56 / 98
2
しおりを挟む「どっか遊んできた帰り?」
「ううん、これから遊びに行こうとしてた!」
「遊びに行くってどこによ?
もしかしてそれに俺もついていく感じ?」
「うん、もちろん!!
遊びに行く場所がわからないから、恭弥くんに教えてもらおうと思って…あ!でも1つだけいってみたい場所がある!」
「ん?どこ言ってみ?」
「あのね…」
菫は恭弥に今まで行ってみたかった場所について話した。
「はあ?そこ?本当にそこでいいの?」
「うん!全然いい!行ってみたかった!」
「しょうがないねえ、我儘な菫ちゃんのために連れていってあげましょ」
恭弥は菫の頭を撫でると、伝票を持って立ち上がり会計を済ませた。菫は恭弥の跡を追って背中から顔を覗かせる。
「いくら~?」
「んー?何円だっけ?」
「何円だっけって言われても私合計金額見てなかった…」
「そうなの?
じゃあ気にせず行こ」
恭弥は菫が店を出る前に扉を開けて待つ。
菫は恭弥の腕の下を潜り抜けて、外へと出た。
「お金払う…」
「いらないよ
代わりに俺の誕生日にいいものでもちょうだい」
店を出て2人で繁華街を歩く。今まで見たことないギラついた繁華街に菫は少し怯えながら歩いた。無意識に恭弥の腕を掴み恭弥の背中に半分だけ身を隠す。
「お2人、よかったら居酒屋とかどうですか?」
道の端に立っていた男に突然、近寄ってきたと思うと声をかけられて菫は驚きで足を止めてしまう。
「すいません、もう行く場所決まってるんで大丈夫です」
菫大丈夫?と小声で耳元で囁かれて、歩き始めた恭弥を小走りで追いかけると、恭弥はその姿を見て笑った。
「怖い??」
「んーん、大丈夫」
大丈夫とは言いつつも、恭弥の腕をそっと掴みながら歩いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
130
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる