてそのまま手を握る。

その行為に体温が上がり、一気に手汗が吹き出しそうになったため、離したかったけど割と強めの力で握られている。

「この感じさ、側から見たらどう言う状況かわかんないよね
だって環が両手に女引いてるんだよ」

「確かに…」

「普通はこうでしょ」

蓮介君は私の手を掴んでいる伊藤君の手を払うと、私の手を繋いだ
骨張った手、指には高そうな指輪がはめられている

指輪を見ておもったが、萌ちゃんと蓮介くんは恋人関係ではないのだろうか。
私と手なんて繋いで、特に何も思わないのかな。

「これなら納得いくもんね」

「触んな」

伊藤君は蓮介君の手の甲を叩いて離させると再び私の手を握った。
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