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スパルタ執事
しおりを挟むリリアナが会場を出る際にも周りからのリリアナへの陰口は止まらない。
"あんな乱暴な女、ろくに教育を受けずに甘やかされてきた証拠だな。甘やかされたんだろ。実際に学園の成績もイマイチだし。"
"俺はあんな性格の女絶対にごめんだね
顔はいいけど、親戚にあんな女紹介できない"
"女はもっと可愛げがないとダメだろ
あの令嬢は全くと言っていいほどない
身体つきはいいのにそれに見合う色気もない"
(うるさいわね!!そんなこと私が1番わかってるわよ!!!)
リリアナは涙が出そうなのを堪えて足早に出ていく。
そして、迎えできてた馬車に乗り込んだ途端、リリアナの目からは滝のように涙が溢れた。
「最っ悪!!本当に最悪よ!!人生で1番最悪な日だわ!!」
馬車の中でワンワンと泣き出すリリアナを向かい側に座っていた執事のアレスカが冷たい目で見る。
「お嬢様はキース様に会うたびに最悪が更新されていきますね」
「うるさいわね!!こんな時くらい慰めなさいよ!」
「で、今日は何があったんですか?」
アレスカはポケットからハンカチを取り出すと、リリアナの目元を優しく拭う。
「そ、それは……」
リリアナは今日あったことを全てアレスカに話した。アレスカはしばらく黙り込む。
「それはお嬢様が悪いですね
なぜ我慢できないんですか?」
「だ、だってキース様は私の愛しい愛しい婚約者なのに誰かに取られると想像しただけでも嫌で…つい、あんなことをしてしまうの…」
「それが余計にキース様を遠ざけているのに?」
「うっ…」
核心をついたことを言われて、リリアナはアラスカを睨みつけるも全く動じない。
「それにお嬢様はキース様の前ではあんな素っ気ない態度だから勘違いされてもおかしくないですよ」
「素っ気ないんじゃなくて、あの尊い存在を前にしてしまうとどうしても固まってしまうのよ。
近くにいるだけで心臓がはち切れそうなくらいドキドキするのにあれ以上近付くなんてどうすればいいの?結婚する前に死んでしまうわ…
それなのに別の女が近寄ろうとするから焦ってしまって…」
リリアナは悩ましげに呟く。
その言葉にアレスカはため息をついた。
「じゃあ、婚約者を勤めるのは無理ですね」
「アレスカ!!!あなた執事としての自覚はあるの?!?!
それだけは言わない約束じゃない!!」
掴みかかろうとするリリアナの手を掴み、簡単に交わす。
「自覚はありますよ、僕はお嬢様に拾ってもらった身ですからね。これでも、お嬢様のことを第一に考えています。」
「アレスカ…」
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